2020.09.01

月経カップってなに?使い方やメリットについて、医師が解説します。

生理用品にはナプキン、タンポンなどさまざまなものがあります。

近年欧米を中心に流行し、第三の生理用品ともいわれる月経カップというものをご存知でしょうか。特にエコの意識が高まり、資源を大切にしたいという思想が広まったことで、月経カップを取り入れる人が増えているのだとか。今回はこの話題の月経カップについて詳しく解説していきます。

月経カップって何?みんな使っているの?

月経カップとはシリコン製のカップのことで、膣に直接挿入して経血をためていきます。経血が溜まったらカップ内の経血を捨てて再び洗って装着します。経血は4~12時間ごとに捨てる必要がありますが、カップの種類や月経の周期によっては最長で12時間使用し続けることができます。医療用シリコンやゴム、ラテックス製のものが多く、長くて10年間使用できるという特徴があります。

欧米では1990年頃より薬局などで販売されるようになりました。生理用品ですので使用をオープンにしている人も少なく積極的な調査をされているところは少ないのですが、世界の中でも使用している女性が多いフィンランドにおいて、とある会社が調査した結果によると、12%の女性が月経カップを使用しているという結果が出ました。月経カップの使用が進んでいる国で約10人に1人の使用率のため、日本ではまだ使用している方は少ないかもしれません。日本の場合は特に若い女性や、産婦人科で働いておりこの月経カップの存在を早期から知っていた方で使用者が多い傾向にあります。

各メーカーが販売する月経カップは、小さめサイズと大きめサイズの2サイズ展開をしているところがほとんどです。欧米で人気が高まったものですので最初は欧米人の使用に合わせたサイズ展開でしたが、最近では日本人の身体に合わせた日本製の月経カップの販売もされています。

月経カップについての話を聞くと多くの方が、使用することによる安全性や有益性について疑問に思われると思いますが、月経カップの使用に伴う感染症リスクの上昇は認められていません。さらに、追跡期間中に腟内や子宮頸部を調べた複数の研究で、月経カップの使用による子宮などの組織の損傷もありませんでした。

月経カップを使うことのメリット、デメリットは?

月経カップを使用することによってどのようなメリット、デメリットがあるのでしょうか。まずは、メリットからご紹介します。月経カップのメリットはいろいろとあります。

1つ目は、やはり費用負担が減るというところです。月経カップは1つ5000円程度しますので、最初は費用がかかるものの、そのあとは数年は繰り返し使えるためナプキンなどを購入する必要がありません。ですので、費用負担は大幅に軽減されます。

2つ目は、陰部の肌トラブルを防ぐことができるという点です。経血やナプキンによって蒸れやすくなっている陰部は、特に夏の暑い時期や、運動をする、毛糸のパンツなど通気性の悪い衣服を着用する方は通気性が悪くなり、陰部のかぶれなどを引き起こします。月経カップを使用していればナプキンを使用する必要がないため、月経時の陰部の肌トラブルを防ぐことができます。

3つ目は、温泉やプールといった旅行を快適に過ごせる点です。生理期間には温泉やプールを我慢するあるいはタンポンを使用するという方もいらっしゃるかもしれません。タンポンは紐があるため、特に温泉では目立つこともあります。経血カップは膣から外にカップが出てくることがありませんので、温泉やプールも快適に過ごせます。また、最長12時間はカバーできるため、夜寝ている時にも使用しやすく、旅行の時にシーツを汚す心配などもありません。

4つ目はニオイがしないということです。生理中は経血の臭いが気になるものですが、あのニオイは経血が酸素に触れることによって起こります、月経カップを使用することによって膣内から経血が漏れず、酸素に触れないため、ニオイがなく、快適に過ごすことができます。

月経カップを使用することによるデメリットは、慣れが必要ということです。慣れてくるまでは漏れてしまったり、装着がうまくできず外れてしまうこともあるようですが、だいたい2~3回の生理で慣れてくるという方が多いです。

