水痘・帯状疱疹のポイント

接種が必要な方

1. 水痘

水痘は世界的に発症しており、どこの国・地域でも感染する危険性があるため、小児期に2回の予防接種を完了していない方で、これまで水痘にかかったことのない方は、どこの国・地域に渡航する際にも接種が必須です。

・水痘ワクチンは国産の1種類で、成人の場合は1回の接種を行います。
・水痘ワクチンは生ワクチンであり、水痘ワクチンを接種後27日間は他のワクチンを接種することができません。また妊婦は接種することができず、接種後2ヶ月は妊娠を避ける必要があります。
・水痘ワクチンは、50歳以上の方に帯状疱疹の予防の目的で投与することができます。

2. 帯状疱疹

帯状疱疹は水痘が治癒したあと、神経節に潜伏していたウイルスが再活性化し痛みを伴う水疱が出現する疾患です。皮疹が消失したあとも神経痛が残存することもあります。高齢になるほど発症・合併症のリスクが上がるため、予防接種による発症予防が重要となります。

・帯状疱疹ワクチンは国産の1種類で、50歳以上の成人に2ヶ月間隔を空けて2回の接種を行います。
・帯状疱疹ワクチンは不活化ワクチンであり、他の不活化ワクチンとの接種間隔制限はありません。

価格

国産水痘ワクチン:8,000円(税込8,800円)/本+カウンセリング料
国産帯状疱疹ワクチン:18,500円(税込20,350円)/回 <2回接種が必要です> +カウンセリング料

どこへ渡航する時に水痘ワクチン接種が必要でしょうか?

世界保健機関(WHO)や国立感染症研究所からの報告によると、水痘は世界中で発生しています。

日本では平成26年10月1日から水痘ワクチンの2回接種が小児の定期接種項目になり(標準的には1回目の接種は生後12月から生後15月までの間、2回目の接種は1回目の接種から6月から12月まで経過した時期に行うこととなっています。)それまでは任意接種でした。
成人で水痘を発症した場合は重症になりやすい傾向があり、これまで水痘にかかったことがなく(またはかかったかどうかはっきりせず)、予防接種を受けたことのない方や受けたかどうかはっきりしない方(つまり水痘に対する免疫を獲得していない方全て)は、渡航する前に他のワクチンとともに水痘ワクチンを接種することが推奨されています。

水痘・帯状疱疹の感染経路と症状は?

水痘とはいわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus;VZV)によって起こる急性の伝染性疾患です。
水痘・帯状疱疹ウイルスは、麻疹ウイルスほどではありませんが風疹ウイルスやおたふくかぜ(ムンプス)ウイルスよりも感染力が強く、感染している人との接触により感染(接触感染と言います)したり、感染している人がくしゃみや咳をした時に飛び散るしぶき(飛沫)により感染(飛沫感染と言います)するだけでなく、感染している人と同じ部屋にいるだけでも感染(空気・飛沫核感染と言います)します。

水痘・帯状疱疹ウイルスに感染すると約2週間程度の潜伏期間の後に、発疹 、発熱、全身倦怠感などの症状が出ます。
発疹は典型的には紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒し、発疹の部位は最初頭部・顔面から始まり体幹、手足に出現します。数日にわたり新しい発疹が次々と出現するので、紅斑、丘疹、水疱、痂皮のそれぞれの段階の発疹が混在することが水痘に特徴的です。
水痘は主に小児の病気ですが、成人に水痘が発症した場合、水痘が重症化するリスクが高く、また皮膚の二次性細菌感染、肺炎、髄膜炎、脳炎などの合併症も小児より発症しやすいことが知られています。

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの初感染により水痘が発症して治癒した後、ウイルスが体内の神経節に潜伏し、その後、加齢やストレス、過労などが原因となってウイルスに対する免疫力が低下して、神経節に潜伏していたウイルスが再活性化し、神経を伝わり皮膚に到達することにより、痛みを伴う水疱を生じる疾患です。
水疱がかさぶたになるまでには 10~15 日ほど必要で、皮膚が正常に戻るまでには1ヶ月ほどかかります。合併症として代表的なものに、皮膚症状消失後 3 か月以上にわたって疼痛が持続する帯状疱疹後神経痛(postherpetic neuralgia:PHN) があります。

※帯状疱疹・帯状疱疹ワクチンに関しては別に特集記事を設けております。詳しくはこちら

接種可能な水痘・帯状疱疹ワクチンの種類と価格は?

