2020.09.02

クラミジア感染症ってなに?治療法は?医師が解説します。

性感染症のひとつであるクラミジア。どのような感染症なのか、検査や治療方法などを詳しく解説していきます。

クラミジア感染症とは?

クラミジア感染症とはクラミジア・トラコマチス(Chlamydia trachomatis)という細菌に感染することによって、尿道、子宮頸部、直腸に症状をきたす性感染症のことをいいます。

日本国内の感染者数は40 万人以上と言われており、性感染症の中でも最もポピュラーな性感染症といわれています。また、若い方に多いという特徴があり、性行為の経験がある一般の高校生で、女性13.1%、男性6.7%が感染しているという報告があります。

クラミジア感染症は無症状で経過することが多く、実際に妊婦検診において正常妊婦の3〜5%にクラミジア保有者がみられており、妊婦健診で感染が発覚する例も多く、このことからも自覚症状のな い感染者はかなりいるのではないかと推測されています。

1~3週間の潜伏期間を経て発症するのですが、その症状は男性と女性で異なります。男性の場合は、尿道炎をおこすことが多く、尿道のかゆみや不快感、排尿時の軽い痛み、膿、軽い発熱や痛みが見られます。ほかにも精巣上体炎の原因にもなり、精巣上体が腫れたり、痛みやかゆみを伴います。若い方の精巣上体炎の原因はクラミジア感染症によるものが多いとしています。

女性の場合、クラミジア感染症によって出現する症状はおりものの増加、不正出血、下腹部痛、性行為痛とクラミジア感染症以外でも起こりうる症状しか出てこないため、感染しているかどうかの判断が非常に難しいという特徴があります。クラミジア感染症を放置していると卵管炎や卵巣炎、骨盤腹膜といった炎症疾患の原因となり、最終的に不妊症へつながります

クラミジア感染症にはどうしてなるの?感染経路は?

クラミジアにどうして感染してしまうのかその感染経路について解説していきます。

クラミジアは性行為によって感染します。精液や腟分泌液、感染した箇所の粘膜に存在するクラミジアが、相手の粘膜に接触することによって感染してしまうのですが、1回の性行為における感染率は、30〜50%といわれています。

近年オーラルセックスによる口腔粘膜への感染報告も増えています。口腔粘膜に感染した場合の症状は咽頭痛や咽頭の腫れ程度で、風邪と似ており診断が難しいという特徴があります。また、進行すると稀にリンパの腫脹などにもつながっていきます。口腔粘膜に感染していたとしてもキスや、飲み物を回し飲みする程度であれば感染はしないとしていますが、こちらはエビデンスに則った十分な証拠がまだ出ていません。

ほかにもアナルセックスによって直腸にクラミジアが感染したという報告があり、クラミジアに感染していたら感染部分の粘膜と接触したことで感染が確立してしまうということが分かっています。なお、温泉などでのお湯を介した感染の報告は出ていません。

クラミジア感染症の検査と治療方法は?

クラミジア感染症の検査には検査キットを使用します。病院によっては血液検査をするというところもありますが、確定診断をするためにはキットの使用が推奨されています。男性の場合は尿の採取、女性の場合は膣の分泌液を採取して検査を行います。

また、口腔粘膜に感染している疑いがある場合にはうがいをしていただき、そのうがい液を用いて検査を行います。近年、市販でもクラミジアの抗体検査をするためのキットがありますが、病院で治療をするためには再度病院でも感染の有無を知るための検査が行われます。つまり、二度検査をしなければならないため、もしも感染しているかもしれないと思ったならば最初から病院で検査を受けることを金銭的な負担を考慮してもおすすめしています。

この検査でクラミジアの感染が確定した場合の治療方法は抗菌薬の使用です。クラミジア感染症はピンポン感染といい、例えばパートナーの片方を治療したとしてももう片方が感染していて治療をしていなければ再度感染してしまう可能性があるため、パートナーと一緒に病院へ行き、検査を受けられることをおすすめしています

もしも治療をしなかったとしても約3分の2の人が4週間ほどで軽快するという報告があります。しかし、その期間中に性行為を行うことで相手にうつしてしまう可能性があることや、悪化したときに命にはかかわらないにせよ不妊症や尿道の炎症、リンパ節の炎症など体調に影響を及ぼしてしまうため、治療はしっかりとしておくとよいでしょう

クラミジアに感染しないためにはどうすればいいの?

クラミジア感染症を予防する方法は性行為を控えることです。クラミジア感染症は性感染症のひとつのため性行為をしなければ感染はしません。もしくは、性行為の際に粘膜の接触をしないようにすることです。

男性はコンドームを着用することで、粘膜の接触を防ぐことができます。膣への挿入時だけでなくオーラルセックスの場合でもコンドームを装着することで感染を防ぐことができます。

公開日:9月1日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

https://www.std-lab.jp/stddatabase/chlamydia-trachomatis.php

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/chlamydia-std/392-encyclopedia/423-chlamydia-std-intro.html

https://www.std-lab.jp/stddatabase/chlamydia-trachomatis.php