インフルエンザの流行シーズン前に考えておきたいのがインフルエンザワクチンの接種についてです。
インフルエンザワクチンのシーズンになる前に、知っておきたいインフルエンザワクチンについて詳しく解説していきます。
インフルエンザのワクチンは打つべき?いつまでに打った方がいいの?
インフルエンザワクチンは、インフルエンザを医学の力で予防することができる方法です。どうしてインフルエンザワクチンを打つことで、インフルエンザを予防できるのかのメカニズムを解説します。
インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスの感染性をなくした状態(不活化といいます)で接種します。体内でこの感染性をなくした弱いウイルスと戦わせることで、インフルエンザウイルスを免疫を獲得することができ、感染を防ぐことができるようになるのです。インフルエンザワクチンを打って、免疫を獲得した場合、その有効期間は約5ヶ月とされています。そのため、流行シーズンである12月から3月には効果を発揮させるためにも早くて10月下旬、遅くても12月上旬にはインフルエンザワクチンを接種しておくことが推奨されています。
インフルエンザワクチンを打つことで、健康な65歳以下の方のインフルエンザの発病割合を70〜90%減少させることができたほか、65歳以上の健康な高齢者がインフルエンザにかかり、肺炎などとなって重症化して入院する割合を30〜70%減少させたり、65歳以上の高齢者福祉施設に入所している高齢者については34~55%の発病を阻止し、82%の死亡を阻止する効果があったとされています。
接種から5ヶ月程度で免疫がなくなってしまうため、昨シーズンにインフルエンザワクチンを打った方もまた、今シーズンには改めてワクチンを接種することが必要となります。
インフルエンザワクチンはA型、B型と自分で選べるの?
ンフルエンザにはA型、B型、C型とあります。特に大人がかかってしまい、重症化するのがA型とB型です。それでは、インフルエンザワクチンもA型とB型で好きな方を選ぶことができるのでしょうか。
実は、インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行することが予測されると判断されたウイルスを用いて製造されています。日本で現在流通しているインフルエンザワクチンは、4価ワクチンといい、インフルエンザウイルスA型株(H1N1株とH3N2株の2種類)とB型株(山形系統株とビクトリア系統株の2種類)のそれぞれを培養して製造されています。この中から、その年の流行を予測してワクチンを選択して製造し、医療機関へ流通させるため、自分でどのワクチンが良いかということを選択することはできません。
また、稀にではありますが、インフルエンザワクチンを接種したにもかかわらずインフルエンザにかかってしまう方もいらっしゃいます。接種したインフルエンザワクチンで免疫が得られずにインフルエンザにかかってしまうこともありますし、インフルエンザワクチンで予測されていたインフルエンザと別の型のインフルエンザウイルスにかかってしまうということもあります。
インフルエンザワクチンを打つことができない人もいる?
インフルエンザワクチンはすべての方が打てるということではなく、実は打つことができない方もいます。
インフルエンザワクチンは弱毒化して感染性をなくしているとはいえ、病原菌を接種するため37度以上の発熱が見られる方は打つことができません。ほかにも重篤な急性疾患ににかかっていることが明らかな人や、医師がインフルエンザワクチンを打つべきでないと診断した人はインフルエンザワクチンを打つことができません。
インフルエンザワクチンは鶏卵を使って培養していくため、卵アレルギーの方はインフルエンザワクチンを打つことができないというような情報も一部では出回っています。実は卵アレルギーがあったとしても、アナフィラキシーショックを起こすほどの重度なアレルギーでなければ、医師と相談の上、接種することができます。アナフィラキシーショックを起こしたことがある、アナフィラキシーショックの可能性があるため原材料に卵が含まれる食品を避けている、過去にインフルエンザワクチンを接種してアレルギー症状を発症させたことのあるという方はインフルエンザワクチンの接種を受けることができないケースが多いです。この場合、感染者と濃厚接触をしたら抗インフルエンザ薬を予防的に投与するという方法が行われる場合もあります。
インフルエンザワクチンを打つべき人は?
インフルエンザワクチンは例年十分な供給量で、希望された方のほとんどは接種することが可能ですが、2021-2022年度は供給量が例年の6割程度とされており、不足する可能性があるとされています。そのような中で、特にインフルエンザワクチンを接種していただきたい方がいらっしゃいます。それは、インフルエンザにもしも感染した場合に重症化しやすい方、インフルエンザの感染者と濃厚接触が懸念される方です。
平成21年に行われた厚生労働大臣と有識者との意見交換では、インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者(救急隊員を含む)、妊婦及び基礎疾患を有する者、1 歳〜小学校低学年に相当する年齢の者、65歳以上の高齢者に対しては優先的に接種を受けるべきとの意見がでています。また、基礎疾患があり、インフルエンザにかかることで肺炎になるなど重症化する可能性がある方も優先的にインフルエンザワクチンを接種すべきとされています。
インフルエンザワクチンはどこで接種を受けれるの?
インフルエンザワクチンは病院やクリニックなど医療機関で接種することができます。インフルエンザワクチンは自費診療となり、保険適用外となります。そのため、医療機関によってインフルエンザワクチン接種の価格は若干異なります。
地方自治体によっては予防接種法に基づき自己負担額を軽減したり、公費負担で予防接種を受けられるようにしているところもあります。対象者については、自分の居住する市町村のホームページを確認するか、直接市町村の窓口へお問い合わせください。
抗インフルエンザ薬の予防内服とは?
抗インフルエンザ薬の予防内服についてご存知でしょうか。予防内服とは、実際の治療に使われる薬を、感染予防目的で使用することです。例えば、受験や大事な会議など、ご自身やご家族に、どうしても休めない用事がある時、また、ご家族や会社の同僚など周囲の方がインフルエンザに感染された時、抗インフルエンザ薬を服用することで、インフルエンザの感染を予防することができます。(自費での処方となります)
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監修:クリニックフォアグループ医師