ニキビによる色素沈着の原因・治療・セルフケア方法を詳しく解説!

ニキビを放置すると炎症が悪化し、ニキビ跡が残ることがあります。ニキビ跡には、シミのような色素沈着、凹凸ができるクレーター、赤み、ケロイドなどいくつか種類がありますが、今回はしみのような色素沈着について詳しく解説。ニキビによって色素沈着が起こる原因や治療法、セルフケアの方法などについて詳しく見ていきましょう。

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ニキビによる色素沈着とはどんな状態?

ニキビによる色素沈着とは、ニキビができた箇所に現れる、褐色のシミのようなニキビ跡のことです。正式には炎症後色素沈着と呼ばれます。

炎症後色素沈着が起こる原因はメラニンです。ニキビが悪化して肌に炎症が起こるとメラノサイト(メラニンを作り出す細胞)が刺激され、メラニンが生成されて、炎症で赤くなっている箇所が茶色に変化します。そして、そのままメラニンが定着すると、シミのようなニキビ跡になってしまうのです。

肌が健康な状態であれば、ターンオーバー(肌が一定の周期で生まれ変わる仕組み)によってメラニンが体外に排出されます。しかし、ニキビがある肌はターンオーバーが乱れていてメラニンが排出されにくく、古い角質も残りやすいため、ニキビ跡になることがあるのです。

赤~紫色の色素沈着もある

ニキビができた箇所に赤~紫色っぽいニキビ跡が残ることがありますが、こちらも色素沈着と考える場合があります。

ニキビ跡が赤~紫色になるのは、ニキビの炎症によって肌の毛細血管が傷つくことが原因とされています。ニキビが悪化して炎症を起こし、肌の奥の毛細血管がダメージを受けて出血すると、周りの組織に血液がしみ込みます。

そして、しみ込んだ血液に含まれるヘモグロビン(血液中の酸素を運ぶ役割をもつ赤色素タンパク質)から酸素が失われると、赤みがなくなり黒っぽい赤紫に変化します。その結果、ニキビができていた周辺の肌に、赤〜紫色っぽいシミが残ってしまうのです。

ニキビによる色素沈着の治し方【皮膚科での治療】

ニキビによる色素沈着は自然治癒がむずかしいため、改善したい場合は皮膚科で治療を受けるとよいでしょう。どのような治療法があるのか、一例を紹介します。

塗り薬・飲み薬

ニキビによる色素沈着の治療として、ビタミンCの内服薬や塗り薬などが使われることがあります。ビタミンCにはメラニンの生成を抑えたり、色素沈着を薄くしたり、乱れたターンオーバーを正常にしたりする作用があるとされています。

イオン導入

イオン導入とは、微弱な電流を利用して、肌の奥まで美容有効成分を届ける施術です。一般的にニキビによる色素沈着の治療では、ビタミンC誘導体が使用されます。

ビタミンC誘導体は、酸化しやすく壊れやすい、肌に吸収されにくいといったビタミンCの弱点を改良した成分です。メラニンの生成を抑制する、ターンオーバーを正常化してメラニンの排出を助けるなどの作用があり、色素沈着の改善が期待できます。

ケミカルピーリング

ケミカルピーリングとは、肌に薬剤を塗って古い角質を剥がし、ニキビ跡や毛穴の黒ずみなどを改善する治療法です。ターンオーバーを促すことで、ニキビによる色素沈着の改善が期待できます。

マッサージピール

ニキビによる色素沈着の改善なら、マッサージピールを受けるのもよいでしょう。マッサージピールとは、一般的に高濃度トリクロロ酢酸(TCA)と低濃度過酸化水素、コウジ酸などを配合した薬剤を使ったケミカルピーリングのことを指します。

マッサージしながら薬剤を肌の奥まで浸透させて、コラーゲンの生成を促し、肌にハリやツヤを与えるとされています。コウジ酸にはメラニンを生成する酵素の働きを抑える作用があるため、色素沈着の改善も期待できます。

また、マッサージピールは通常のケミカルピーリングと違い、角質を剥離させることがないため、施術後に赤みや皮剥けなどが起こりにくいというメリットもあります。

ダーマペン

ダーマペンとは、髪の毛より細い針で肌に一時的に穴をあけ、肌の自然治癒力をアップさせる治療法です。肌の新陳代謝を高めるため、色素沈着の改善が期待できます。

より高い効果を求めるなら、ダーマペンを活用したヴェルベットスキンやヴァンパイアフェイシャルなどの治療も検討するとよいでしょう。

ヴェルベットスキン

ヴェルベットスキンとは、ダーマペンで肌に穴をあけたあとに、マッサージピールの薬剤を塗る治療法です。ダーマペンとマッサージピールを併用することで、薬剤がより肌に浸透しやすくなります。

ヴァンパイアフェイシャル

ヴァンパイアフェイシャルとは、ダーマペンで肌に穴をあけたあとに血小板を塗る治療法です。血小板とは出血を止める働きをもつ細胞で、コラーゲンの生成を促すなどの効果をもつ成長因子が含まれています。

ヴァンパイアフェイシャルを行うと肌が活性化することから、ニキビによる色素沈着の改善が期待できます。

フォトフェイシャル

フォトフェイシャルとは、肌に特殊な光を当てて肌トラブルの改善を目指す治療法です。メラニンやヘモグロビンといった、シミの原因となる色素にダメージを与えるため、ニキビによる色素沈着にも効果が期待できます。

レーザー治療

ニキビによる色素沈着の治療法として、レーザートーニングやピコレーザーを用いたレーザー治療もあります。

レーザートーニングとは、弱めのレーザー光を肌全体に当てて、肌トラブルを解消する治療法です。ピコレーザーとは、肌にレーザー光を1兆分の1秒(ピコ秒)で照射することで、肌への負担を抑えつつ肌トラブルを解消する治療法です。

