ステンドラとは?
ステンドラは、「第4のED治療薬」と呼ばれているお薬です。ED治療薬として代表的な、バイアグラ、レビトラ、シアリスに次いで開発されたお薬であるためです。
ステンドラは、これらの3つのお薬のデメリットは抑え、メリットは活かしたいいとこどりのお薬でもあります。
有効成分はアバナフィル。この成分はもともと日本の田辺三菱製薬で開発されていたものでしたが、アメリカのVIVUS(ヴィヴァス)社に権利が委譲され、お薬自体はその会社が製造・販売しています。
成分量によって、50mg、100mg、200mgがあります。
日本では未承認ですが、アメリカではFDA(日本の厚生労働省のような存在)に承認されており、アメリカ以外でも世界中で使われているお薬です。
なお、ステンドラにはジェネリックもあります。ジェネリックとは、先発医薬品の特許が切れた後に製造・販売されるお薬のことで、成分や効果は変わりませんが、先発医薬品よりも価格が安いという特徴があります。
ステンドラの効果
ステンドラには、勃起までに時間がかかったり、途中で勃起が終わってしまったりするような症状を改善する効果があります。
具体的には、陰茎の血管が広がり、勃起しやすく維持もしやすい状態にするというお薬です。
一方、ステンドラには、性欲の向上や催淫効果があるわけではありません。あくまで、性的刺激や興奮を受けた時に、勃起をサポートするお薬であり、通常は、射精すれば勃起はおさまります。
ステンドラの作用のメカニズム
もう少し具体的に、ステンドラのメカニズムを解説しましょう。
ステンドラは、PDE-5阻害剤の一種です。これは、バイアグラやレビトラといった他のED治療薬と同じジャンルのお薬です。PDE-5阻害剤は、PDE-5という酵素のはたらきを阻害することで、勃起をしやすく、維持しやすくするお薬です。
そもそも、勃起のメカニズムは以下のようなものです。
性的刺激を受ける
↓
陰茎の動脈や海綿体に一酸化窒素が放出される
↓
血管を広げる作用がある「サイリックGMP」という物質を活性化させる
↓
血液がたくさん入ってくるようになり、勃起につながる
PDE-5には、サイリックGMPを分解するはたらきや、血管を収縮するはたらきがあります。つまり、PDE-5によって勃起しにくくなってしまうため、PDE-5を阻害すると勃起しやすくなるのです。
ただ、PDE-5にも大切な役割があります。通常は、射精が終わるなどすると、血液中のPDE-5の濃度が高まり勃起が終了するので、PDE-5が必要なタイミングもあるのです。
ステンドラの特徴・メリット
ステンドラには、以下のような特徴、メリットがあります。
- 効果が現れるまでの時間が早い
- 食事の影響を受けにくい
現在使われているED治療薬には、それぞれ特徴があるので、自分に合ったものを見つけることも大事です。詳しく見ていきましょう。
効果が現れるまでの時間が早い
ステンドラの効果が現れるまでの時間は、15~30分程度とされています。これはレビトラと同等の早さです。また、服用後30分頃が効果のピークとされています。
一方で効き目の持続時間は約6時間のため服用タイミングをしっかり見計らう必要がある点がデメリットと言えます。
効果の持続時間長いものがよい場合は、30~36時間程度続くシアリスもあります。
食事の影響を受けにくい
ED治療薬は、種類によっては食事の影響を受けることがあります。食事の影響とは、食後や、脂っこいものをたくさん食べた後は吸収されにくく、効果が出にくいということ。
ステンドラは食事の影響を受けにくいため、食後に急に服用が必要な場面が訪れても対応しやすかったり、内容を気にせず食事が楽しめたりするというメリットがあります。
ステンドラの飲み方・タイミング
ステンドラは、性行為の30分~1時間ほど前に水かぬるま湯で飲みましょう。最初は成分量が少ない50mgを飲むことが推奨されています。50mgでは効果が実感できない場合は、100mgを試すとよいでしょう。
なお、欧米人の場合、1日の最大量は200mgとされています。ただ、欧米人の体格は日本人とは異なるため、日本人の場合は200mgでは飲みすぎとなる恐れもあります。服用の際は医師の指示に従い、用量を守りましょう。
また、次の服用は、必ず24時間以上空けてからにしてください。
食事の影響について
ステンドラは食事の影響は受けにくいものの、できれば空腹時に服用したほうが、十分な効果が期待できる可能性が高いです。
食後にお薬を飲むことがわかっている場合は、脂質の多い食事を避け、ヘルシーな食事を心がけましょう。
ただ、服用から30分以上経てば、お薬の成分が体内で吸収されている可能性が高いため、食事の内容はあまり気にしなくてよいでしょう。
なお、お薬の効果の持続時間が3~6時間程度と短めなので、食事時間が長くなりすぎないように注意しましょう。
ステンドラの副作用
どのようなお薬にも、効果の反面、副作用のリスクがあります。ステンドラの場合、血管を広げる作用によって、以下のような副作用が生じることがあります。
- 目の充血
- 視覚障害
- 動悸
- 血圧低下
- 頭痛
- 顔のほてり
- 鼻づまり
- 動悸
など
ただ、前述の通り、ステンドラは効果の持続時間がやや短めです。つまり、血管を広げる作用が続く時間も短めであり、副作用が生じても、すぐに気にならなくなることが多いです。
急激な視力低下が起こった場合も、すぐに眼科受診が必要です。非動脈炎性前部虚血性視神経症と言って、視神経に血液が届かなくなり、視神経の細胞の機能低下や壊死が起こっている恐れがあります。
その他に、長引く副作用や、気になる症状がある場合は医師に相談してください。
ステンドラの服用ができない方
