2020.06.15

働く女性の味方?女性の社会進出によって見直されてきている低用量ピルの活用法について、医師が解説します。

とあるニュースにて、ホリエモンこと堀江貴文氏の新著 「東京改造計画」 中に「低用量ピルで女性の働き方改革」という提言があったことに対する意見が噴出していると報じています。堀江氏は7月に行われる東京都知事選への出馬も検討されているようです。

ですが、なぜこの書籍の内容に意見が出たのか、堀江氏はどういう意図があってこの提言をしていると考えられるのか、低用量ピルをオンライン診療含めて長きにわたって扱ってきているクリニックフォアの医師が詳しく解説していきます。

1.生理痛やPMS(月経前症候群)に悩まされる女性が増えている?

月経は個人差もありますが28日から30日周期が平均であり、毎月1回来るという計算となります。現代を生きる私たちにはこの周期が当たり前であり、ふだんこの周期で月経が来ている方にとっては、この周期で月経がこないと妊娠しているのではないか、婦人科系の病気になっているのではと思ってしまうかもしれません。

ですが、昔の女性の月経回数は非常に少なかったことが分かっており、昔の女性が生涯来る月経の回数が50回程度であったのに対し、現代の女性の生涯における月経回数は450回と、およそ9倍にもなっているのです。なぜ昔の女性の方が月経の回数が少ないのか、一つは出産の回数にあります。昔はとにかくたくさん子どもを産み、子孫を繁栄させることが良いという見方もありました。ですので、出産の回数がとにかく多かったのです。しかし、現代の女性は社会進出を果たし、男性と対等に仕事ができる環境となったことにより、子供を産む数が減りました。合計特殊出生率をみてみても、昭和22年頃では4.32であったのに対して、平成30年には1.43となっています。つまり、昭和22年頃には1家族に子どもは4人前後いたのが当たり前だったのに対して、今では1人いれば良いという状態になってきているのです。

妊娠中の約10ヶ月間に加えて、出産後は非授乳の場合は2~4ヶ月で、授乳をしていても6~10ヶ月で月経が再来されます。ですので、1人産むと1年半から2年ほど月経がこないという計算になります。例えば4人産んでいればトータルで約8~10年間月経がこないということになりますので、月経回数が減ったということはうなずけます。

また、二つ目の理由として社会が豊かになったことで栄養状態が良くなり、昔と比べて女性の初潮が早くなっていることも理由です。

生涯の月経回数が急増したことで何が問題になっているかというと、生理痛やPMS(月経前症候群)に悩まされる割合が増えたということです。特に日常生活に支障を及ぼすほどの月経痛に悩まされる病気である子宮内膜症は、月経の回数と深く関係しているといわれています。近年、子宮内膜症の患者数が急激に増えているのですが、これは晩婚化や少子化により妊娠しないあるいは出産回数が少ない女性が増えたことによって、生涯の月経回数が増えたことが一つの理由であると考えられています。

生理痛やPMSを改善させることができれば社会進出してきた女性はますます働きやすくなると言えます。

2.低用量ピルの避妊以外の効果って?

低用量ピルと聞くと避妊が結びつくイメージをお持ちの方もいるかもしれません。ですが、低用量ピルは避妊以外の効果である副次的な効果が多数知られているお薬です。低用量ピルは女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンと似た成分を含有しているお薬です。低用量ピルを内服することで脳がホルモンを分泌したと錯覚を起こすため、排卵の抑制、子宮内膜の増殖を抑制し、避妊が成立するようになっています。

この作用機序を利用した副効果として子宮内膜の増殖を抑えることから月経痛や月経過多など月経に関する諸症状の緩和、PMSのうち特に浮腫、体重増加、乳房痛や攻撃性、過敏性などの緩和、の効果が期待できます。また、ほかにも、子宮筋腫や子宮内膜症、大腸がんなど病気の予防効果も期待されています。一方、乳癌や子宮頸癌はやや増加するという報告もあります。

避妊以外にもさまざまな効果があり、女性の月経に対する悩みの解決にもつながるため、低用量ピルは女性の社会進出を後押しするお薬であると言えるでしょう。

3.日本は低用量ピル後進国?

前述した『東京改造計画』 に記載されている「低用量ピルで女性の働き方改革」という提言の中身を知る機会がありました。この提言の本質は女性が悩まされ、社会進出を遠ざける要因ともなるこれらの病気や症状の予防、治療のために「ピルの公費助成」を提唱するものでした。ですので、この本質まで知ることができれば意見が噴出して炎上するまでに至らなかったと考えています。それでは、なぜ堀江氏がこのようなことを提唱したのでしょうか。

日本が低用量ピルの後進国であるということは実はとても有名な話です。避妊法2019(Contraceptive Use by Method 2019)のデータを用いて世界のピルの内服状況を見てみましょう。欧米諸国のピル内服率を見てみるとノルウェー25.6%、英国26.1%、フランス33.1%、カナダ28.5%、米国13.7%となっています。一方で、東アジアにおけるピル内服率は、中国2.4%、香港6.2%、韓国3.3%となっています。また、東南アジアのピル内服率は、ミャンマー8.4%、ベトナム10.5%、タイ19.6%、マレーシア8.8%、カンボジア13.7%となっています。ですが日本のピル内服率は2.9%。先進諸国と比較して、非常に低いということがお分かりいただけたでしょうか。

先進国のほとんどでは低用量ピルは公費での購入が可能であったり、ドラッグストアで気軽に買えます。しかも価格も非常に手軽であったり、私たちが頭痛薬を買うのと同じ感覚で購入できます。一方、日本では低用量ピルは医師の処方でなければ手に入れることができず、しかも実費負担となります。この手に入れるルートの違いも日本が低用量ピル後進国となっている理由なのです。このことから、日本も近年ピル服用率は微増していますが、まだまだ普及していません。

堀江氏は予防医療にも積極的に取り組んでおられます。この事実を知った上で、このような提言を出し、女性の誰もが手軽に低用量ピルを入手でき、月経やそれに伴う社会生活の悩みの解決につなげたいと考えたのかもしれません。

4.クリニックフォアの低用量ピルオンライン診療について

クリニックフォアでは初診から全国どなたでもオンライン診療で低用量ピルの処方を行なっています。事前問診3分、診療3分のみで完了し、薬は最短当日発送いたします。

クリニックフォアでは、低用量ピルの専用ケースを無料でプレゼントしています。

持ち運ぶのが少し恥ずかしいという方におすすめです!

低用量ピルの市販化の声も上がっていますが、低用量ピルは副作用もあるため、禁忌として使えない方もいらっしゃるため、医療機関での処方、フォローが重要であるとクリニックフォアは考えています。ですが、クリニックに毎月足を運ぶほど余裕がないという場合にはオンライン診療を活用していただくことで、お手すきの際に気軽に受診をしていただき、低用量ピルの処方へとつなげていきたいと考えております。

生理痛などの生理にまつわる症状が軽くなる、ニキビが改善される、という効果もあるため、避妊以外の目的で服用される方も多くいらっしゃいます。低用量ピルの処方をご希望の方はぜひクリニック フォアグループへご相談ください。

更新日:2020年6月15日

監修:クリニックフォアグループ医師