ナイアシンアミドとは?
ナイアシンアミドはビタミンB3の一種。ニコチン酸アミドとも呼ばれます。ビタミンB群に数えられるナイアシンは、ニコチン酸とニコチン酸アミド(ナイアシンアミド)の総称です。
ナイアシンアミドはスキンケアアイテムなどに配合されているほか、お薬の成分としても使われています。
ナイアシンアミドの効果とは?
医療現場で使われるナイアシンアミドには、コラーゲンの生成促進、セラミドの合成、メラニンの阻害、血行促進、抗酸化作用、抗糖化作用、過剰な皮脂抑制などの働きがあります。
詳しくは以下の通りです。
ハリとうるおいを与え、しわ・たるみを予防・改善
医療用のナイアシンアミドは真皮の線維芽細胞(皮膚の少し内側(真皮)にあり、コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を作っている)にアプローチし、コラーゲンの生成を促すとされています。
これにより、肌にうるおい、ハリ、弾力を与え、乾燥によるしわやたるみの予防・改善につながります。
また、セラミドを合成することでも、肌のうるおいにつながることが期待できます。
シミ・そばかすの予防
紫外線などの刺激によって、メラノサイトがメラニンを生成し、メラニンが表皮(皮膚の表面)に移動するとシミやそばかすになります。
医薬部外品などのナイアシンアミドにはメラニンの生成を抑制するととともに、メラニンが表皮に移動するのを阻害するため、シミ・そばかす予防につながります。
くまやくすみを改善し、肌のトーンを整える
医療用のナイアシンアミドには血管拡張作用があり、血流を改善して青クマなどを改善するとされています。さらに、抗糖化作用によって、くすみにも効果が期待できます。
肌のバリア機能を高め、肌荒れを予防
医療用のナイアシンアミドがうるおい成分のセラミドを合成することで、肌のうるおいにつながります。
肌には、外部の刺激から肌を守るバリア機能があり、バリア機能において重要な「細胞間脂質」の大半がセラミドで構成されています。そのため、ナイアシンアミドによってセラミドが増えると、肌のバリア機能も高まるでしょう。これによって乾燥を防ぎ、肌荒れ予防につながると考えられます。
ニキビ予防
医薬部外品などのナイアシンアミドは過剰な皮脂を抑えたり、炎症を抑えたりするため、ニキビ予防にも効果が期待できます。
ナイアシン欠乏症の治療
上記のようにナイアシンアミドはお薬の成分として広く使われており、飲み薬も販売されています。このお薬は、ナイアシンの不足によるナイアシン欠乏症(ペラグラ: 発疹、下痢、認知症、精神の異常などが生じる病気)などに対して効果が期待できます。
ナイアシンアミドが不足するとどうなる?
ナイアシンアミドが不足すると、以下のような病気、症状が生じたり、影響することがあります。
- ペラグラ(発疹、下痢、認知症、精神の異常などが生じる病気)
- 口角炎
- 口内炎
- 舌炎
- かぶれ
- 湿疹
- 光線過敏性皮膚炎
- メニエル症候群
- レイノー病
- 末梢循環障害による四肢冷感、しもやけ、凍傷
- 耳鳴り
- 難聴
など
ナイアシンアミドを摂りすぎるとどうなる?
逆に、ナイアシンアミドを摂りすぎると、以下のようなリスクがあります。
- 胃腸障害
- 肝障害
- 消化性潰瘍の悪化
など
ナイアシンアミドの取り入れ方
ナイアシンアミドは、食べ物やサプリメント、スキンケアアイテムから取り入れる方法があります。詳しく見ていきましょう。
ナイアシンアミドを多く含む食品をとる
ナイアシンアミドを取り入れるには、ナイアシンを多く含む以下のような食品を食べるとよいでしょう。魚や肉に多く含まれる傾向があります。
食品 | 100gあたりの含有量 |
たらこ | 50~57mg程度 |
炒り落花生 | 17~23mg |
まぐろ | 15~21mg程度 |
かつお | 15~18mg程度 |
鶏むね肉(焼き) | 17~18mg程度 |
鶏ささみ(焼き) | 18mg |
豚のスモークレバー | 18mg |
いわしの煮干し | 17mg |
いわしの丸干し | 16mg |
さば | 15㎎ |
なお、ナイアシンは水に溶けやすいので、煮物やスープにする場合は汁も一緒に食べるのがおすすめです。揚げ物にすると、油に栄養素が溶け出してしまうので注意しましょう。
また、ナイアシンアミドは必須アミノ酸のトリプトファンからも合成されます。いわし、さば、大豆などに多く含まれています。
(参考)食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
サプリメントを利用する
食事から十分な量のナイアシンを取り入れるのは難しいこともあるでしょう。補助的に、サプリメントを使うのも一つの方法です。
スキンケアアイテムを利用する
ナイアシンアミドを含むスキンケアアイテムを使う方法もあります。敏感肌、乾燥肌、脂性肌など、肌質を問わず使いやすいのが特徴です。
ナイアシンアミドとレチノールの併用はできる?
ナイアシンアミドとレチノール(ビタミンA)の併用は、エイジングケア※において人気が高い組み合わせです。(※年齢に応じたお手入れのこと)
レチノールも、ナイアシンアミド同様、しわ、たるみ、シミ、ニキビなどに効果が期待できるものです。
これらは併用しても問題なく、相乗効果によってより高い効果が期待できます。
ただし、レチノールは刺激が強い成分です。そのため、ナイアシンアミドを先に使うことで、レチノールの刺激が軽減されると言われています。ナイアシンアミドを塗布後10~15分ほどおいてからレチノールを塗りましょう。レチノールは脂溶性なので、後から塗ることでうるおいを保つ効果もあります。
また、ナイアシンアミドは、ビタミンC、サリチル酸、セラミド、ヒアルロン酸などの美容の代表的な成分との併用も問題ありません。
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※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
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