生理じゃないのに子宮が痛い原因は?病気の可能性もある?医師が解説します。

生理時に下腹部痛が痛くなるという経験は多くの方がされているかもしれませんが、生理じゃないのに子宮のあたりが痛くなると何か病気ではないかと不安になる方もいらっしゃるかもしれません。

生理じゃないのに子宮が痛くなる原因、病気の可能性について詳しく解説していきます。

子宮の痛みは病気ではない場合にも起こる?

子宮の痛みは病気ではない時にも起こることがあります。病気でない場合に子宮が痛くなる原因、そして痛み方についてまずはご紹介します。

1つ目は妊娠による痛みです。妊娠初期に子宮の痛みを感じる方がいらっしゃいます。痛み方はチクチクとした痛みだったりキューっと引っ張られるような痛みだったりと人によって感じ方は異なります。

2つ目は流産です。週数などにもよりますし、症状が出ないという方もいらっしゃいますが、人によっては生理痛に似たあるいはそれ以上の激しい下腹部痛が症状として見られます。子宮の内容物を外に押し出そうとするため、子宮が締め付けられるような痛みを経験する方が多いです。

3つ目は性交痛です。性交痛とは、性行為の時に感じる痛みのことを言い、鈍痛を感じるという方が多い傾向にあります。性行為中に子宮の痛みを感じる場合には、他に病気が隠れている可能性も考えられています。

4つ目は排卵痛です。排卵痛とは排卵をした際に起こる痛みのことを言います。排卵とは、卵巣をにある卵胞の壁を卵子が突き破って外に出てくるのですが、この時に卵胞液や血液が腹膜に触れることで子宮の痛みを感じます。チクチクとした痛みだったり、お腹が張ったような痛みを感じたりします。

病気につながる子宮の痛みで考えられることは?

次に病気の可能性がある子宮の痛みについて解説していきます。子宮が痛くなる病気のなかでも特に緊急性が高いのは子宮破裂、卵巣腫瘍破裂、卵巣腫瘍茎捻転、卵巣出血です。

子宮破裂

子宮破裂は特に多胎妊娠中の方、巨大児を妊娠している方、帝王切開後に時間をおかずに妊娠をした方、妊娠前に子宮筋腫などによって子宮の筋肉部分を切っている方に起こりやすいものです。子宮の傷が癒えていないあるいは、多胎や巨大な児に支給が耐えられず破裂するというものです。特に、子宮筋の部分にメスを入れた経験のある方は妊娠中に起こる可能性があるとしています。突然の激しい腹痛を伴うことが特徴です。

卵巣腫瘍破裂

卵巣腫瘍破裂も同様に破裂によって起こるものです。卵巣に良性の腫瘍(チョコレート嚢胞など)ができることで卵巣が破裂し、その血液などの刺激によって子宮破裂と同様に激しい痛みを感じます。激しい痛みだけでなく、出血によってショックを起こすこともあり、命の危険にさらされる場合もあることから、緊急性が非常に高くなります。

卵巣出血

卵巣出血は、卵巣から出血をする病気で、出血量が少量の場合もあるので、自然に治癒する可能性もあります。ですが、出血性の病気は血が止まらなかった場合に血圧が下がり、命にかかわる可能性があるため、こちらも出血量によっては緊急に治療を受ける必要が出てくることもあります。緊急に治療が必要な子宮の病気は手術など外科的な治療になることがほとんどです。

次に、子宮の痛みを感じてからすぐに命を落とすという可能性は低いものの、早期の治療が望ましい病気です。なるべく早く治療を受けることが望ましい病気には子宮体がん、骨盤内腹膜炎があります。

子宮体がん

子宮体がんとは、子宮にできるがんのことです。子宮体がんの場合は子宮がずっと痛み続けるのではなく、性行為時や排尿時などのタイミングで痛むことが特徴です。

骨盤内腹膜炎

骨盤内腹膜炎とは性感染症の原因となるクラミジアや淋菌によって骨盤に炎症をきたすことによって起こることが多い病気ですが、そのほかにも子宮内避妊具を挿入したことによる感染によって起こることもあります。炎症を起こしているため早期に治療することが重要です。

子宮筋腫や子宮内膜症といった子宮の病気は、月経痛が主症状となることから、生理の時に生理痛がひどくなる傾向にあるものの、生理以外での腹痛が起こることはほとんどありません。

生理じゃないのに子宮の痛みが続く…どうしたらいい?

生理でもないのに子宮の痛みが続くという場合、やはり病院を受診して検査を受けられることをおすすめします。特に、子宮の痛みに加えて不正出血が見られるという場合、さらに不正出血と子宮の痛みが持続しているという場合には、何か子宮の病気が隠れている可能性がありますので、病院を受診してなるべく早く検査を受けることが、生理以外での支給の痛みを改善する対処法になります。

また、もしも妊娠をしている可能性があるという方はその旨を病院で医師に伝えるようにしましょう。妊娠検査薬は市販のものも販売されているため活用してから受診をされるのも良いでしょう。

公開日:8月14日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

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