以下のような方はステンドラの服用が禁止されています。
- ステンドラの成分にアレルギーがある
- 重度の肝機能障害、腎機能障害がある
- 人工透析を行っている
- 低血圧
- 高血圧
- 半年以内に、脳梗塞や心臓などの手術を受けた
- 心血管障害などがあり、性行為を行わないほうがよい方
- 白血病など、血液細胞に障害がある
ステンドラと併用できないお薬
以下のようなお薬は、ステンドラとの併用が禁止されています(禁忌)。
お薬の種類 | どのようなお薬か | 併用による影響 |
硝酸剤 | ・血管を広げるお薬・心臓の病気に使われることが多い | 降圧作用が強く出る恐れがある |
NO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硫酸イソソルビド) | ・一酸化窒素によって血管を広げるお薬・心臓の病気に使われることが多い | |
アミオダロン塩酸塩 | ・脈を整えるお薬・心臓の病気に使われることが多い | QTc延長作用(心拍リズムの異常)が強く現れる恐れがある |
CYP3A4阻害剤(アタザナビル、イトラコナゾール、インジナビル、クラリスロマイシン、ケトコナゾール、テリスロマイシン、ネファゾドン、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル) | ・CYP3A4という酵素を阻害するお薬・HIV治療薬、抗真菌薬などさまざまなお薬がある | ステンドラの代謝が遅くなり、副作用が強く現れる恐れがある |
また、以下のようなお薬や食べ物には注意が必要とされています。
お薬の種類 | どのようなお薬か | 併用による影響 |
CYP3A4阻害剤(アプレピタント、アンプレナビル、エリスロマイシン、シメチジン、ジルチアゼム、フォサンプレナビル、フルコナゾール、ベラパミル) | ・CYP3A4という酵素を阻害するお薬・HIV治療薬、皮膚感染や炎症に対するお薬など、さまざまなお薬がある | ステンドラの代謝が遅くなり、副作用が強く現れる恐れがある |
CYP3A4誘導剤(フェニトイン、フェノバルビタール、リファンピシン) | ・CYP3A4という酵素を阻害するお薬・抗てんかん薬、抗菌薬 | ステンドラの代謝が早くなり、ステンドラの効果が下がる恐れがある |
降圧剤、α遮断薬(アムロジビン、ドキサゾシンなど) | ・血圧を下げるお薬・α遮断薬は前立腺肥大症治療などにも使うお薬 | 降圧作用が強く出る恐れがある |
グレープフルーツ | グレープフルーツに含まれる成分によって、ステンドラの代謝が阻害され、副作用が強く現れる恐れがある |
併用によって体に悪影響が及ぶこともあるため、併用したいお薬がある場合は、必ず医師に相談してください。
ステンドラの入手方法
ステンドラは、病院で処方してもらいましょう。
まず、ステンドラは日本では承認されていないお薬で、市販もされていません。そのため、個人輸入という形で、通販で購入するというのが一つの方法です。
ただ、個人輸入にはリスクも多く、全く違う成分の入った偽物や粗悪品、日本人の体には合わない成分が配合されているものも存在します。このようなことから、副作用が出た時などにも、医療機関での対応が難しいケースが多いです。
そのため、ステンドラを扱っている病院を受診し、処方してもらうことが大事です。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
ステンドラに関するQ&A
最後に、ステンドラに関するよくある質問にお答えします。
ステンドラは有効成分が多すぎるのではないですか?
日本で承認されているバイアグラは25mgと50mg、レビトラ(バルデナフィル)やシアリスは5mg、10mg、20mgです。
一方、ステンドラは50mg、100mg、200mgなので、有効成分が多すぎると感じる方もいるかもしれません。
しかし、有効成分量が多いからと言って、ステンドラに強烈な効果が得られるわけではなく、また、強い副作用を心配する必要もありません。
ステンドラと他のED治療薬は併用できますか?
ステンドラと他のED治療薬の併用はやめましょう。ED治療薬を複数種類併用しても、効果が足し算されることはほぼありませんし、場合によっては低血圧などになってしまう恐れもあるためです。
糖尿病でもステンドラを飲めますか?
糖尿病の方も、ステンドラの服用は可能です。糖尿病でもEDに対して効果があったという臨床試験結果もあります。
ただし、糖尿病の方は通常よりも心血管疾患のリスクが高かったり、高血圧を併発していたりすることがあります。この場合は禁忌に当てはまり、服用ができません。
そのため、糖尿病などの持病がある場合は医師に相談したほうがよいでしょう。
ステンドラの服用前後にアルコールを飲んでもいいですか?
適量であれば飲酒は問題ありません。ただ、ステンドラによって血管が広がっており、普段より酔いやすいので注意しましょう。酔いすぎると勃起力や性行為にも影響するので、ほどほどを心がけてください。
クリニックフォアのオンラインED治療
クリニックフォアでは、オンラインでEDの診療、お薬の処方をしています。ステンドラの取り扱いを2024年6月20日よりスタートいたしました。また日本で承認されているバイアグラ、シアリス、レビトラの取り扱いがあります。
診察はスマホなどで受けていただき、お薬は配送するので、直接受診する時間がない方や、受診にハードルを感じる方でも治療を始めやすくなっています。お薬の定期配送もご用意しています。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※自由診療