カンジダ症とは
カンジダ症は、カンジダ属の真菌が原因で起こる病気です。性交渉によって感染する、性感染症でもあります。
ただし、カンジダは普段から粘膜や皮膚に存在する常在菌であり、通常は保有していても症状が出ません。しかし、免疫力の低下などが原因でカンジダが異常に増殖すると、症状が現れることがあります。腟や陰茎といった性器以外に、口の中や爪のまわりなどに生じることもあります。
カンジダ症の患者数
推計患者数は6万6千人程度とされており、年々減少傾向にあります。また、男性よりも女性に多い病気です。
なお、口の中に発症する口腔カンジダは、男女ともに、HIVに感染しているケースで発症することが多いとされています。
カンジダ症の症状
カンジダは、男性では尿道や性器のまわりの皮膚、女性は腟内や性器のまわりの皮膚に感染し、発症することが多いです。それぞれの症状は以下の通りです。
腟カンジダ症(女性)
外陰部の赤み、発疹、強いかゆみ、ジンジンするような痛み、酒粕やカッテージチーズのようなおりものなどが現れることがあります。さらに、排尿時や性交時に痛みを感じることもあります。
陰茎カンジダ症・尿道炎(男性)
亀頭や陰茎のまわりに白いカスや赤い発疹が現れたり、軽い痛み、かゆみなどが現れたりすることがあります。
また、尿道で発症すると、尿道の違和感、かゆみ、尿道炎(排尿時、性交時の痛み)が生じることもあります。
カンジダ症の原因・感染経路
カンジダ症は、主に自己感染が原因となります。前述の通り、カンジダは普段から粘膜や皮膚に存在する常在菌です。通常は保有していても症状は出ません。
しかし、免疫力の低下などがきっかけとなり、カンジダが異常に増殖すると発症するのです。
カンジダが増殖するきっかけとなるのは、体調不良、疲れ、ストレス、妊娠、糖尿病やがんなどの病気、薬(抗生物質やステロイドなど)などです。また、女性は生理前後にも増殖しやすくなります。
なお、カンジダの潜伏期間は1日~1週間程度とされていますが、一方で、何年も潜伏期間が続くこともあります。
性交渉が原因となるケースは少ない
カンジダ症は性感染症の一種ですが、性交渉が原因で感染・発症するケースは少ないとされています。外陰・腟カンジダ症において、性交渉が原因となるのは約5%というデータもあります。ただし、性器カンジダ症を発症しているときに性交渉すると、相手に感染しやすいため注意しましょう。
(参考)
http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2016.pdf
カンジダ症の検査・治療は何科に行けばいい?
カンジダ症の検査や治療は、性感染症の専門クリニック、性病科、産婦人科、婦人科、泌尿器科(男性)、皮膚科などで行っています。基本的に症状がないと検査ができないため注意しましょう。また、インターネット通販などで、自宅で検査できるキットが販売されていることもあるため、使ってみてもよいでしょう。
カンジダ症の検査方法
感染部位(症状がある部位)によって検査の方法は異なります。尿道に症状がある場合は
尿検査、腟に症状がある場合は綿棒で腟からの分泌物を採取する検査、性器周辺の皮膚に症状がある場合は、その部分をこすりとって行う検査などを行います。
また、問診と、症状を感じる部分の視診を行うこともあります。腟に症状があるときは、腟の中に器具を入れて中を見る腟鏡診をすることもあります。
検査は、感染機会(感染者との性交渉など)から24時間以上経過すれば正確な結果が期待できます。結果がわかるのは、検査から数日~1週間後となることが一般的です。
検査費用
自由診療の場合は、診察費用と検査費用を合わせて6,000~10,000円程度が相場です。
カンジダ症の治療方法
抗真菌作用のある軟膏や飲み薬を使います。
また、陰部を清潔にし、通気性をよくするといったセルフケアも大事です。性別によっても治療法や注意点が異なるため、詳しく見てきましょう。
女性(外陰腟カンジダ症)に対する治療
腟に症状がある場合は、可能であれば腟洗浄を行い、抗真菌作用のある腟錠や腟坐剤を腟にいれます。さらに、抗真菌作用のある軟膏やクリームも併用することが一般的です。1日2~3回、外陰部に塗ります。
