ヘルペスは完治する?治癒までの期間や再発に関する注意点を解説!

ヘルペスとは、小さい水ぶくれが生じる急性かつ炎症性の皮膚の病気を指します。

原因はヘルペスウイルスです。ヘルペスウイルスは、口唇ヘルペスや性器ヘルペスを引き起こす「単純ヘルペスウイルス(HSV)」と、その亜型であり、水ぼうそうや帯状疱疹を引き起こす「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」などがあります。ここでは主に、単純ヘルペスウイルスが原因となる性器ヘルペスについて取り上げます。

実は性器ヘルペスは、治療しても完治しないとされています。それがどういうことなのかや、再発予防法などについて見ていきましょう。

性器ヘルペスは完治しない

性器ヘルペスを含む、単純ヘルペスウイルスを原因とする病気は完治しません。単純ヘルペスウイルスに一度感染すると、ウイルスは一生体内に存在し続けます。そして、睡眠不足や疲労、ストレスなどの理由で免疫力が下がると再発するのです。そのため、一度感染した方は、再発予防に努める必要があります。

なお、抗ウイルス薬で治療すれば、一旦症状を抑えることはできます。しかしこれは、ウイルスを死滅させる薬ではありません。また、現時点では感染を予防するワクチンも存在しません。

完治が期待できる治療薬の開発が進んでいる

ドイツでは、ヘルペスの治療薬の開発が進んでいます。従来の症状緩和目的の薬とは異なり、ヘルペスを完治させることを目的とする薬です。

この薬は、ヘルペスウイルスの増殖に不可欠な酵素の活性を阻害することで、ウイルスの増殖を防ぐというものです。動物実験では効果があったと報告されているため、将来的にはヘルペスウイルスの完治が期待できるかもしれません。

性器ヘルペスの基本的な治療方法

性器ヘルペスの治療は、抗ウイルス薬の飲み薬や塗り薬によって行うことが一般的です。前述の通り、一旦治癒しても、免疫力の低下などによって再発することがあります。再発した場合は、再度治療を受ける必要があります。

性器ヘルペスの治癒までの期間

抗ウイルス薬を使うと、1~2週間程度で治癒することが一般的です。場合によっては2~3週間で自然治癒することもあるとされています。再発の場合は、1週間程度で自然治癒することもあります。

性器ヘルペスの再発について

ここからは、性器ヘルペスの再発の頻度、原因、症状、再発予防法などについて詳しく解説します。

再発の頻度

感染したからといって必ず再発するわけではなく、再発しやすい人、しにくい人がいます。年に1~2回再発する人もいれば、月に2~3回再発する人もいて、個人差があります。また、再発の頻度が高い場合は、再発を抑える治療が検討されることもあります。

再発の原因

再発の原因としては、主に免疫力の低下が挙げられます。たとえば、心身の疲労や風邪などの病気、月経などがきっかけとなります。また、性交やその他の刺激などによって再発することもあります。

再発時の症状

基本的に、再発時は症状が軽く、人によっては前兆の症状が出ることもあります。詳しくは以下の通りです。

症状が軽いことが一般的

最初に症状が出たときよりも、症状は軽いことが一般的です。ただれや水ぶくれは1個~数個程度と、初発時より少ないことが多いです。また、症状の範囲もあまり広くないとされています。

前兆の症状が出ることがある

再発前に、性器にヒリヒリ感やチクチク感といった違和感を覚えることがあります。そのほか、太ももから足にかけて神経痛のようなビリビリとした鈍い痛み、腰がつっているような痛みが生じることもあります。

再発予防の方法

再発予防のためには、日々の生活の中で免疫力が低下しないように心がけることが基本です。ただし、再発の頻度が高い場合は、再発予防のための治療を受ける選択肢もあります。詳しくは以下の通りです。

日常生活でできること

規則正しい生活や十分な睡眠を心がけましょう。疲れやストレスは大敵となります。また、「ヘルペスが再発したらどうしよう」といった不安は余計なストレスとなってしまうので、あまり気にしすぎないほうがよいでしょう。

免疫力を高めるために、バランスの良い食生活や適度な運動を行うことも大事です。そのほか、過剰な紫外線も体にとっては負担となるため、十分に対策しましょう。

再発抑制療法

再発頻度が高い場合は、再発を予防するために「再発抑制療法」を行うことがあります。これは、抗ヘルペスウイルスを毎日1錠ずつ、1年間を目安に継続して飲むという治療法です。

この治療によって、患者さんの6~7割で再発リスクが抑えられ、4割が1年で1度も再発しなかったというデータがあります。万が一再発した場合は、薬の量を増やすことが一般的です。

なお、頻繁に再発する人は、治療中でも再発することがあるものの、症状が軽度かつ治癒までの期間も短くて済むとされています。

再発頻度が年に6回以上の場合は、保険適用でこの治療が受けられます。

再発したらすぐに受診を

症状が現れた場合は、早めに受診して治療を受けましょう。また、前兆の症状(性器の違和感、足や腰の痛みなど)を感じたらその時点で受診するとなおよいとされています。前兆の症状が出た時点で治療することで、再発時の症状の軽減、治癒までの期間の短縮が期待できるためです。

なお、1年に3回以上再発し、前兆の症状が判断できる場合は「待機的再発抑制療法」を行うことがあります。これは、抗ヘルペスウイルス薬をあらかじめ処方してもらい、前兆の症状が現れたらすぐに服用し、さらに12時間後に服用するという治療法です。

この治療によって、治癒までの期間を早めることができるとされています。処方できる患者さんには条件がありますので、医師にご相談ください。

性器ヘルペスの治療はクリニックフォアで!

クリニックフォアでは、オンライン診療や対面診療で性器ヘルペスの検査・治療を行っています。オンライン診療の場合、PCやスマホで簡単に診察を受けることができ、その後、内服薬が自宅などに配送されます。そのため、忙しい方や、直接の受診は恥ずかしいといった方でも利用しやすくなっています。

また、他の医療機関等で検査した結果がある場合は、結果をもとに治療することも可能なので、まずはご相談ください。

参考文献

  1. 日本性感染症学会誌