麻疹のポイント
●接種が必要な方:世界的に発症しており、どこの国・地域でも感染する危険性があるため、小児期に2回の予防接種を完了していない方で、これまで麻疹にかかったことのない方は、どこの国・地域に渡航する際にも接種が必須です。
・3種類のワクチンがありますが、いずれのワクチンの場合でも、成人の場合1回の接種が必要です。
・3種類のワクチンはいずれも生ワクチンであり、麻疹ワクチンを接種後4週間は他のワクチンを接種することができません。また妊婦は接種することができず、接種後2ヶ月は妊娠を避ける必要があります。
・3種類のワクチンは、それぞれ予防できる疾患や補償制度が異なります。
●予防できる疾患:麻疹のみの予防をすれば良い場合、国産麻疹ワクチン(現在、日本全体で品切れが続いています)
・麻疹に加えて風疹の予防も行いたい場合、国産麻疹・風疹混合(MR)ワクチン
・麻疹に加えて風疹・ムンプスも予防したい方は輸入麻疹・風疹・ムンプス混合(MMR)ワクチン
●どのようなワクチンを打つべきか:
・ 国産の安心感、ワクチン補償制度を求める方は国産麻疹ワクチンまたは国産麻疹・風疹混合(MR)ワクチンをお勧めします。
・ 麻疹に加え、一度にムンプス・風疹も予防しないといけない方は、輸入麻疹・風疹・ムンプス混合(MMR)ワクチンをお勧めします。
●価格:
・ 国産麻疹ワクチン:7,000円(税込7,700円)/本+診察料
・ 国産麻疹・風疹ワクチン:10, 000円(税込11,000円)/本+診察料
・ 輸入麻疹・風疹・ムンプスワクチン:13,500円(税込14,850円)/本+診察料
どこへ渡航する時に麻疹ワクチン接種が必要でしょうか?
世界保健機関(WHO)が2018年に国ごとの麻疹の発症数を公表しています(上記世界地図の茶色のエリアが麻疹発症リスクの高い地域です)。
麻疹の根絶に向けて予防接種率の向上などを目指した取り組みが強化されていますが、現在も世界中で麻疹が発症しています。
現在日本では予防接種法に基づき、1歳児と小学校入学前1年間の幼児に麻疹風疹混合ワクチンが接種されています。小児期の定期予防接種で麻疹の予防接種をしていない方、麻疹の予防接種を一度しか受けていない方、またこれまで麻疹にかかったことがなく(またはかかったかどうかはっきりせず)予防接種を受けたかどうかはっきりしない方(つまり麻疹に対する免疫を獲得していない方全て)は、渡航する前に他のワクチンとともに麻疹ワクチンを接種することが推奨されます。
麻疹の感染経路と症状は?
麻疹は麻疹ウイルスによる急性の感染症です。麻疹ウイルスは非常に感染力が強く、感染している人との接触により感染(接触感染と言います)したり、感染している人がくしゃみや咳をした時に飛び散るしぶき(飛沫)により感染(飛沫感染と言います)するだけでなく、感染している人と同じ部屋にいるだけでも感染(空気・飛沫核感染と言います)します。
感染すると約10日後に38℃前後の発熱や咳、鼻水などの風邪のような症状や結膜充血、目やになどの結膜炎症状が出現し2~4日間続きます。その後一旦体温は1℃程度下がりますが半日くらいのうちに再び39℃以上の発熱が出現するとともに発疹が出現します。発疹は約2日で耳の後ろ、首の部分、前額部から全身に広がり、その間39.5℃以上の発熱が3~4日間続きます。(発疹が現れる1〜2日前に、口の中の頬の内側に1mm程度のやや隆起した小さい斑点が出現し、これはコプリック斑といって麻疹に特徴的な症状ですが、発疹出現後2日目をすぎる頃には消えてしまいます。)肺炎、中耳炎などを合併することがあり、まれに脳炎を合併することもあります。先進国であっても麻疹を発症して死亡する割合は1000人に一人と言われており、麻疹に関連する死亡原因のほとんどは合併症によるものです。
妊娠中に麻疹に感染した場合には一般的に重症化し、流・死産や早産の頻度が上昇するとの報告があります。
接種可能な麻疹ワクチンの種類と価格は?
