ダイエットの薬にはどんなものがある?病院でのメディカルダイエットで使われる医薬品を医師が解説します。

メディカルダイエットという言葉を聞いたことがありますか?これは、病院での施術や処方薬などを用いて、医師のサポートを受けながら行うダイエットのことです。病院でのメディカルダイエットではさまざまな医薬品を使う選択肢があります。

そこでこの記事では、メディカルダイエットで使われる医薬品を中心に、ダイエットに効果が期待できる薬について解説します。効果が期待できる時期や副作用、価格、入手方法などについても詳しく解説するので最後までお読みください。

病院で取り扱う体重減少(ダイエット)に効果が期待できる医薬品とは?

病院で取り扱う体重減少(’ダイエット)効果のある医薬品には、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬、漢方などがありがあります。医療機関で医師のサポートのもと、これらの医薬品の処方を受けて体重減少をを目指すことを、メディカルダイエットといい、本来医療機関の肥満外来あるいはダイエット外来と呼ばれるところで行われます。

肥満自体は病気ではありませんが、肥満であることによってさまざまな病気にかかるリスクを伴います。そのため、内服薬などを使用して改善のためのアプローチをしていくのです。高度肥満の方の場合は、食欲抑制剤を保険適用で処方してもらうことが可能です。

体重減少(ダイエット)効果のあるお薬は、ドラッグストアなどでサプリメントとしての販売もされていますが、サプリメントでは高い効果が得られないことがあるため、より確実に体重減少(ダイエット)効果を期待したいという方は、病院で処方を受けるようにしましょう。

病院で取り扱う体重減少(ダイエット)効果のある医薬品①GLP-1受容体作動薬

GLP-1受容体作動薬とは、視床下部に作用する中枢性の食欲抑制と、胃排泄抑制作用によって体重を減少させる医薬品です。5%以上の体重減少は 51~73%の方に期待されると報告されています。

GLP-1作動薬にはいくつかの種類があり、注射薬であるオゼンピック、内服薬であるリベルサスなどがよく使われています。

実はGLP-1は胃酸などの消化酵素によってすぐに分解されてしまったり分子が大きかったりするため、胃から吸収するのが難しいといわれています。そのため、以前は全て注射薬だったのですが、2020年に吸収促進剤を配合した内服薬のリベルサスが登場し、より使いやすくなりました。

※現在、GLP-1注射製剤に関して全国で供給不足が続いております。
糖尿病学会、日本医師会の指針を踏まえ、適切な患者さんへの使用を優先する為、供給状況について国内正規代理店と連携しながら、状況に応じて医師の判断のもとで処方を行わせていただきます。

病院で取り扱う体重減少(ダイエット)効果のある医薬品②SGLT2阻害薬

SGLT2阻害薬とは、尿細管においてグルコース再吸収の90%を担っているSGLT2を選択的に阻害することにより、グルコースを尿中に排泄して体重を減少させる医薬品です。SGLT2阻害薬を使用することによって1日約200 〜500 kcal分のエネルギーが体外に排泄され、体重でいうと、研究の結果では約2~3Kgの体重減少が望めると認められています。体重減少のピークは服用開始から半年程といわれています。

SGLT2阻害薬は、食欲そのものを抑える効果はありません。ですので、食欲が出て食べ過ぎてしまったなどという場合にはここで書いてあるほどの体重減少は望めません。SGLT2阻害薬の代表的なものにフォシーガやルセフィがあります。

病院で取り扱う体重減少(ダイエット)効果のある医薬品③漢方薬

漢方は、植物や鉱物といった生薬を組み合わせた薬で、体のバランスを整えることで不調を和らげるものです。ダイエットにおいて代表的な漢方薬が防風通聖散です。

防風通聖散は効果・効能に「肥満症」と記載があります。これは、脂肪燃焼のほか、利尿作用によるむくみ改善、便秘改善、血行促進など、ダイエットに嬉しいさまざまな効果を防風通聖散がもっているためとされています。

防風通聖散の詳細はこちらをご覧ください。

ダイエット医薬品はすぐ痩せる?

基本的にはどの薬もだいたい3ヶ月ほどで効果が期待できるといわれていますが、場合によっては2週間程度で効果が期待できることもあります。薬をやめると効果がなくなりリバウンドすることが多いため、続けることが大事です。

ダイエット医薬品の副作用は?

漢方薬をはじめ、全ての医薬品には副作用のリスクがあります。個々の副作用については医薬品の添付文書などをよく確認しましょう。また、飲み合わせが悪いものや、体質によっても使えない医薬品もあるため、不明点は医師に相談し、理解した上で使うようにしましょう。

ダイエット医薬品の価格は?

保険適用となるのは主にけがや病気の治療です。そのため、治療が必要な高度な肥満症であれば、専門外来などでは保険適用となることがあります。しかし、メディカルダイエットは美容目的のため、基本的には保険適用外で、クリニックによって費用が異なります。

クリニックフォアでは、種類によっても異なりますが、1ヶ月分の薬の価格は1ヶ月分6,000円程度~(税込)となっています。初回の予約料・診察料は1,650円(税込)、薬の配送料は1回550円~(税込)です。

医薬品の処方を安全に受けるには?

「安全にダイエットの医薬品を入手するには?」と考える方もいらっしゃると思います。ですが、安全なお薬を手に入れるためには、医師から処方を受けるのが大前提です。効果が高いということは、リスクも一定程度あるということになりますので、医師の指導のもと、適切に使用することが必要になります。

また、ネット通販などで、メディカルダイエットの医薬品が販売されていることもあるようです。通販などで購入する場合は海外の製品を個人輸入していることになります。

しかし、これは日本で正規に流通している薬ではなく、購入した製品の品質や安全性に保障がありません。最悪のケースでは、偽造製品(偽薬)の可能性があるとも言えます。

更には、お体にトラブルが起きたときに、医療保険も使えず、膨大な医療費を自分自身で支払う必要があり得るなど、さまざまなリスクがあります。

そのため、お薬を希望される場合は、個人輸入ではなく、医療機関で処方してもらうようにしましょう。

クリニックフォアグループでも、糖尿病専門医の監修の下、対面あるいはオンライン診療で、医師の診察を行い、適切な指導を行った上で、メディカルダイエットの処方を行っております。ご希望がある方は、こちらよりご予約をお取りください。

参考文献

https://www.kohnan-shiga.or.jp/wp/wp-content/themes/konan/img/pdf/obesity07.pdf

https://www.jstage.jst.go.jp/article/tonyobyo/59/11/59_734/_pdf/-char/ja

https://www.igaku.co.jp/pdf/1906_tonyobyo-03.pdf

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html