2020.05.15

中東呼吸器症候群(MERS)について、医師が解説します。

新型コロナウイルスが世界中で流行しており、新型コロナウイルスの話題で持ちきりですが、もう1つ新型コロナウイルスと合わせて知っておいていただきたいのが中等呼吸器症候群。

中東呼吸器症候群とはいったいどのような病気なのか、医師が詳しく解説していきます。

今回は、新型コロナウイルスの症状の中でも特に初期の症状に着目し、初期症状のチェック方法などを詳しく解説していきます。

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1.中東呼吸器症候群(MERS)とは?潜伏期はどれくらい?

中東呼吸器症候群とはMERS(マーズ)とも呼ばれている病気で、平成24年9月以降、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など中東地域で広く発生している重症呼吸器感染症のことをいいます。この原因ウイルスもいま世界中で流行している新型コロナウイルス感染症と同じコロナウイルスとなります。ですが、新型コロナウイルス感染症とウイルスの種類は異なり、中東呼吸器症候群はMERSコロナウイルスによって感染をします。

中東呼吸器症候群は、2~14日の潜伏期間を経て症状が出現しますが、だいたい5日程度の潜伏期間を経て症状を発症する例が多いようです。中東呼吸器症候群に感染することによって起こりうる症状は発熱、せき、息切れが主なものです。これに加え下痢などの消化器症状もあり、2018年に韓国でMERSコロナウルスの感染が確認された症例では、呼吸器症状とともに下痢も見られています。

特に発熱については38度以上にまで上ることも多いといわれています。新型コロナウイルスと同様に感染をしていても症状が出ないという方や、軽症で済むという方もいますが、高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある方においては、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)などに移行して重症化する傾向にあります

WHOに中東地域から報告された方の割合で換算し、症状が悪化して死亡する割合は、約35%とされています。これは、肺炎だけでなく多臓器不全(特に腎不全)や敗血症性ショックを伴っている場合も考えられています。

2. 感染経路は?

中東呼吸器症候群の原因となるMERSコロナウイルスはサウジアラビアなど中東に生息するヒトコブラクダが保有しているウイルスと言われており、ヒトコブラクダと濃厚接触をすることによって感染するといわれています。日本の動物園にいるようなヒトコブラクダではMERSコロナウイルスを保菌した個体は発見されていません。また、感染力が非常に弱いウイルスであると考えられており、季節性のインフルエンザよりも感染力は低いといわれています。ですので、人から人へと感染する可能性は極めて低いといわれています。ですが、感染予防策が不十分な医師や看護師から医療を受けた方や、家族間で感染をしたという報告があり、濃厚な接触がなければ人から人へと感染する可能性は極めて低いということが分かっています。

感染経路は、接触感染もしくは飛沫感染であるということが分かっています。中東呼吸器症候群の流行地域であるサウジアラビアなどの中東地域において日本政府は渡航制限などを設けていないため旅行や仕事などで訪れる機会もある地域です。MERSへの感染を防ぐためには新型コロナウイルスと同様に手洗いうがいの励行、くしゃみや咳などの飛沫を避けるほか、野生のヒトコブラクダとの接触を避け、殺菌されていない乳や肉の喫食を避けるよう厚生労働省では勧告しています。

また、政府はもしも中東に渡航されるという方は、ワクチンで防ぐことのできる病気であるインフルエンザ、髄膜炎菌、麻しん・風しん、A型肝炎などの予防接種を受けておくことを勧めています。

今回は、新型コロナウイルスの症状の中でも特に初期の症状に着目し、初期症状のチェック方法などを詳しく解説していきます。

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3 世界での発生状況は?

サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン、カタール、オマーン、クウェートなど中東地域の諸国での感染が多く、特に感染報告されているもののうち83.7%はサウジアラビアからの報告ということもあり、サウジアラビアでの感染例が最も多いといわれています。ですが、中東以外の国でも先ほどご紹介した感染経路を経ての感染が報告されており、ヨーロッパ(イタリア、英国、オーストリア、オランダ、ギリシャ、ドイツ、トルコ、フランス)、アフリカ(アルジェリア、エジプト、チュニジア)、アジア(韓国、タイ、中国、フィリピン、マレーシア)、北米(アメリカ合衆国)及び中東(イラン、バーレーン、レバノン)からも感染者の報告があります。

いずれも、中東への渡航歴がない方の感染も報告されており、中には院内感染によって感染が広がった国もあります。韓国では2015年、2018年の2回、国内でMERSが流行していますが、2015年の流行は院内感染による流行であったことが分かっています。

4.治療・診断方法は?

中東呼吸器症候群であるかどうかを診断するために、渡航歴などの確認を行います。風邪症状であっても流行地への渡航歴があることや、ヒトコブラクダとの接触のがある場合には中東呼吸器症候群に感染しているということが疑われます。

また、家族に中東呼吸器症候群と診断された方がいたり、中東呼吸器症候群の患者の診療にあたった医師や看護師であった場合にも、中東呼吸器症候群に感染していることを疑います。

確定診断は咽頭拭い液、喀痰等から病原体の検出や病原体遺伝子の検出で行います。ですが、これはすべての医療機関で実施できるというわけではなく、都道府県等の検査機関で検査を行い、最終的な確定診断は国立感染症研究所にて行われます。

中東呼吸器症候群においては有効な治療法や予防接種などの方法がなく、症状に対する対処療法しか行うことができません。例えば、熱がある方には解熱剤を処方する、下痢が続く方には点滴などを使って栄養管理を行う、呼吸器症状が出ている方は酸素マスクや人工呼吸器を使用するなどといった方法が主となります。

現在日本での感染報告はないものの、オリンピックの開催など海外からまた人が出入りする機会が増えてくると中東呼吸器症候群などほかのコロナウイルス要因による感染症を引き起こす可能性があるといえます。

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監修:クリニックフォアグループ医師
更新日:5月15日

参考文献

一般社団法人日本感染症学会 https://www.kansensho.or.jp/ref/d38.html

厚生労働省 https://www.forth.go.jp/topics/20180910.html

厚生労働省 中東呼吸器症候群に関するQ&A

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers_qa.html

厚生労働省 中東呼吸器症候群について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/mers.html

https://www.forth.go.jp/keneki/kanku/disease/dis04_04mid.html

※本記事は、上記公開日時点での状況・情報・エビデンスをもとに記載しています。新型コロナウイルス感染症については、日々状況が変化し、また新しくわかることも多々ありますので、最新の情報は、直近の記事や情報をご参照くださいますようお願いいたします。