2020.05.08

コロナ治療薬として期待されるアビガンの妊娠・胎児への影響は?医師が解説します。

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新型コロナウイルスの治療薬になりうるとして現在研究が進められているアビガン。一方で、アビガンを使用することが妊娠に影響する可能性が示唆されています。

アビガンと妊娠の関係性についてここでは詳しくご紹介します。

アビガンってどんな薬?

まずは、アビガンというお薬そのものがどういったお薬かについてご紹介します。アビガンはもともとインフルエンザの治療薬として開発され、2014年3月に厚生労働省から承認を受けたお薬です。ですが、インフルエンザであれば必ずしも使用できるというわけではなく、タミフルなどほかのインフルエンザ治療薬で効果がなかった場合にのみ使用できます。

アビガンをインフルエンザの患者に投与すると、生体内で変換された三リン酸化体がウイルスのRNA ポリメラーゼを選択的に阻害することによってウイルスの増殖を抑えて症状を改善させていくことが期待されています。この作用機序が新型コロナウイルスに対しても同様の効果を示すということが分かり、現在新型コロナウイルス感染症の治療薬として活用できるよう臨床試験が行われています。

アビガンを新型コロナウイルスに対して使用する場合、3,600 mg を1日投与 + 1,600 mg を10日間投与し、最長14 日間投与することとなります。アビガンは内服薬ですの、注射などで投与されることはありません。寝たきりや意識障害で人工呼吸器を使用しているなど内服が困難な場合には、鼻から胃に管を通してお薬を投与することが可能です。

アビガンは臨床試験において特に新型コロナウイルス感染症の軽症の方に対して高い効果が期待でき、肺炎などの重症化を予防することが期待されています。

不妊に影響はあるの?

それではここで、本題であるアビガンと妊娠の関係についてご説明します。アビガンを内服することによって女性の妊孕性、つまり妊娠をする可能性については関係しないとしています。そのため、アビガンを内服することが不妊に直結する可能性は極めて低いことが考えられています。ですが、詳細は後述しますがアビガンを内服することによって妊娠初期の胎児に影響を及ぼすことが考えられています。そのため、妊娠が成立しても流産や死産となってしまい、出産にまで至らないという可能性が出てきます。そのため、妊娠をしている可能性のある方、妊娠中の方にはアビガンを処方することができません。また、男性の場合動物実験において精子の量が低下するということが報告されています。人に関してはまだ臨床実験中であり、アビガンを使用したことによって精子の量が低下するかどうかは不明とされていますが、これが不妊に影響する可能性もあると考えられます。

妊娠中に服用するとどうなる?

先ほどもご紹介したようにアビガンの服用を特に注意していただきたいのが妊娠中の方です。動物実験において、アビガンは初期胚の致死及び催奇形性が確認されており、これにより流産や死産あるいはお腹にいる子供が何かしらの障害を持って生まれてくる可能性があるとしています。また、女性だけでなく男性にも影響があります。アビガンの成分は精子中に移行するとされています。そのため、アビガン内服後に性交渉を行った場合、女性がアビガンを内服していなかったとしても受精した受精卵は初期胚のうちに亡くなってしまったり、催奇形性を起こし、結果として流産や死産に結びつく可能性が示唆されています。

そのため、妊娠中や妊娠の可能性のある方、授乳中の方はアビガンを内服することができません。加えて、女性を妊娠させる可能性のある男性に関してもアビガンを投与期間中及び投与終了後10日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底し、妊婦との性交渉は禁止としています。女性がアビガンを内服した場合でも同じく投与期間中及び投与終了後10日間は性交渉を控えるように指導されます。また、女性においては妊娠をしていないことを確認してからアビガンを投与することが必要となります。

他に副作用は?

妊娠への影響以外にもアビガンを内服することによる副作用はあります。添付文書によると本剤の副作用は血中尿酸増加、下痢、好中球数減少、AST(GOT)増加、ALT(GPT)増加が高い頻度で見られています。そのほかにもショック、アナフィラキシーや肺炎、劇症肝炎、肝機能障害、黄疸、中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性腎障害などが重度な副作用として挙げられています。また、他にも0.5%未満とはなりますが皮膚の掻痒感や湿疹、腹部不快感、十二指腸潰瘍、血便排泄、胃炎、喘息、口腔咽頭痛、鼻炎、扁桃腺ポリープ、色素沈着、味覚異常、挫傷、霧視、眼痛、回転性めまい、上室性期外収縮などが挙げられています。

さらにアビガンは一緒に内服することによってアビガン自体の効果を減弱させたり、一緒に内服した薬の作用を増強させてしまうというものがあります。ですので、ピラジナミド(結核治療薬)、レパグリニド(2型糖尿病治療薬)、テオフィリン(気管支喘息治療薬)、ファムシクロビル・スリンダグ(関節リウマチや腰痛症治療薬)を内服されている方はアビガンを内服することができない可能性があります。

インフルエンザの治療薬としてではなく、新型コロナウイルスの治療薬としてアビガンがどの程度有効であるかや副作用の出現頻度などについては現在も臨床試験にて研究が続けられています。今後、臨床試験の結果など新型コロナウイルスに対するアビガンの有効性に関する情報が出ましたら、詳しく紹介していきます。

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監修:クリニックフォアグループ医師

公開日:5月8日

参考文献

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/000625757.pdf

日本医事新報社https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14305

国立感染症研究所 http://www.kansensho.or.jp/uploads/files/topics/2019ncov/covid19_drug_200430.pdf

添付文書 https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00066852

※本記事は、上記公開日時点での状況・情報・エビデンスをもとに記載しています。新型コロナウイルス感染症については、日々状況が変化し、また新しくわかることも多々ありますので、最新の情報は、直近の記事や情報をご参照くださいますようお願いいたします。