2020.12.30

新型コロナのワクチン開発・接種状況について、医師が解説します。(2020年12月現在)

皆さんはインフルエンザのワクチンはうっていますか?

今年は例年より多くの方々がインフルエンザのワクチンを接種しているという情報があります。それはおそらく新型コロナウイルスが世界的に大流行していることと少なからず関係があると考えられていますが、今回は待ち望まれている新型コロナに対するワクチンの開発状況やその接種状況について、詳しく解説していきたいと思います。

新型コロナウイルスのワクチン開発状況は?

ではまず新型コロナのワクチン開発状況について説明します。

WHOの12月22日時点のまとめでは、臨床試験段階のCOVID-19ワクチンは61種類あり、前臨床の段階にあるものはさらに172種類あります。

その中でも、アメリカのファイザー社とドイツのビオンテック社のmRNAワクチンというワクチンは12月2日にイギリスで承認され、12月11日にはアメリカでも緊急使用許可が降りているという状況です。

そして気になる日本におけるワクチン開発状況ですが、日本でもアメリカのファイザー社が12月18日に承認申請が行われています。日本でもこの承認にかかる時間を短くするため、審査を大きく省略した形式の特例承認という承認方法の適用を目指しているということです。

また国産のワクチンの開発状況は、これまでに2社が人への投与も含めた安全性や効果などを確認する臨床試験を始めているという状況で、そのうちの大阪にあるバイオベンチャーのアンジェスは国産ワクチンとしては最速の6月から臨床試験をはじめています。現在は臨床試験の対象者を500人に増やした試験を続行しています。

また、このアンジェスが開発しているワクチンはファイザー社やビオンテック社の開発しているmRNAワクチンとは異なりDNAワクチンになります。

もう一社の塩野義製薬は12月16日に214人を対象とした臨床試験をはじめ、こちらのワクチンは組み換えタンパク質ワクチンというタイプのワクチンになります。

世界での新型コロナウイルスのワクチン接種状況は?

次に、このように開発が進んでいる新型コロナのワクチンですが、接種状況はどのようになっているのでしょうか。

12月2日に承認された英国においては12月8日から接種が始まっていて、それから15日までの1週間で13万7000人以上が接種したと政府が発表しています。

この13万人7000人の多くは新型コロナウイルス感染症による重症化リスクが高い80歳以上の高齢者と高齢者へ感染させる可能性の高い高齢者施設で働く介護職員、そして高齢者のみならず重症化高リスクの既往症を持つ患者へ感染する可能性の高い医療従事者だと言われています。

イギリスでこのようなスピーディな開発・接種が進んだ背景としては新型コロナの変異種の爆発的感染拡大があると考えられます。

そして大事な日本に関して特例承認の適用が待たれているファイザー社のワクチンですが、現在すでに国内で行われた臨床試験のデータも元にして、早ければ2月中にも承認されるかどうかの結論が出るかもしれないということです。そして厚生労働省によると来年2月下旬にも医療従事者への接種を目指し、3月下旬にも高齢者への接種を目指すという方針のようです。

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監修:クリニックフォアグループ医師 

公開日:12月30日

参考文献

イギリス 1週間で13万人余がワクチンを接種 今後も規模拡大へ NHK NEWS WEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201217/k10012768271000.html

新型コロナウイルス 治療薬・ワクチンの開発動向まとめ【COVID-19】(12月25日UPDATE) https://answers.ten-navi.com/pharmanews/17853/

新型コロナ ワクチン接種 海外は開始 日本は来年2月下旬以降か NHK NEWS WEB https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201228/k10012787751000.html