2020.09.03

主な性病の種類とは?どんな症状が出るの?医師が解説します。

性病にはさまざまな種類があるということをご存知でしょうか。今回は、性病の種類や症状について詳しく解説していきます。

性病ってそもそも何?

性病は、性感染症とも言いSexually Transmitted Diseasesの頭文字を取ってSTDとも呼ばれています。性感染症は、性行為が原因でウイルスや細菌に感染して起こる感染症です。性行為とは男性の性器を女性の膣に挿入する通常の性行為だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)や肛門性交(アナルセックス)も該当します。

近年は、性行為の低年齢化によって10代後半から20代前半の若い方も性感染症となっているほか、高齢化社会によって元気な高齢者が増加している背景から、中高年の感染者も増加しています。

性病の歴史は古く、15世紀に梅毒の存在が確認されたことが始まりです。日本でも1512年に京都で感染者が確認され、瞬く間に広がっていきました。それまでは性病はすべて同一のものとしてとらえられていましたが、1831年淋病と、1837年に下疳が別の病気であることがわかっています。

性病の種類と症状は?

性病の種類は多岐にわたりますので、ここでは、主要な性病の種類と症状について解説していきます。

クラミジア

まず、最も感染者が多い性感染症であるといわれているのがクラミジアです。若い方に感染者が多いことも特徴です。

クラミジア感染症は無症状で経過することが多く、進行して炎症を起こしたタイミングで初めて、クラミジアの感染を知るという方もいらっしゃいます。特に女性では、おりものの増加や、軽い腹痛といった性感染症以外でも起こることのある症状しか出てこないため、クラミジア感染と結びつけることが難しく、発見が遅れる・定期検診や妊婦健診で初めて発見できるということもあります。

淋病

次に感染者数が多いのが淋病です。淋病とは淋菌によって感染する性病で、淋菌感染症とも言います。淋菌自体は非常に弱い菌で、感染者の粘膜から離れると数時間で感染性を失います。また、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤でかんたんに死滅することも特徴です。そのため、性行為以外で感染することはあまりありません。

男性では尿道からの膿が見られますが、無症状で経過する例も多く、女性に至っては男性よりもさらに症状が軽くほとんどが無症状で経過することが特徴です。しかし、静かに症状が進行して骨盤腔内の炎症や不妊症になってしまいあとから感染に気付くというケースも多々あります。

梅毒

性感染症としては最も古く、歴史があるのが梅毒です。梅毒トレポネーマという病原菌に感染することで起こる性感染症で、放っておくと症状が消えてしまうのが特徴です。最初は感染部位のしこり程度ですが、3ヶ月経つと皮膚に発疹が見られ、3年経つと皮ふや筋肉、骨などにゴムのような腫瘍が発生することがあり、最悪の場合死亡するケースもあります。

ヘルペス感染症

ここまではどちらかというと女性側の症状が軽い病気ですが、女性側の方が症状が重く出る感染症にヘルペス感染症があります。

ヘルペス感染症とはヘルペスウイルスに接触することで起こる感染症で、特定のパートナーとの性行為においての感染率は1年間で約10%とされています。女性では強い痛みと発熱により排尿困難・歩行困難になることがあります。

ヒト・パピローマ・ウイルス

女性のほとんどが一生に一度は感染しているといわれるのが、ヒト・パピローマ・ウイルスです。ヒト・パピローマ・ウイルスは尖圭コンジローマなどの性感染症や子宮頸がんなどの原因となるウイルスです。性器に小さな水疱ができて痛みと痒みを伴います。

性病の中で唯一予防のためのワクチンがあるということが特徴です。予防ワクチンがある性感染症にはもう一つB型肝炎があります。肝炎の中で唯一性行為によって起こりうる感染症で、倦怠感や吐き気、頭痛や尿の色が濃くなるという症状が初期には見られます。

トリコモナス

男性がかんたんに予防できる性感染症として知られているのがトリコモナスです。トリコモナスとはここまでご紹介してきた性感染症と異なり、細菌やウイルスではなく、腟トリコモナス原虫という微生物が原因となります。感染者は減少傾向になっているもののしばしば中高年で見られることが特徴です。

悪臭の強いおりものや炎症、痒みが出ることが特徴ですが、男性においては性行為後にすぐに排尿をすることで予防できます。また、性行為以外でもタオルの共有や入浴などでも感染してしまうという特徴があります。

カンジダ

性行為をせずに発症する性感染症にカンジダがあります。カンジダとは、もともと膣の中にいる常在細菌であるカンジダ菌がストレスなどによって免疫力が低下したときに症状を発症させます。カンジダの症状は陰部の痒みと酒かす状のおりものです。

HIV・エイズ

これら以外にも、聞いたことのある方の多い性感染症にHIVとエイズがあります。HIVとは、ヒト免疫不全ウイルスでヒトの免疫細胞へ感染するウイルスです。性行為による感染が最も多く、特に肛門性交では、腸管粘膜が薄くて傷がつきやすいということから、HIVが侵入しやすく膣性行為よりも感染者が多いという特徴があります。

このHIVに感染したことによって免疫機能が落ちてきて、健康な時には絶対かからないような弱い菌にも感染しやすくなります。この状態がエイズで、後天性免疫不全症候群といいます。

性病の検査方法は?

性病の検査方法は疑われる性病によって異なるため、まずは、問診を行い、どんな症状が出ているかと症状の経過について医師に説明します。

梅毒、ヘルペス、HIVは血液検査で判定することが多いですが、それ以外の性感染症については、それぞれの性感染症専用の検査キットを用いて、細胞の一部を採取したり粘液や尿などから原因となる菌を採取します。

感染して症状が重篤してからではなく、早期に検査を受けて発見することができれば、辛い症状が出てこないまま改善することができます。何か疑わしい症状があれば早期に検査を受けられることをおすすめします。また、パートナーのどちらかが性感染症を診断された場合には、ご自分も一緒に検査を受けられることをおすすめします。

性病の感染予防方法とは?

性病は性行為によって感染する病気なので最善の予防策は性行為をしないということです。ですが、性行為をしないということが難しい場合には、男性がコンドームを装着するなどして、性器同士を直接触れ合わせないということです。また、粘膜からだけでなく傷がつくとその傷ついた粘膜から血管を通って体内に侵入しやすくなるため、傷がつきやすいような激しい性行為を避け、傷ができているという場合には性行為を行わないことが必要です。

また、性感染症の中には感染力が強くタオルの使いまわしやキス等で感染するものもあります。性感染症に感染した方が同居者の中にいらっしゃる場合には医師からの注意事項をよく聞き、性行為以外でも感染をしないように行動することが必要となります。

公開日:9月3日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

国立感染症研究所 

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/chlamydia-std/392-encyclopedia/423-chlamydia-std-intro.html

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ra/gonorrhea/392-encyclopedia/527-gonorrhea.html

https://www.std-lab.jp/stddatabase/trichomonas-vaginalis.php

大正製薬

https://brand.taisho.co.jp/meditreat/candida/#:~:text=%E8%85%9F%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%80%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81%E8%85%9F,%E3%81%97%E3%81%A6%E7%99%BA%E7%97%87%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82

https://www.hivkensa.com/mb/whatis/#:~:text=HIV%E3%81%A8%E3%81%AF%E3%80%81Human%20Immunodeficiency,%E3%81%AB%E6%84%9F%E6%9F%93%E3%81%99%E3%82%8B%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

https://yoboukai.co.jp/std_3