2020.08.31

生理と妊娠による基礎体温の変化について、医師が解説します。

基礎体温という言葉をご存知でしょうか。妊活をしているという方では、基礎体温の存在を知っている方も多いかもしれませんが、中には、基礎体温について知らない、言葉は知っているがtだしい計測方法を知らないという方もいらっしゃるかと思います。

今回はこの基礎体温について詳しくご紹介します。

基礎体温とは?

基礎体温とは、「生命を維持するのに必要最小限のエネルギーしか消費していない安静時の体温」のことをいいます。どういうことかといいますと、安静時、つまりは寝ている間の体温ですので、活動をせずに起床時に横になったままの状態で測定された体温が基礎体温ということになります

普通の体温は、36.3度など小数点以下1桁しか表示しませんが、基礎体温は36.34度など小数点2桁までの値が測定されます。基礎体温は、0.3~0.5度の間で変化をするので、一般的な体温計での測定は、小数点以下2桁までは計測できないため、測定することができません。基礎体温を測定する際には小数点以下2桁まで表示される体温計が必要となりますが、この条件を満たしているのが婦人体温計ですので、基礎体温を測定するためにはこの婦人体温計を使う必要があります。

普通の体温は活動時に体温が上がっていくため、運動後や入浴後など活動の内容や状況によって体温は1~2度変化しますが、基礎体温では活動をしていない状態で測定をしているためここまで大きな体温の変化は通常見られません。

女性の身体は、女性ホルモンによって状態が変化していきます。通常は二相性といい、1ヶ月の間で体温が低い時期と高い時期が訪れます。毎日継続的に測定して、グラフ化することで、自分の1ヶ月のホルモン周期が分かるようになります。

月経が28日周期の場合、月経の初日から、排卵が起こるまでの約2週間は、低温期といって体温がやや低くなります。排卵が起こると、その後、プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌が始まるので、低温期より0.3~0.5℃、基礎体温が上昇する高温期に入ります。高温期は12~14日続き、その後月経がはじまります。また、排卵日には低温期と高温期に切り替わるタイミングであるため、体温をとり続けてグラフ化すると体温ががくっと下がっているようなグラフになります。

この二相性の状態が正常となるため、二相性でなかったりグラフが不安定な時には、身体に異常が起こっていることも考えられるのです。

基礎体温を知ることは何がいいの?

なぜ基礎体温を測定する必要があるのか、これには主に4つの理由があります。

1つ目は自分の身体のリズムを知ることができるからです。基礎体温を継続的に測定することで排卵がいつ起こったか、低温期と高温期がいつごろなのかが分かります。例えば排卵日がいつなのかわかれば、どのタイミングに性交渉をすると妊娠しやすくなるのかが分かります。黄体ホルモンがいつ分泌されているのかが分かれば、PMSがいつ来るのかも分かります。最近肌があれやすい、イライラしやすいという方も、基礎体温を計っていれば今はホルモン周期的にそういう時期であるということを理解することができ、対策をすることができます。また、基礎体温は身体が活動する前の体温ですので、この基礎体温が36度未満の場合は低体温の可能性や基礎代謝が低下している可能性も考えられます。他にも、ホルモン周期を見ながらダイエットの計画を立てたりお出かけの予定をたてたりもできるというメリットがあります。

2つ目は病気の有無を知ることができるからです。低温期が長い、高温期が来ていない、グラフに凹凸の変化が見られないなど基礎体温が不規則である場合にはホルモンバランスが乱れており、ホルモン由来の病気の可能性が考えられます。卵巣の病気によって排卵が起こっていない、黄体ホルモンの分泌が不十分であることが原因で、高温期を維持できない黄体機能不全などの病気の可能性が考えられます。正常の基礎体温のグラフと見比べて明らかにグラフの変化が乏しいという場合には、基礎体温グラフを持参して医療機関を受診することをおすすめします。

3つ目は生理のタイミングが分かるからです。排卵が起こってから12~14日後に生理が起こります。そのため、基礎体温を継続して測定することで自分の生理周期を知ることができ、いつ生理が来るのかがわかります。温泉やプールや旅行など生理を被らせずに楽しみたい行事の予定をいれたり、生理用品を準備したりできるというメリットがあります。

4つ目は妊娠の有無が分かるからです。高温期が16日以上続く場合は妊娠の可能性があります。そのため、妊娠の有無が気になるという方は基礎体温を測定して、高温期が続いたタイミングで検査を行うとよいでしょう。また、妊活をされている方は、排卵日や生理周期を知るために医師から基礎体温を測定するように指示されることもあります。

基礎体温の測り方は?

基礎体温は、先ほどもご紹介したように活動をする前に測定することが必要です。そのため、朝目覚めたら起き上がらずに測定をすることが必要です。婦人体温計を舌の裏側のつけ根に当て、舌で押さえた状態で口を閉じて測定をします。

体温の測定ができたら記録をしてグラフを作ります。手書きで書く方法のほか、スマートフォンに体温を記録するだけで勝手にグラフ化してくれるものもあるため、自分のやりやすい方法で記録を続けてみてはいかがでしょうか。起床後になるべく身体活動をせずに体温を測れるように枕元に体温計と記録できるものを用意しておくとよいでしょう。

また、グラフには月経、体調不良、性交日なども記録しておくと、どんなことが体温や体調に影響するのかを知ることができるのでおすすめです。婦人体温計には、予測式といい、検温時間が短く、5分後の平衡温を予測する方法と、実測式といい、実際に約5分間測る方法があります。どちらも基礎体温を測定できるため、自分のライフスタイルに合った体温計を選択してみてください。

公開日:8月31日

監修:クリニックフォアグループ医師

参考文献

厚生労働省 http://w-health.jp/fetation/temperature/エリエール https://www.elleair.jp/elis/elis_clinic/bbt/