勃起が続く時間はどのくらい?短すぎても長すぎても病気の可能性が!

「勃起の持続時間って、平均はどのくらいなんだろう?」「勃起の持続時間が短い気がする」。そんな風に思っている方も多いのではないでしょうか。他の人の勃起の持続時間を知ることは難しいので、余計に気になる問題ですよね。 そこでこの記事では、勃起の持続時間の平均や、勃起の時間が短すぎる、または長すぎる場合の問題点や対処法をご紹介。さらに、ED治療薬を使った際の勃起の持続時間についても解説します。

勃起の持続時間はどのくらい?

勃起は「数分~30分程度続く」、「平均は約10分(アメリカにおいて)」など、さまざまな説があるので、詳しく紹介します。

なお、重要なのは、必要な時に必要な時間だけ勃起を維持できるかどうかです。そのため、状況や相手によっても異なることをまず理解しましょう。

勃起は数分~30分程度続くといわれる

基本的に、勃起は数分~30分程度続くといわれています。実は、勃起がどのくらいの時間続くかを調べた大規模な研究はないので、正確な平均時間は不明です。また、勃起の持続時間は、年齢や健康状態、性行為の状況、精神状態などによっても変わります。

アメリカのとあるメディアでは「平均的な勃起の持続時間は約10分」という泌尿器科医の発言が掲載されています。もちろん、平均を大きく下回る人、上回る人もたくさんおり、個人差があります。

なお、これはアメリカでの話なので、日本人も同等とは言い切れない点にも注意が必要です。

挿入から射精までの平均時間は5.4分

アメリカ、イギリス、オランダ、スペイン、トルコの5か国、500組のカップルによる検証では、挿入から射精までの時間の中央値は5.4分(5分24秒)でした。これを長いと考えるか短いと考えるかは、状況や相手にもよるでしょう。ただ、一つの目安にしてみるとよいかもしれません。

加齢とともに挿入から射精までの時間は短くなる

上記の研究では、51歳以上の男性は、30歳以下の男性よりも、挿入から射精までの時間が2分ほど短いという結果が出ています。そのため、加齢によって挿入から射精までの時間が短くなる、つまり勃起の持続時間も短くなっていると考えられます。

早漏・遅漏について

性行為においては、射精のタイミングも大きなポイントとなります。

1分以内の射精は早漏

挿入から射精までの時間が短いことを早漏といいますが、早漏の場合は相対的に勃起の持続時間も短くなっているといえるでしょう。

早漏に関してはさまざまな定義がありますが、国際性機能学会では、挿入から1分以内での射精が早漏の条件の一つとなっています。

遅漏

遅漏は、射精までに時間がかかったり、射精自体ができなかったりすることを指します。厳密な時間の定義はありませんが、射精に時間がかかるという自覚があれば、受診を検討したほうがよいでしょう。

睡眠中も10分以上の勃起が数回起こっている

実は睡眠中にも、少なくとも10分以上続く勃起が数回起こっています(夜間勃起)。これは、主にレム睡眠(夢を見るときの睡眠状態)のときに、性的刺激がなくても生理現象として起きているものです。

勃起できない・時間が短い場合はEDの可能性がある!

勃起の持続時間が短かったり、そもそも勃起できなかったりする場合は、ED(勃起不全)の可能性があります。

ED診療ガイドラインでは、EDとは「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。勃起が全くできない、勃起状態が続かないという状態だけでなく、硬さが不十分なケースなども含まれます。

EDは病気や精神的な問題などが原因となって起こります。生活習慣病が隠れていることも多いので、早めに受診して適切な診断、治療を受けるとよいでしょう。なお、早漏の場合も医療機関でさまざまな治療を受けることができるので、受診を検討してください。

勃起できない・時間が短い場合の対処法

勃起ができなかったり、持続時間が短かったりする場合は、原因を明らかにし、治療を受けるために医療機関を受診するとよいでしょう。

ED治療では、飲み薬を使うことが一般的です。さらに、精神的な問題が原因となる場合は心理療法(カウンセリングなど)を行うこともあります。そのほか、生活習慣病の改善・予防のために、食生活を整えたり、適度な運動をしたりすることも大事です。過度の飲酒を控える、禁煙する、規則正しい生活を心がけるといったことにも努めましょう。

なお、生活習慣の改善などは、即効性のあるものではありません。しばらくは前戯に時間をかけ、満足度の高い性行為をしたり、パートナーとよくコミュニケーションをとってリラックスしたり、工夫してみるとよいでしょう。

ED治療薬を使うとずっと勃起が続くの?

バイアグラ(シルデナフィル)レビトラ(バルデナフィル)シアリス(タダラフィル)
効果の持続時間約4時間約8時間約36時間

日本で承認されているED治療薬の効果の持続時間は4~36時間程度とされています。「薬を飲むと最長36時間も勃起が続くの?」と思うかもしれませんが、ED治療薬を飲んだからといって、ずっと勃起が続くわけではありません。

そもそもED治療薬は、性的興奮が生じた時に血行を促進するなどして勃起をサポートする薬です。つまり、勃起のためには性的興奮が不可欠であり、ED治療薬を飲んだからといって性的興奮なしに勃起したり、勃起状態が続いたりするわけではありません。同様に、性的興奮がおさまれば勃起もおさまります。

なお、シアリス(タダラフィル)は効果の持続時間が長いのが特徴です。そのため、36時間の間であれば、複数回勃起をすることも可能とされています。

勃起の持続時間が長すぎるときは病気の可能性も!

実は、勃起の持続時間が長すぎるのも問題になることがあります。勃起が4時間以上続く状態を、持続勃起症(プリアピズム)といいます。

持続勃起症には、陰茎海綿体からの血液の戻りが悪いことで生じる「静脈性持続勃起症」と、陰茎海綿体の動脈が破れることで生じる「動脈性持続勃起症」があります。静脈性持続勃起症の場合は、血液の入れ替えができなくなり、6時間ほどで海綿体が壊死し始めるとされています。強い痛みがあるので、その場合はすぐに泌尿器科を受診してください。静脈性持続勃起症は、ED治療薬の副作用として生じることもあります。

一方で動脈性持続勃起症は痛みがなく、やわらかく勃起した状態が続くのが特徴です。緊急性はありませんが、早めに受診したほうがよいでしょう。

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EDにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. 日本性機能学会/日本泌尿器科学会|ED 診療ガイドライン
  2. EDケアサポート|ED(勃起不全)とは?
  3. NIH|A multinational population survey of intravaginal ejaculation latency time