なお、腟錠や腟坐剤については、毎日挿入するものと、週に1度挿入すれば効果が期待できる薬があります。
また、飲み薬を使うこともありますが、妊婦は飲むことができません。妊娠していなくても、他に飲んでいる薬がある場合は、併用してもよいか必ず医師に確認してください。
上記のような治療を1週間続け、効果が不十分な場合は追加で治療を行います。
男性に対する治療
抗真菌作用のある軟膏やクリームを塗って治療を行います。
治療費用
自由診療の場合は1,000~8,000円程度が相場となります。
クリニックフォアでは、以下の金額で薬を処方しています。
- 塗り薬 8,000円
- 腟内挿入薬6日分 8,000円
- かゆみ止めの塗り薬2,000円
また、予約料・診察料として 1,650円、薬の配送料として550円かかります。(いずれも税込)
カンジダの再発について
外陰腟カンジダ症は再発を繰り返すことがあります。再発性外陰腟カンジダ症は、治療が難しいとされています。
再発の原因
再感染、または治療後も残っていたカンジダの増殖が、再発の原因となります。カンジダにもいくつか種類があるため、薬が効かない菌が原因となっていて、治療が上手くいかなかったというケースもあります。
また、腸管に存在するカンジダが腟に侵入することで再度感染・発症している可能性もあります。
再発に対する治療
再発時は、再発の原因を除去することも大事です。抗生剤などの薬、治療できていない糖尿病、不適切な下着や洗剤などが原因となることがあります。ただ、原因が不明なことも多いです。
治療の際は、前回の治療で使ったものとは薬の種類を変えることがあります。また、腸管に存在するカンジダを除菌するため、飲み薬を飲む方法もあります。さらに、男性パートナーの治療が有効なケースもあります。
カンジダの発症時・治療中の注意点
カンジダを発症した場合は、男女ともに症状が出ている場所を清潔にし、安静を保つことが大事です。通気性のよい下着をはいたり、性交渉を避けたりするなどしましょう。
また、女性はビデ(腟内洗浄)やタンポン、殺精子剤などを使うと薬が洗い流されたり、効果が下がったりする可能性があるため注意が必要です。
症状が出ている部分をかいたり、石けんで強く洗ったりすると感染が広がったり、炎症が強くなって症状が強くなったりすることがあるので避けましょう。そのほか、次の「カンジダ症の予防法」の項目で紹介することも心がけてください。
カンジダ症の予防法
清潔にする
カンジダ症の予防のためには、陰部を清潔にし、乾燥した状態にすることが大事です。以下のようなことを心がけましょう。
- 通気性のよい下着を選び、蒸れに気をつける
- 入浴の後は陰部をしっかり乾燥させる
- 下着や衣類が濡れたらすぐに着替える
- ナプキンはまめに交換する
ただし、清潔を意識しすぎて陰部を洗いすぎると、腟内の環境を保つ常在菌も洗い流されてしまい、菌のバランスがくずれてカンジダ症を発症することがあるので注意してください。
また、タオルなどの共用は感染リスクにつながるのでやめましょう。
性交渉時の注意点
性交渉の時は、コンドームを付けることで感染リスク低下につながります。男性は、性交渉の後に性器をシャワーなどでしっかり洗うことで、感染を防げる場合があるとされています。
パートナーの検査・治療
パートナーの一方が発症した場合は、もう一方も検査、治療を受けるとよいでしょう。一方が治療しても、パートナーの感染が続いていると、性交渉によって再感染させ合うケースがあるためです。
カンジダ症の治療はクリニックフォアのオンライン診療で!
クリニックフォアでは、オンライン診療と対面診療でカンジダの検査・治療を行っています。オンライン診療の場合は、PCやスマホを使い診察を行った後、薬は自宅まで配送します。
また、他の医療機関等で検査した結果がある場合は、結果をもとに治療することも可能なので、まずはご相談ください。
クリニックフォアの検査の詳細はこちら
参考
http://jssti.umin.jp/pdf/guideline-2016.pdf
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/10syoubyo/dl/h29syobyo.pdf