クリニックフォアグループでは、水痘ワクチン、帯状疱疹ワクチンいずれもご用意しています。

国産水痘ワクチン国産帯状疱疹ワクチン
接種回数1回2回
渡航までの接種回数1回
接種方法皮下注射 筋肉内注射
予防できる疾患水痘・帯状疱疹帯状疱疹
効果持続時間20年9年以上
対象年齢1歳以上50歳以上
ワクチン価格*8,000円/本18,500円/回
補償制度予防接種健康被害救済制度医薬品副作用被害救済制度
特徴国産の安心感、ワクチン補償制度あり国産の安心感、ワクチン保障制度あり

*:別途、カウンセリング料が必要になります。(初回 3,500円+税、2回目 1,500円+税) また上記は税抜価格です。

ワクチンの価格については、国産水痘ワクチンは8,000円(税込8,800円)/本、国産帯状疱疹ワクチンは18,500円(税込20,350円)/本となります。帯状疱疹ワクチンは2回接種が必要なので、2回接種分で37,000円(税込40,700円)となります。

水痘ワクチンは、50歳以上の方に帯状疱疹の予防の目的で接種することもできますが、帯状疱疹ワクチンを水痘の予防目的に接種することはできません。

帯状疱疹の予防には水痘ワクチンと帯状疱疹ワクチンどちらが適切ですか?

水痘ワクチン(生ワクチン)帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン)
発症予防効果51.3%50歳以上で97.2%
70歳以上で91.3〜97.9%
神経痛予防効果66.5%88.8%
長期予防効果8〜10年で効果が消失9年以上の効果維持
副反応局所反応、発熱
水痘様発疹
局所反応、筋肉痛
疲労、頭痛など
接種できない方妊婦、妊娠の可能性がある方
免疫機能が低下した方
免疫抑制剤を使用中の方
病状の安定していない悪性腫瘍の方
アナフィラキシーのある方
明らかな発熱や急性疾患のある方

2017年に開発された帯状疱疹ワクチンは、従来の水痘ワクチンに比べて発症・合併症予防に対して高い効果があり、長期的な安定性も確認されています。接種可能な対象も多く、帯状疱疹の予防には帯状疱疹ワクチンの接種が推奨されます。

※帯状疱疹・帯状疱疹ワクチンに関しては別に特集記事を設けております。詳しくはこちら

他のワクチンと一緒に接種できますか?

水痘ワクチン、帯状疱疹ワクチンともに、他の不活化ワクチンとは同時に接種可能です(ご希望の方はスタッフにお申し付けください)。ただし、水痘ワクチン(生ワクチン)の接種前に他の生ワクチンを接種している場合は、27日以上の間隔を開けることが必要です。

今後妊娠を考えていますが、ワクチン接種は可能ですか?

水痘ワクチンは生ワクチンであり、妊娠中の女性が水痘ワクチン接種をすることはできません。妊娠可能な女性においては、あらかじめ約1ヶ月間避妊した後に接種し、ワクチン接種後約2ヶ月間は妊娠しないように注意をする必要があります。

帯状疱疹ワクチンは不活化ワクチンであり、妊婦または妊娠している可能性がある人、授乳中の人への接種に関しては接種が適するかどうか医師の判断が必要とされています。

支払いはカード払い、あるいは、請求書払いは可能でしょうか?

クリニックフォアグループでは、保険診療・自費診療含め、全てのお支払いにクレジットカード、交通系IC(Suica/Pasmo)、QRコード決済(Paypay、LinePay)等をご使用いただけます
また、まとまった人数での接種が必要な場合、企業単位でのご請求書での支払いも承ります。
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