バルデナフィル(レビトラジェネリック)とは?
バルデナフィル(レビトラジェネリック)はED治療薬であるレビトラのジェネリック医薬品です。
そもそもジェネリック(後発医薬品)とは、先発医薬品(レビトラ)の特許が切れた後、厚生労働省から製造承認を得て作られる薬です。
先発医薬品と同じ成分の薬のため、有効成分や効果・効能は先発医薬品と同じですが、開発費を削ることができ、先発医薬品よりも値段が安いという特徴があります。
レビトラの国内特許は満了し、現在3社がレビトラのジェネリックとしてバルデナフィル錠の製造承認を厚生労働省より取得して製造しています。
バルデナフィル(レビトラジェネリック)はどんな薬?
有効成分 | バルデナフィル |
認可 | 2020年に承認 |
効果・特徴 | ・即効性が高い(約15~30分) ・勃起力も強め ・持続時間は約8時間 |
作用機序 | 血管を広げて血流を増やし、勃起を促す |
食事などの影響 | ややあり |
飲み方 | 性行為をする1時間ほど前の空腹時に1錠飲む |
副作用 | ・バイアグラよりも出にくい ・ほてり、発疹、動悸、血圧異常、めまいなど |
価格 | ・1錠1,000~1,500円程度 |
バルデナフィルの種類
バルデナフィルには以下の3種類の薬があります。有効成分の含有量が同じであれば、効果効能や飲み方、副作用などは基本的に同じです。
- バルデナフィル錠10mg「サワイ」/バルデナフィル錠20mg「サワイ」
- バルデナフィル錠10mg「トーワ」/バルデナフィル錠20mg「トーワ」
- バルデナフィル錠5mg「FCI」/バルデナフィル錠10mg「FCI」
バルデナフィルの効果
先発医薬品とジェネリック医薬品は有効成分が同じなので、効果も基本的に同じです。ただし、ジェネリック医薬品は、飲みやすさなどを考え、添加物を追加したりコーティングの仕方を変えたり、独自に改良されているものもあり、これによって効果の出方が若干変わることがあるとされています。
バルデナフィルの効果の特徴は、勃起力・即効性ともに高く、性的興奮が生じた際に勃起をサポートするというものです。詳しく見ていきましょう。
勃起力・即効性ともに高い
日本で承認されているED治療薬は他にもありますが、バルデナフィルが勃起力が一番強く、硬さも出るとされています。ただし、硬くなりすぎて感度が鈍くなる場合があります。
また、即効性も最も高く、早いと15分ほどで効果を感じられる方もいます。これは、有効成分のバルデナフィルが水に溶けやすく、素早く体内に吸収されるためだと考えられています。さらに、効果の持続時間は8時間程度であり、バイアグラよりも長いです。
性的興奮が生じた際に勃起をサポートする
バルデナフィルは陰茎への血流を促進することで勃起させる薬です。性欲を増進させる薬ではなく、性的欲求、性的興奮が生じた際に、血流を促進させて勃起しやすくする薬なので、
薬を飲んだだけで勃起するわけではないことを知っておきましょう。
性的興奮がおさまれば効果もなくなりますが、薬の効果が続いている時間内であれば、再度性的興奮が生じれば勃起することも可能です。
効果のメカニズム
通常の勃起は以下のようなメカニズムで起こります。
- 性的な刺激を受ける
- ↓
- 神経を通じて陰茎に伝達される
- ↓
- 一酸化窒素が放出される
- ↓
- cGMPという物質が活性化する
- ↓
- 陰茎海綿体の平滑筋や血管がゆるむ
- ↓
- 血管に血液が流れやすくなり、その圧力で海綿体が膨張して勃起する
しかし、cGMPはPDE-5という酵素によって分解されてしまいます。バルデナフィルはPDE-5を阻害し、cGMPの活性が妨げられないようにする成分です。つまり、バルデナフィルはPDE-5を阻害することでスムーズに勃起状態に導き、その維持に貢献する薬です。また、前述の通り、性的な興奮や刺激がない限り勃起することはありません。
バルデナフィルの副作用
どんな薬でも、効果が期待できる一方で副作用が生じることがあります。バルデナフィルを飲むと血管が広がったり、平滑筋がゆるんだりするため、こういった作用によって副作用が生じることがあります。
主な副作用は、ほてり、発疹、動悸、血圧異常、めまいなどです。その他にも、頭痛、鼻づまり、消化不良、目や耳の異常など、さまざまな症状が生じることがありますが、通常は軽度です。
ただし、体質や併用する薬によって重症になることがあるので、「バルデナフィルが飲めない人もいる」の項に当てはまる場合は特に注意し、飲み方などについても医師の指示に従いましょう。
バルデナフィルの飲み方
バルデナフィルは、性行為の1時間ほど前に、1回1錠を水またはぬるま湯で飲みます。食後すぐに飲むと効果が低下することがあるので、空腹時か、食後2時間以上経ってから飲みましょう。
