2020.07.22

緊急避妊薬ノルレボとは?効果や有効時間について医師が解説します。

緊急避妊薬として日本で承認を得ているノルレボ。このノルレボがどういったお薬なのかを詳しくご紹介します。

1.ノルレボって何?

ノルレボとはアフターピルの1種であり黄体ホルモン(レボノルゲストレル)を主成分とするお薬のことを言います。2011年にアフターピルとして初めて日本で承認され、販売が開始されたお薬です。2010年時点では、欧州、アジア、アフリカなど世界約50カ国で販売されており、信頼も実績もあるお薬と言えます。

ノルレボには、レボノルゲストレルが1.5㎎配合されているものと0.75㎎配合されているもののの2種類があります。日本では臨床試験の結果を踏まえて、レボノルゲストレル(LNG)1.5mgを含む 製剤が唯一の緊急避妊薬として承認されており、第一選択として使用されています。そのため、ノルレボも1.5mgのものしか医療機関では処方されません。

2 ノルレボの効果とは?

ノルレボの効果としては、排卵の抑制と子宮内膜の増殖抑制の2つの効果が期待できます。

・排卵を抑制する 

ノルレボは排卵前と排卵後どちらで服用しても良いとしていますが、より高い効果を得るためには排卵前の服用が望ましいとされています。排卵前に服用することで、正常な排卵を抑制する効果が期待できます。排卵前になると、卵胞を育てるためホルモンが一時的に多量に分泌されるLHサージという現象が起こります。排卵前にアフターピルを内服することで、このLHサージが起こらなくなったり、遅延したりすることが考えられています。そのため、排卵が抑制されて、避妊が成立するということになるのです。

ノルレボの効果は、約80%の女性が5日間以上続くといわれています。つまり、アフターピルを内服してから5~7日間は排卵の可能性がなくなりますので、この期間に性器内に侵入しているすべての精子が受精能力を失い、妊娠を成立させないようにするということになるのです。

・子宮内膜の増殖を防ぐ 

ノルレボのもう一つの効果は子宮内膜の増殖を抑制することです。排卵が抑制されているため、子宮内膜を増殖させるためのホルモンの分泌が少なくなり、子宮内膜が増殖しにくくなります。もしも、排卵がされていて受精されていたとしても、子宮内膜が薄いため着床せず、妊娠が成立しなくなります。また、宮頸管粘液の性質を変化させる効果もあるため、排卵後に服用をしても避妊の効果が期待できるとしています。

3.避妊が失敗する場合の原因とは?

ノルレボの避妊率はノルレボを72時間以内に内服することができれば約80%であるとしています。さらにノルレボを服用後、次の月経まで性交を避ければ、効果は約95%ともいわれています。他の避妊法に比べて元々避妊率があまり高くないことが特徴ですので、適切なタイミングで服用をしていたとしても避妊が失敗する可能性は十分にあります。

そのほかにもノルレボが十分に吸収されなかった、ノルレボを服用後も避妊をせずに性行為をした場合には避妊が失敗する可能性が指摘されています。また、ノルレボは体重75キロを超える方、または体格指数(BMI)が 25 kg/m2 よりも大きい方、いわゆる肥満とされる方には、効果があまり見られないという報告もあり、これに該当する場合には避妊が失敗する可能性もあります。

4.ノルレボ の副作用とは?

ノルレボの副作用として日本国内の臨床試験で報告されているのは消退出血が最も多く46.2%となります。消退出血とは生理による出血のことを言います。他にも、不正子宮出血が13.8%で、生理のタイミング以外に出血が見られた状態のことを言います。ほかにも頭痛12.3%、悪心9.2%、倦怠感7.7%などの報告があります。悪心の副作用はあるものの嘔吐につながることは少ないということも報告されています。

5.ノルレボの価格は?

ノルレボは、保険適用外のお薬ですので医療機関によって価格が異なります。クリニックフォアグループでは、国内先発品のノルレボは11,500円(税抜き)、ノルレボのジェネリック医薬品であるノボノルゲストゲルは11,000円(税抜き)で取り扱っております。

通販ではこれよりも安いお値段でノルレボが販売されていることがあります。ですが、通販のノルレボは本当にレボノルゲストレルが含まれているのか疑わしい薬剤も多く見受けられます。そのため、価格が安いからと言って通販に頼ることはおすすめできません。

6.ノルレボの飲み方は?

次に、ノルレボの服用方法について詳しく解説していきます。

・性行為後いつ飲むの?

ノルレボは性交後72時間以内に1.5mg 錠を1錠を服用します。早ければ早いほど避妊の効果が高くなると考えられていますので、速やかに服用することがポイントです。

また、LH サージが起こる前であれば頻回の服用も可能です。ですので、例えば1錠服用した後にまた避妊なしで性行為をしてしまったという場合にはもう1錠服用するということも可能です。ですが、LHサージが起こっているかどうかの判断をすることは検査をしても難しいことが特徴です。

もしも72時間を過ぎてしまったという場合でも、120時間以内であれば服用しないよりは服用したほうが良いと考えられています。ただし、72時間以内に内服した場合よりも避妊の可能性は落ちると考えられています。

・服用後出血が起こるの?

先ほどもご紹介したように、服用後には副作用として出血があります。1つは消退出血と言いいわゆる生理による出血、もう1つは不正出血と言い生理以外での出血です。アフターピルを内服後早い方で3~4日、平均でおおよそ10日前後で消退出血は起こるとしています。ノルレボを使用して21日間経過しても出血が見られないという場合には念のため医療機関で妊娠検査を受けられることをおすすめしています。

公開日:7月22日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

一般社団法人日本家族計画協会 https://www.jfpa.or.jp/women/emergency.html

公益財団法人日本産科婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kinkyuhinin_shishin_H28.pdf

日本プライマリケア連合学会 http://www.pcog.jp/files/topics_I/1/topics_I-6-1.pdf

日本産科婦人科学会 http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13

日本産婦人科学会 OC・LEPガイドライン 2015年度版

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/10803000/000496181.pdf

http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kinkyuhinin_shishin_H28.pdf

http://www.bccdc.ca/resource-gallery/Documents/Educational%20Materials/STI/Med%20Handouts/STI_handout_Levonorestrel_ECP_japan.pdf

日経メディカル https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/series/drug/update/201105/519903.html