いずれも肌に蓄積したメラニンを破壊することで、ニキビによる色素沈着の改善が期待できます。

美白注射

美白注射とは、ビタミンCやビタミンBなどの美肌成分が配合された薬剤を注射する治療法です。薬剤を直接血管内に入れるため、内服薬よりも効果が高いといわれています。

ニキビによる色素沈着の治し方【セルフケア】

ニキビによる色素沈着を改善するには、皮膚科で治療を受けるのと同時に、自分でもスキンケアを行うことが大切です。どのようなスキンケアを行うとよいのか、詳しく紹介します。

美白スキンケアを使う

ニキビによる色素沈着が気になったら、ビタミンCやプラセンタ、ハイドロキノンなどが配合された美白スキンケアを使いましょう。

ビタミンCにはメラニンの生成を抑制する、メラニンによる色素沈着を薄くする、ターンオーバーを正常化するなどの効果が期待できます。

また、プラセンタやハイドロキノンなども美白効果が期待できるため、毎日のスキンケアに取り入れることで色素沈着が目立たなくなる可能性があります。

栄養バランスのとれた食事を心がける

1日3食、栄養バランスのよい食事をするよう心がけることも大切です。とくに、美肌効果が期待できるビタミンをたっぷり摂取するようにしましょう。

  • ビタミンB2・B6:皮脂の分泌を抑える効果が期待できる栄養素。レバーやハツなどに多く含まれる。
  • ビタミンC:メラニン色素を薄くする、肌のバリア機能低下を予防する効果が期待できる栄養素。果物や緑黄色野菜に多く含まれる。
  • ビタミンE:血流をよくして肌荒れの解消をサポートする効果が期待できる栄養素。ナッツ類に多く含まれる。

また、脂肪分や糖分を過剰摂取すると皮脂の分泌が増え、ニキビができやすくなるため、摂り過ぎに注意しましょう。

適度な運動を心がける

ニキビによる色素沈着を治したいのであれば、適度な運動を心がけましょう。運動すると、肌のターンオーバー促進につながるためです。

また、運動して汗をかくと肌の水分量が増え、毛穴に詰まった皮脂などが排出されたり角質がやわらかくなったりするため、色素沈着の原因となるニキビができにくくなります。

規則正しい生活・十分な睡眠・ストレス解消を心がける

不規則な生活や睡眠不足、ストレスなどはターンオーバーが乱れる原因になります。ターンオーバーを正常化し、メラニンを排出するためにも、規則正しい生活と質のよい睡眠、定期的なストレス解消を心がけましょう。

ニキビによる色素沈着はいつ治る?

ニキビによる色素沈着は、軽症であれば半年程度で自然に治っていきます。しかし、メラニンが肌の奥深くまで影響している場合、自然治癒は期待できず、治療も長くかかります。

また、色素沈着が起こったあとに紫外線を浴び続けると、再びメラニンが作られて症状が改善しなくなるため、できるだけ紫外線を避けるようにしましょう。

色素沈着を隠すメイクのコツ

色素沈着の改善には時間がかかるため、目立たなくなるまではメイクで隠すとよいでしょう。

コンシーラーを色素沈着がある箇所に乗せて、円を描くように少しずつ馴染ませれば目立ちにくくなります。コンシーラーのフチを指やスポンジで叩いてぼかすと、自然に見えるでしょう。

肌の色と色素沈着がある箇所の色の中間色を使用すると、より目立ちにくくなります。赤っぽい色素沈着の場合は、グリーン系の下地を使うと隠しやすくなります。

ニキビによる色素沈着の予防法

ニキビによる色素沈着は改善に時間がかかるため、日頃から色素沈着ができないように対策することが大切です。どうすれば色素沈着を防げるのか、予防法を紹介します。

ニキビをつくらない

ニキビによる色素沈着を予防するには、そもそもニキビをつくらないようにすることが重要です。しっかり洗顔して肌を清潔に保ち、洗顔後は保湿して乾燥を防ぎましょう。肌が乾燥すると皮脂が過剰に分泌され、ニキビができやすくなります。

メイクは厚塗りにならないようにし、規則正しい生活やバランスのよい食生活を心がけることも大切です。

ニキビの初期の段階で治す

ニキビが悪化するほど色素沈着ができやすくなるので、ニキビができたら初期段階で治すようにしましょう。ニキビは皮脂が毛穴に詰まった状態の白ニキビ、炎症を起こした赤ニキビ、膿んでしまった黄ニキビと進行していきます。

赤ニキビまで進行するとニキビ跡が残る可能性が高まっていくため、白ニキビの時点ですぐにケアすることが重要です。白ニキビでも皮膚科で治療が受けられるため、できるだけ早めに皮膚科を受診するとよいでしょう。

刺激を与えない

ニキビや、ニキビによる色素沈着に刺激を与えると、状態が悪化する可能性があります。洗顔やクレンジングの際に強くこすったり、過度にマッサージしたりしないようにしましょう。

洗顔やクレンジングは、肌をなでるようにやさしく行うのがコツです。ニキビができたときに、むやみにいじったりつぶしたりするのも避けましょう。

UVケアをする

ニキビができているときに紫外線をたくさん浴びると、炎症が悪化してメラニンが生成され、色素沈着を起こしやすくなります。そのため、日焼け止めを塗るなどしてUV対策を徹底することが大切です。

もし日焼けをしてしまったら早めに冷やし、抗炎症成分が配合されたスキンケア用品を使うなどのケアを行いましょう。

クリニックフォアでは、オンライン診療によるニキビ治療を行っています。ニキビが出来てしまったら、色素沈着してしまう前のケアが大切です。ぜひ検討してみてください。

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