今年もこの季節、インフルエンザが大流行する冬がやってきました。
今年は新型コロナウイルスの世界的流行もあって、コロナウイルスの特効薬を待ち望んでいる人も多いとは思いますが、ここではインフルエンザに対する特効薬であるイナビルについて、効能や使い方、副作用まで詳しく解説していこうと思います。
イナビルってどんなお薬?
まずイナビルとはどういった薬なのでしょうか。
イナビルは2010年9月10日に承認された、比較的新しい薬です。インフルエンザの薬にはタミフル(オセルタミビル)やリレンザ(ザナミビル)、ベラミビル(ラピアクタ)などがあり、いくつかは耳にしたことがあるかと思います。イナビルも含めこれらは全てノイラミニダーゼ阻害薬と言われる薬で、使い方が異なる以外は似た薬になっています。
イナビルは吸入という、鼻から吸う形での服用方法になるため、飲むだけでいい薬や点滴でいい薬と違って患者さん本人に吸入していただくことが必要になりますが、その分一回の使用で済むというメリットが大きいです。
また、保険適用外にはなるので全額自己負担にはなってしまいますが、イナビルにはインフルエンザの感染リスクを軽減する予防効果もあるため、予防薬としても使うことができます。家族や近しい人にインフルエンザの感染がわかった時などにはいい対策に使えます。
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どうやって吸入すればいいの?
では、先ほど吸入を患者さん本人にしていただくと言いましたが、実際どのように吸入すれば良いのでしょうか。
イナビルは容器に2つに分かれて充填されており、二回吸入する必要があります。吸入したら、一回吸入するごとに毎回2-3秒程度呼吸をとめて、ゆっくり吐きましょう。あまり難しくはないのでリラックスして行いましょう。
また、10歳以上の方はイナビル2つ分吸入する必要があります。つまり、合計4回の吸入を行うことになります。
注意点としては、イナビルの容器の底には空気孔があるので、吸入する時に押さえないようにしましょう。また、薬剤を吸入する前にトレーをスライドさせるのですが、そのトレーをスライドさせた状態で容器を叩いたり落としたりしないようにすぐに吸入しましょう。
副作用は何があるの?
では、イナビルにはどんな副作用があるのでしょうか。
まずは数年前にタミフル服用により飛び降りてしまうなどの異常行動がニュースがあったことは覚えているかもしれませんが、実際にどの抗インフルエンザウイルス薬を服用していようがしていまいが、インフルエンザ感染者には異常行動してしまうリスクがあります。ただし可能性は高くありません。
他には下痢、蕁麻疹、胃腸炎や目眩、頭痛などの副作用が起きる可能性もありますが、異常行動と同様、確率は低いです。
服用できない人はいるの?
では、イナビルを服用できない人はいるのでしょうか。
まずイナビルをはじめとする、抗インフルエンザウイルス薬で副作用や過敏症が起きてしまった人は使うことができません。
また、小さいお子さんや呼吸器疾患や精神疾患をお持ちでイナビルを正しく吸入できそうにない人は、イナビルではない他の抗インフルエンザウイルス薬を使ったほうが良いでしょう。
上記に該当しない人は基本的に使うことができます。ですが、まずはインフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症にかからないよう、規則正しい生活を送って病気にならない健康な体を目指していきましょう。
インフルエンザ薬の予防内服とは?
インフルエンザ薬の予防内服についてご存知でしょうか。予防内服とは、実際の治療に使われる薬を予防目的で使用することです。
例えば、受験や大事な会議など、ご自身やご家族に、どうしても休めない用事がある時、また、ご家族や会社の同僚など周囲の方がインフルエンザに感染された時、抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの感染を予防することができます。
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監修:クリニックフォアグループ医師
参考文献
イナビル吸入方法|インフル・ニュース https://www.influ-news.info/s/inhalation/usage.html
医療用医薬品:イナビル(イナビル吸入粉末剤20mg) https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058821