しこりのあるニキビの原因・対処法とは?粉瘤との違いも解説!

触ると硬さを感じたり、盛り上がりが気になったりする、しこりのあるニキビ。普通のニキビとは何が違うのかが気になりますよね。この記事では、しこりのあるニキビの原因や対処法を詳しく解説。場合によってはニキビではない可能性もあるため、適切な対応がとれるよう、ぜひ最後までお読みください。

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しこりのあるニキビはどうやってできる?

しこりのあるニキビとは、皮膚の下に膿や血が溜まっており、触ると硬さを感じるニキビのことです。正式には嚢腫(のうしゅ)や結節(けっせつ)と呼びます。

ニキビは、毛穴に皮脂が詰まり(白ニキビ)、炎症が起こり(赤ニキビ)、膿を持つ(黄ニキビ)という流れで進行しますが、炎症が毛穴の周りにも広がると、皮膚の下に膿や血が溜まってしこりになるとされています。

また、炎症が起きて皮膚の組織が壊れると、組織を修復するために細胞が過剰に生成されてしまい、しこりが形成されることもあると考えられています。

しこりのあるニキビは痛みを伴うこともあり、例えしこりが治ったとしてもニキビ跡になる場合があるため、注意が必要です。

しこりになったニキビの治療法

ニキビがしこりになってしまった場合、セルフケアで治すのは難しいと考えられます。悪化するほど治りが遅くなったり、ニキビ跡になったりするリスクも高まるため、早めに皮膚科で治療を受けるとよいでしょう。

しこりに対する治療は、飲み薬の抗菌薬とステロイド局所注射がメインとなります。詳しく見ていきましょう。

飲み薬の抗菌薬

しこりのあるニキビは炎症を伴うことも多いため、炎症の原因となる菌に対処するため、飲み薬の抗菌薬を使うことがあります。ただし、炎症を起こしていない場合は抗菌薬は使わないことが一般的です。

ステロイド局所注射

しこりのあるニキビに炎症が伴う場合は、ニキビにステロイドを注射する方法があります。ステロイドは炎症を鎮める効果が期待できる成分です。ニキビ治療の際にステロイドの飲み薬や塗り薬を使うこともありますが、しこりがある場合は注射を選ぶことが多いです。

一般的なニキビの治療法

一般的なニキビの治療法として、毛穴の詰まりを改善する塗り薬や、炎症がある場合は抗生物質の塗り薬や飲み薬を使う方法が挙げられます。そのほか、ビタミン剤や漢方薬を使う場合もあります。

しこりがある場合も、このような基本的な治療を行うことがあります。

しこりのあるニキビの予防・対処法

しこりのあるニキビはニキビが悪化したものなので、まずはニキビを作らず、悪化させないことが大事です。そのため、日頃から以下のようなニキビ予防に努め、ニキビができたら治療を受けるとともに、生活習慣などにも気をつけましょう。

  • 濃すぎるメイクやニキビをいじるなど、肌の負担になることをしない
  • しっかり保湿する
  • 1日2回洗顔し、清潔を保つ
  • ビタミンを積極的にとりつつ、栄養バランスの良い食事を心がける
  • 十分な睡眠、ストレス解消、適度な運動などを心がける など

しこりのあるニキビではなく粉瘤の可能性も!

しこりのある大きなニキビは、ニキビではなく粉瘤(ふんりゅう、別名 アテローム)という別の皮膚疾患の可能性も考えられます。粉瘤とは、皮膚の下に袋ができ、本来皮膚からはがれ落ちるはずだった角質や皮脂が袋の中に溜まってできた腫瘍(しゅよう)の総称です。

年齢、性別を問わず、体のどんな場所にでもできることがあり、はっきりした原因はわかっていません。

ニキビと粉瘤の違い

ニキビと粉瘤では、大きさ、ニオイ、できる年齢や場所に違いがあります。

まず、ニキビは大きくても数ミリ程度ですが、粉瘤は徐々に大きくなり、十数センチに達することもあります。また、粉瘤は中心あたりに小さな黒い点(開口部)が見えることが多いです。ただし、詰まった皮脂が酸化して黒く見える黒ニキビの可能性もあるため、黒い点だけで判断するのは難しいかもしれません。

大きな違いはニオイです。ニキビにはニオイはほぼありませんが、粉瘤は、袋の中に溜まった老廃物によって悪臭が放たれることがあるため、ニオイが強い場合は粉瘤の可能性が高いです。

さらに、ニキビは10~30代の顔、胸、背中などにできることが多いですが、粉瘤はその他の年代や場所でもできることがあります。

粉瘤の対処法

粉瘤はセルフケアで自然に完治することはほぼありません。無理やりつぶしたりすると悪化して炎症性粉瘤になることもあるため注意が必要です。

そのため、粉瘤のようなものができた場合は早めに皮膚科を受診するとよいでしょう。粉瘤に感染が生じている場合は切開などをして中の膿を取り出したり、腫瘍自体を袋ごと切除する手術が必要となったりすることもあります。

また、もしニキビであったとしても皮膚科で治療を受けることができます。

クリニックフォアでは、オンラインによるニキビ治療を行っております。しこりのあるニキビは、跡が残ってしまうこともあるため、医師による治療が安心です。ニキビでお悩みの際は、ぜひオンライン診療を検討してみてください。

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参考文献

  1. 公益社団法人 日本皮膚科学会, 2017,「尋常性痤瘡治療ガイドライン 2017」,日本皮膚科学会雑誌 127 (6):1261-1302
  2. 公益社団法人 日本皮膚科学会,「にきび」,皮膚科Q&A