ED治療薬は、食事のタイミングや食事内容によって、十分な効果が発揮されないことがあります。バルデナフィルはバイアグラよりも食事の影響を受けにくいとされていますが、服用の直前や直後に脂っこいものを食べると、薬の成分が体に吸収されづらくなり、効果が出にくくなることがあるので注意してください。
さらに、バルデナフィルの服用前後にグレープフルーツを食べると、その成分によって体に悪影響が及ぶことがあります。グレープフルーツの成分は数日間体内に残るので、摂取しないようにしましょう。
また、次の服用までは24時間以上あける必要があるので守りましょう。
バルデナフィルの注意点
体質や持病、服用している薬によっては、バルデナフィルが飲めないことがあります。詳しくは以下の通りです。
バルデナフィルが飲めない方
- 以前バルデナフィルを使用していて過敏症が出た方
- ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル、アミオダロン塩酸塩(経口剤)、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤(リオシグアト)などの薬を投与中の方
- 重度の心血管障害がある方
- 重度の肝障害、腎障害がある方
- 低血圧の方(血圧が下50未満、上90未満)
- 治療によって管理されていない高血圧方(安静時収縮期血圧(上)170超または安静時拡張期血圧(下)100超)
- 網膜色素変性症の方
- 脳梗塞、脳出血、心筋梗塞の既往歴が最近6ヶ月以内にある方
服用に注意が必要な方
- 心臓、肝臓、腎臓の病気がある方
- 水虫の治療薬を使っている方
- 高齢者の方(65歳以上)
性行為自体が心臓へのリスクを伴う行為なので、心臓の状態によって性行為が望ましくないと考えられる方に対しては、バルデナフィルの処方もできない場合があります。また、肝障害(中等度)がある方や65歳以上の方は、薬の血中濃度が高まることがあり、作用が強く出すぎたり、体に悪影響を及ぼしたりする可能性があるため、使えるのは10㎎までとなっています。
水虫の治療薬の中には、併用禁忌となるものもあるため、使用している薬がある場合は医師に伝えましょう。
併用できない薬
以下の薬はバルデナフィルと併用できません。服用中の場合は医師に相談してください。
- ニトログリセリン
- 亜硝酸アミル
- 硝酸イソソルビド
- ニコランジル
- アミオダロン
- リオシグアト(アデムパス)
- リトナビル
- ノービア
- インジナビル
- クリキシバン
- アタザナビル
- ホスアンプレナビル
- サキナビルメシル酸塩
- イトラコナゾール
- テラプレビル
- ダルナビル
- コビシスタット
- キニジン
- プロカインアミド
併用に注意が必要な薬
以下の薬はバルデナフィルとの併用に注意が必要です。
- マクロライド系抗生物質
- ビカルタミド
- リファンピシン
- カルペリチド
- α遮断薬(テラゾシン、タムスロシンなど)
上記に当てはまらなくても、常用している薬がある場合は医師に伝えるとよいでしょう。
バルデナフィルを処方してもらう方法
バルデナフィルを処方してもらう場合は、必ず医療機関を受診しましょう。ネット通販などの利用にはリスクがあるので注意してください。詳しくは以下の通りです。
医療機関を受診する
バルデナフィルは医師の処方箋がないと入手できない薬です。正規品を適切に処方してもらうためにも、必ず医療機関を受診しましょう。
ネット通販などを利用しない
ネット通販で、バルデナフィルや先発品のレビトラが販売されていることがあります。しかし、日本で承認された正規品は医師の処方箋がないと入手できないので、通販で売られているものは、海外製品などを個人輸入して販売しているケースが多いです。偽物や粗悪品が流通しているケースも実際に確認されており、健康を害するリスクもあります。
また、レビトラの正規品が生産中止になったことで需要が高まり、偽造品や粗悪品、製造期限の切れたものの流通が増える可能性が考えられるため、絶対に購入しないでください。ネット通販を利用した海外製品の個人輸入に対しては、厚生労働省からも注意喚起がなされています。
バルデナフィルの価格
バルデナフィルは基本的に保険適用外となるため、クリニックによって値段が異なります。相場は1錠あたり1,000~1,500円程度です。
ジェネリックは先発品よりも安価なのが特徴です。薬の開発には多くの費用がかかるため、先発品は開発にかかった費用が上乗せされて価格設定されていることが通常ですが、ジェネリックは効果や安全性の検証が済んでいる成分が使われるため、開発費用が少なく、薬も安価になるのです。
クリニックフォアでは自由診療で処方を行っています。金額は、10㎎は1,247円~、20㎎は1,327円~となっています。