ニキビ跡の治し方は? ニキビ跡のタイプ別に治し方を解説!

ニキビが悪化すると炎症が起こっていわゆる赤ニキビとなり、炎症が繰り返し生じるとニキビ跡につながることがあります。ニキビ跡にもさまざまな種類があるため、種類によって適切な対処、治療を行う必要があります。また、ニキビ跡の改善には時間がかかることも多いため、できれば早く治療を始めたいもの。この記事では、ニキビ跡の治し方について皮膚科での治療法を中心に詳しく解説します。

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【タイプ別】ニキビ跡の治し方

ニキビ跡をセルフケアで治すことは難しいため、皮膚科を受診し、適切な治療を受けたほうがよいでしょう。

一口にニキビ跡といっても、赤み、クレーター、ケロイド、色素沈着など、そのタイプはさまざまです。まずはニキビ跡のタイプ別の治療法を見ていきましょう。

【赤みのあるニキビ跡】薬・レーザー

ニキビの炎症が強かったり、炎症が繰り返し起こったりした場合、毛細血管が増えたり広がったりして赤みのあるニキビ跡になることがあります。毛細血管が傷つくと、内出血して赤紫色のニキビ跡になることもあります。このような赤みのあるニキビ跡は、症状が軽ければ自然と治ることもありますが、症状が重い場合は簡単には治らないため適切な治療が必要です。

塗り薬

まずビタミンCの塗り薬が選択肢となります。抗酸化作用があり、赤みの改善が期待できます。また、炎症が起きていない状態を維持することも大切であり、そのためにアダパレンや過酸化ベンゾイルでの治療が推奨されています。この2つの薬はニキビの治療薬としてもよく使われるものですが、炎症が治まった後も、その状態を維持するために薬を続けることがあります。

レーザー治療

赤みを改善するためには血管を減らすこともひとつの方法であり、そのためにレーザー治療を行うことがあります。レーザーにはさまざまな種類がありますが、赤みに対して治療を行う場合は、赤い色素に吸収されるレーザーを照射し、血管を破壊したり閉塞させたりすることが一般的です。

【クレーター(萎縮性瘢痕・いしゅくせいはんこん)】レーザー・ダーマペン・ピーリング

ニキビの炎症によって皮膚の組織が破壊されたり、コラーゲンが減ったりすると、凹みができてクレーターになる場合があります。これは専門的には萎縮性瘢痕と呼ばれるものです。

クレーターはおでこや頬にできやすく、自然に元に戻るのは難しいとされています。

治療法としては、レーザー治療、ダーマペン、ケミカルピーリングなどが挙げられます。

レーザー・ダーマペン

ダーマペンとは、極細の針を使って皮膚に小さな穴を開け、皮膚の回復力を高めるものです。レーザー、ダーマペンによるニキビ跡治療では、いずれも皮膚の表面に小さな穴をあけることで皮膚の再生を促し、その過程でコラーゲンが増えることもクレーターの改善につながると考えられています。

クリニックフォアの一部の医院では、CO2レーザーやダーマペンなどによるニキビ跡治療を行っています。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、専用の薬品を塗って皮膚をはがし、毛穴のつまりなどを排出させる治療法です。ニキビ跡治療で代表的ものに、TCAクロスという方法があります。これは、ニキビ跡にトリクロロ酢酸という成分を含む薬品を塗る方法です。皮膚のタンパク質とトリクロロ酢酸が反応して皮膚がはがれ、コラーゲンが生成されることがニキビ跡の改善につながります。

【肥厚性瘢痕(しこりやケロイド)】ステロイド治療

ニキビの炎症が長く続くと、破壊された組織を修復するために過剰にコラーゲンがつくられてしまい、硬く触れるできもののようなニキビ跡になることがあります。一般的にはしこりやケロイド、専門的には肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と呼ばれるもので、フェイスラインや顎周り、デコルテ、肩、肩甲骨などにできやすいです。

このようなニキビ跡の改善のためにはコラーゲンを減らして塊をほぐす必要があり、ステロイドの塗り薬や貼り薬、注射などが治療の選択肢となります。

【色素沈着】塗り薬・飲み薬

ニキビの炎症によってシミの元となるメラニン色素が増えたり、ターンオーバーが遅れてメラニン色素がスムーズに排出されなかったりすると、シミのようなニキビ跡になります。半年~数年で自然に解消されることもありますが、症状が重いと治らないことがあるため、早めに治療を受けるとよいでしょう。以下のような塗り薬や飲み薬が選択肢となります。

  • ビタミンCの飲み薬:メラニン色素の生成を抑える効果が期待できます。
  • トラネキサム酸の飲み薬(トランサミン):メラニン色素の生成を抑える効果が期待できます。
  • ハイドロキノンの塗り薬:メラニン色素の生成を抑える効果が期待できます。
  • レチノイン酸の塗り薬:ターンオーバーを促進し、メラニン色素の排出を促す効果が期待できます。

ニキビ跡を治すにはどのくらいの時間がかかる?

ニキビ跡が治るまでの期間は重症度によって異なりますが、最短でも3カ月程度とされています。しこりや瘢痕(肥厚性瘢痕・ひこうせいはんこん)の場合は数年かかることもあるため、早めに治療を始め、根気よく続けていきましょう。

ニキビ跡の予防・改善のためにはニキビを作らないことが大事

ニキビ跡の予防、改善のためには、そもそもニキビを作らない、ニキビができたら早めに治すということが大事です。特に炎症を起こした赤ニキビや、膿を持った黄ニキビがニキビ跡になりやすいため注意が必要です。一方、その前段階の白ニキビ、黒ニキビはニキビ跡が残りづらいため、悪化して赤ニキビや黄ニキビにならないようにしましょう。

そのためには、保湿や紫外線対策といった基本的なスキンケアのほかに、栄養バランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠などの生活習慣の改善も重要となります。また、ニキビをいじったりつぶしたりするとニキビ跡になりやすいのでやめましょう。

ニキビ跡を治したいときは皮膚科の受診を!

すでにお伝えしたように、ニキビ跡になってしまうとセルフケアで治すことは難しい場合が多いです。早く治すためにも、皮膚科を受診して適切な治療を受けたほうがよいでしょう。

また、ニキビ跡を作らないためには早めにニキビを治す必要があり、そのためにもニキビができたら早く治療を受けるようにしましょう。赤くはれているようなニキビでなくても、毛穴に皮脂がつまった状態(白ニキビ)から治療が可能です。

クリニックフォアでは、症状に合わせてさまざまな飲み薬、塗り薬を処方しています。診察はオンラインで、薬は自宅まで配送するため、忙しい方でも受診しやすい環境が整っています。

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参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302
  2. 公益社団法人 日本皮膚科学会,「にきび」,皮膚科Q&A