クリニックフォアグループでは、3種類の麻疹ワクチンをご用意しています。輸入ワクチンに関しては、国際的に広く使用されている、安全性の高いワクチンを輸入しております。
※メーカーからの供給が不足しており、接種できない可能性があります。詳しくはカウンセリングでご相談ください
C. 輸入麻疹・風疹・ムンプス混合(MMR)ワクチン(Priorix)
それぞれ以下のような特徴があります。
*:別途、カウンセリング料が必要になります。また上記は税抜価格です。
麻疹ワクチンには、国産ワクチン2種類と輸入ワクチン1種類があり、接種回数は年齢や基礎接種の恐々により異なります。
様々な特徴を踏まえると、クリニックフォアグループ トラベルワクチンセンターとしては、
麻疹のみの予防をすれば良い場合、国産の安心感、ワクチン補償制度を求める方には国産麻疹ワクチン
麻疹に加えて風疹の予防も行いたい場合、国産の安心感、ワクチン補償制度を求める方には国産麻疹・風疹混合(MR)ワクチン
麻疹に加えて風疹・ムンプスも予防したい方は輸入麻疹・風疹・ムンプス混合(MMR)ワクチン
をお勧めいたします。
価格については、国産麻疹ワクチン 7,000円(税込7,700円)/本、国産麻疹・風疹混合(MR)ワクチン 10,000円(税込11,000円)/本、輸入麻疹・風疹・ムンプス混合(MMR)ワクチン 13,500円(税込14,850円)となります。
その他のQ&A
麻疹の輸入ワクチンと国産ワクチンの違いを教えてください
当院では、国際的に広く使用されている、安全性の高いワクチンを輸入しております。
補償制度が国産ワクチンと輸入ワクチンでは異なります。日本国内で承認されているワクチンは予防接種法、施行令によって健康被害に対する救済制度(予防接種健康被害救済制度)が確立しています。しかし、日本国内未承認ワクチン(輸入ワクチン)についてはその救済制度は対象外となります。
そのため、国内未承認ワクチンの副作用に関する救済補償制度は、当院がワクチンの輸入を依頼している代行業者による独自の補償制度に従うことになります。
他のワクチンと一緒に接種できますでしょうか?
他のワクチンと同時に接種可能です。(ご希望の方はスタッフにお申し付けください)
ただし、本ワクチンは生ワクチンであり、接種前に他の生ワクチンを接種している場合は、27日以上の間隔を開けることが必要です。
※コロナワクチンと一緒に接種する場合は前後2週間空ける必要があります。
渡航までに、何回接種する必要がありますか?どれくらいの期間が必要ですか?
国産麻疹ワクチン、国産麻疹・風疹混合(MR)ワクチン、輸入麻疹・風疹・ムンプス混合(MMR)ワクチンともに、これまで小児の定期接種などで麻疹ワクチンの接種歴のない方や接種歴の不明な方は1回の接種が必要です。1回の麻疹ワクチン接種で免疫を獲得できない人が5%程度いるため、1回目の接種で抗体が十分にならなかった場合には、2回目の接種が必要となる場合があります。その場合、国産麻疹ワクチン、国産麻疹・風疹混合(MR)ワクチン、輸入麻疹・風疹・ムンプス混合(MMR)ワクチンともに、1回目の接種後4週間以上の間隔をあけて2回目の接種を行います。
基本的には1回の接種で十分と考えますが、不安な方は、1回目の接種が終了後、4週程度の間隔を開けて採血を行い血中抗体価のチェックを行います。十分に抗体価が上がっていなかった場合、2回目の接種を行うことを推奨いたします。
今後妊娠を考えていますが、ワクチン接種は可能ですか?
妊娠中に麻疹に感染した場合には一般的に重症化し、流・死産や早産の頻度が上昇するとの報告があるため、今後妊娠の可能性がある方が、渡航前にワクチン接種をすることは非常に有用です。ただし、麻疹に対する3種類のワクチンはいずれも生ワクチンであり、妊娠中の女性が麻疹ワクチン接種をすることはできません。妊娠可能な女性においては、あらかじめ約1ヶ月間避妊した後に接種し、ワクチン接種後約2ヶ月間は妊娠しないように注意をする必要があります。
また、身近に妊娠中・妊娠する可能性のある女性のいる方も、その方への感染を防ぐという意味でワクチン接種をすることが推奨されています。
接種証明書は発行していただけますか?
ご希望の方には、接種記録カードを無料で発行しております。
また、ご希望があれば、英文での接種証明書(INTERNATIONAL CERTIFICATE OF VACCINATION OR PROPHYLAXIS)を発行します。
カード払い、あるいは、請求書払いは可能でしょうか?
クリニックフォアグループでは、保険診療・自費診療含め、全てのお支払いにクレジットカード、iD/QuickPay, 交通系IC(Suica/Pasmo)、QRコード決済(Paypay、LinePay)等をご使用いただけます。
また、まとまった人数での接種が必要な場合、企業単位でのご請求書での支払いも承ります。企業のご担当者様より、contact@clinicfor.lifeまでご連絡ください。