【食事療法】高尿酸血症患者さんの食事のポイント
高尿酸血症と診断されている場合は、食事療法が必要となります。
ポイントは以下の通りです。
- エネルギーの摂取量に気を付ける
- プリン体を過剰摂取しない
- 尿酸値を高める食べ物を過剰摂取しない
- アルコールを過剰摂取しない
- 水を飲む
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
エネルギーの摂取量に気を付ける
BMIや体脂肪率が上昇すると、尿酸値も上昇するとされています。さらに、肥満が高尿酸血症につながることもあるため、エネルギーの過剰摂取を控えることが大事です。
適正なエネルギー量は、以下のような計算から導くことができます。
【1日あたりの適正なエネルギー量】
標準体重(㎏)*×25~35kcal**
*標準体重 =身長(m)×身長(m)×22
**活動量によって異なる。デスクワーク中心であれば25kcal、力仕事が多い場合は35kcalを目安とする。
(参考)
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001086/4/hyperuricemia_and_gout_digest.pdf
肥満を予防する食べ方
肥満を予防するためには、量だけでなく食べ方も重要です。夜遅くに食べる、寝る直前に食べる、早食いといった食べ方を避けましょう。
また、1日3食規則正しく食べることも大切です。主食、主菜、副菜をそろえて栄養バランスのよい食事を心がけてください。
プリン体を過剰摂取しない
尿酸はプリン体からつくられるため、プリン体の過剰摂取は尿酸値上昇や痛風発作につながります。
なお、1日のプリン体摂取量は400㎎程度が推奨されています。
【プリン体が多く含まれる食べ物】
食べ物 | 100mgあたりの含有量 |
・鶏レバー・マイワシの干物・太刀魚・白子(フグ、タラ、イサキ)・あん肝(酒蒸し) など | 300㎎以上 |
・牛レバー・豚レバー・カツオ・マイワシ・マアジの干物・サンマの干物 など | 200~300㎎ |
・その他の肉類・その他の魚類・ブロッコリースプラウト など | 100~200㎎ |
ただし、上記のような食べ物には、良質なたんぱく質や、嬉しい栄養素が含まれているものも多いです。そのため、一切取らないのではなく、量を調節しながら上手に食べるのがよい
でしょう。
(参考)
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001086/4/hyperuricemia_and_gout_digest.pdf
調理方法にも工夫を
プリン体は水に溶けるため、煮る・ゆでるといった調理をすることで、食べ物に含まれるプリン体を減らすことができます。
ただし、煮汁にはプリン体が含まれているため、煮汁は飲まないようにしましょう。
尿酸値を高める食べ物を過剰摂取しない
プリン体以外にも尿酸値の上昇につながる食べ物があります。たとえば以下のようなものは、過剰摂取しないようにしましょう。
成分 | 代表的な食べ物 | 尿酸値への影響 | その他 |
果糖 | 果物 | 代謝するときにプリン体の分解が促進され、尿酸値が上がる | ショ糖を構成する成分でもある |
ショ糖 | 砂糖 | 過剰摂取すると痛風リスクが上がる | |
キシリトール | キシリトール配合の食べ物 | 代謝するときにプリン体の分解が促進され、尿酸値が上がる |
アルコールを過剰摂取しない
アルコールは、さまざまな面で高尿酸血症や痛風のリスクを高めるものです。
まず、アルコールを代謝する際に、肝臓ではATPという物質が消費されます。これによってプリン体が増え、結果として尿酸も増えるのです。
また、アルコールの過剰摂取によって腎臓の機能が下がり、尿酸が排出されづらくなるため、さらに尿酸の濃度が高まる悪循環となります。
さらに、アルコール摂取量の増加に伴い、痛風のリスクも高まるとされています。
そして、そもそもアルコール自体にもプリン体が含まれるので、過剰摂取は控えましょう。
【尿酸値への影響を最小限にするためのアルコール摂取量の目安(1日あたり)】
- 日本酒:1合まで
- ビール:350~500mlまで(銘柄によって異なる)
- ウイスキー:60mlまで
- ワイン:148mlまで
(参考)
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001086/4/hyperuricemia_and_gout_digest.pdf
水を飲む
尿酸をしっかり排出するために、1日2~2.5リットル程度の水分をしっかりとることが大事だと言われています。
ジュースは糖分の摂りすぎにつながるため、水を飲むのがおすすめです。緑茶は健康にもよさそうですが、その成分によって尿路結石の原因となることがあるので注意しましょう。
また、水分は一気にとるのではなく、こまめに取るのがポイントです。以下のような、のどがかわいたり水分をとっておいたほうがよいタイミングで意識して飲みましょう。
- 起床時
- 空腹時
- 入浴前後
- 就寝前
- 運動前後
- 暑い時
- 汗をかいたとき
- お酒を飲んだ時 など
なお、腎臓に異常がある場合は、水分の摂りすぎが体に悪影響となることがあるので、医師の指示に従いましょう。
(参考)
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001086/4/hyperuricemia_and_gout_digest.pdf
高尿酸血症・痛風の予防・改善によい食べ物とは?
ここまでは、高尿酸血症患者さんが一般的に取り組む食事療法について解説してきました。ここからは、予防や、プラスαの対策として知っておくべきことをご紹介します。
まず、以下の食べ物や成分は、尿酸値や痛風リスクの低下につながるといわれています。
- コーヒー
- さくらんぼ
- ビタミンC
- 乳製品(特に低脂肪のもの)
- 食物繊維
食べすぎは逆に健康に悪影響となることがあるので注意が必要ですが、時折取り入れてみてもいいのではないでしょうか。
尿酸値を下げる食事スタイル
尿酸値を下げる食事スタイルとして「DASH食」や「地中海食」の有効性も示唆されています。それぞれの特徴は以下の通りです。
- DASH食:野菜、果物、ナッツ、低脂肪乳製品、全粒穀物、鞘豆類(枝豆、えんどう豆など)を多く摂り、食塩、甘味飲料、肉類を減らす
- 地中海食:野菜、果物、ナッツ、乳製品、全粒穀物、豆類を毎日、魚を週2回程度食べ、甘いもの、菓子類、肉類を減らす
尿路結石予防のための食べ物とは?
高尿酸血症を気にしている方は、せっかくなので、尿路結石にも注意するとよいでしょう。高尿酸血症の代表的な合併症である尿路結石は、尿酸が結晶化し、尿の通り道で石状になったものです。
尿路結石を予防するためには、水をしっかり飲むことと、尿のアルカリ化が大事です。尿をアルカリ化するには、クエン酸などの有機酸が含まれる、以下のような食べ物をとるとよいとされています。
- ひじき
- わかめ
- 昆布
- 干しシイタケ
- 大豆
- ほうれん草
- ごぼう
- さつまいも など
高尿酸血症改善のためには生活習慣の見直しを!
高尿酸血症を改善するには、食事だけでなく、適度な運動も大事です。また、ストレスや睡眠不足も、高尿酸血症や痛風の原因となるため注意しましょう。
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健康診断で尿酸値の異常を指摘された方も、すでに高尿酸血症の治療中という方も受診をご検討ください。