また、消毒が手間であるということです。月経カップは使用のたびに消毒をしなければなりません。ですが、この消毒が面倒であったり、職場や外出先などで消毒できる場所がないということもあります。そのため、月経カップを普段から使っているユーザーは外出用に2~3個の月経カップを持っていたり、使用した月経カップをすぐにしまって持ち歩けるようにおしりふきや除菌シートを持ち歩いているという方もいらっしゃるようです。

さらに最も問題視されているのがTSS(トキシックショック症候群)です。TSSとは黄色ブドウ球菌という常在菌が増殖して毒素を産生することによって引き起こされる感染症です。その半数がタンポンが原因となり、タンポンを長時間挿入しっぱなしにしてしまうことによって起こると考えられています。現在、月経カップを長時間使用したことによるTSSの報告はありませんが、このことからも、長時間の使用ができないというデメリットがあります。最長12時間使用できるとしているものの、メーカーは4~6時間での交換をおすすめしています。

月経カップはこんな人におすすめ

月経カップを使用することがおすすめなのはどのような人なのでしょうか。まずは、皮膚が弱い方やナプキンを使用していてかぶれるという方です。特に、夏や運動をする時、夜などナプキンをしている時間が長くなる場合や、陰部が蒸れやすくなる時期には肌トラブルが起こりやすくなるため、月経カップを使用することがおすすめです。また、出産経験がある方は、膣が広がっているため、月経カップが入りやすく使用しやすいため、苦痛なく使用できておすすめです。

ですが、月経カップの使用をおすすめできない人、不向きな人もいます。

まず、長時間交換することができない人です。長時間交換できないと先ほどもご紹介したTSSのリスクが高まります。ですので、長時間交換ができないという方の使用はおすすめできません。また、月経血の量によって漏れることが気になるという方は経血量が多くなる1~2日目は使用を避けているという方もユーザーにはいるようです。

次に性交経験がない人にも月経カップはあまりおすすめできません。性交経験がない方は、膣が広がりにくいため、挿入が難しいという特徴があります。

ですが、ここに書いた特徴の方以外でも月経カップを使うことが難しい人や、逆に月経カップの使用をおすすめできないと書いた方の中にも月経カップが使いやすかったという人もいます。実際に性交経験がなくても問題なく月経カップを使っている方もいらっしゃいます。人それぞれとなりますので、気になる方は自分の生活スタイルあるいは体に月経カップが開ているかどうか試しに使ってみてはいかがでしょうか。

月経カップの使い方とは?

月経カップはどうやって使用するのか、その使用方法についてご紹介します。

月経カップは使用する前に手を石鹸でよく洗って清潔にしておきましょう。清潔になった手でカップを折り、コンパクトにまとめます。この折り方は使用される月経カップのメーカーが推奨しているものや、自分の膣の広さにあった折り方がありますので、使用される月経カップの説明に従われることをおすすめします。

そうしたら月経カップを膣の中にセットし、広がったことが確認できれば完了です。だいたいの女性は膣入り口から4cm〜子宮口あたりまでの感覚が鈍いのでこのあたりにセットすると痛みや違和感などがなく過ごすことができます。

カップを取り換える際には中の経血を便器に捨てて、トイレットペーパーなどで拭くか、流水で洗います。メーカーや商品によってはそのまま再挿入しても良いというものもありますし、消毒をしてから再挿入が必要なものもあります。こちらもメーカーの指示や商品の説明に従われるようにしてください。

日本ではまだまだ馴染みのない生理用品ですが、一度使用すると生活の質が向上するという意見が多数寄せられています。特に温泉やプール、ジムやホットヨガに気軽に買寄せるようになったという意見が多く、生理に振り回されずに日常生活を送れるようになったという女性が増えています。生理用品を使ってかぶれたりにおいがするのが嫌だという方や、生理中でも旅行などの予定を変えずに楽しみたいという方は是非一度お試しください。

公開日:9月1日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

https://www.melunajapan.com/meluna-use/

https://www.carenet.com/news/general/hdn/48445

https://news.yahoo.co.jp/articles/b1abb014a558f9e78751528384376110ff52ac5f

https://www.fullmoongirl-cup.com/

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/492567/

http://www.jhpia.or.jp/standard/tss/tss1.html