高尿酸血症の対処法
高尿酸血症の疑いがある場合は、まず医療機関を受診し、必要に応じて治療(生活習慣の改善や薬物療法)を行う必要があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。
まずは医療機関で治療を受ける
高尿酸血症と診断されたら、医療機関で、医師の指示に従って治療を進めることが大事です。また、健康診断で高尿酸血症と指摘された場合もすぐに受診しましょう。
通常は内科に行けばよいですが、痛み(痛風)が生じている場合は、整形外科も選択肢となります。
なお、治療では、まず生活習慣の改善を行うことが一般的です。それでも効果が出ない場合や、尿酸値、合併症の有無によっては薬物療法を検討します。
生活習慣の改善
ここからは、まず生活習慣の改善について解説します。
高尿酸血症の原因の多くは生活習慣と考えられているため、治療では、食事療法を中心に、飲酒制限、運動を行うことが基本です。また、ストレスを溜めないことも大事だと言われています。
なお、生活習慣の改善は継続することが重要。尿酸値が少し良くなったからといって生活習慣を元に戻してしまうと、尿酸値が元に戻る可能性が高いためです。
食事療法
食事は、高尿酸血症の大きな原因です。そのため食事療法は、生活習慣改善において大きなウエイトを占めます。
具体的には、以下のような点に気をつける必要があります。
- エネルギー摂取量を適正にする
- プリン体をとりすぎない
- 果糖をとりすぎない
- 水をしっかり飲む
飲酒制限
アルコールは、さまざまな理由で尿酸値を高めるため、飲酒制限も必要です。よく、「痛風の原因はビールの飲みすぎ」と言いますが、ビール以外のアルコールも制限が必要です。
【尿酸値への影響を最小限に押さえたい場合のアルコールの目安摂取量】
- 日本酒:1合/日まで
- ビール:350~500ml(銘柄によって異なる)/日まで
- ウイスキー:60ml/日まで
- ワイン:148ml/日まで
なお、アルコールが尿酸値を高める理由として、以下のようなものが挙げられます。
- アルコールはプリン体含有量が多い
- アルコールを代謝する際に、肝臓でATPという物質が消費されることでプリン体が増える
- 腎臓の機能が低下し、尿酸を排出しにくくなる
(参考)
https://minds.jcqhc.or.jp/docs/gl_pdf/G0001086/4/hyperuricemia_and_gout_digest.pdf
運動
肥満は高尿酸血症の原因になると言われています。そのため、肥満予防・改善のために、運動も必要です。
ただし、無理することはありません。ウォーキングなどの軽い有酸素性運動を行いましょう。短距離走やきつい筋トレのような無酸素運動をすると、かえって尿酸が産生されやすくなり、排出も低下するので注意が必要です。
薬物療法
生活習慣の改善で効果が出ない場合や、尿酸の数値、合併症の有無によっては薬物療法を検討します。
薬の種類としては、プリン体が尿酸となるのを防ぐ薬(尿酸生成抑制薬)と、プリン体が尿中に排出されるのを促進する薬(尿酸排泄促進薬)があり、高尿酸血症のタイプによって使い分けます。
また、尿酸が結晶化して尿路結石になることを防ぐために、尿をアルカリ化する薬が処方されることもあります。
なお、薬物療法を行っているときも、絶えず適切な生活習慣を心がける必要があります。薬だけに頼るのはやめましょう。
薬物療法が行われるケース
- 生活習慣の改善だけで効果が見られない
- 痛風を発症したことがある
- なんらかの合併症がある
- 尿酸値が9.0mg/dL以上
(参考)
https://www.skk-net.com/health/illness/03/index02.html
痛風の予防法
高尿酸血症になったら、最も気になることはやはり痛風についてでしょう。痛風を予防するためには、高尿酸血症の治療をしっかり受けることが大事です。生活習慣の改善に努め、薬は指示通り飲みましょう。
また、尿酸の濃度を上げないためにも、尿から尿酸を排出するためにも、水をしっかり飲むことが大事です。
さらに、高尿酸血症の方が激しい運動をすると、一時的に尿酸の濃度が上がり、痛風を発症しやすいので注意してください。
痛風の対処法
痛風になったら早めに受診してください。痛風発作治療薬で痛みや腫れを解消し、それから高尿酸血症の治療(尿酸値を下げる薬の服用)を始めることになります。
なお、痛風の痛みは24時間頃がピークとなり、2~3日続くことが一般的。1週間もすると痛みがすっかり消えてしまいます。しかし、痛みがないからといって痛風や高尿酸血症が完治したわけではありません。尿酸値が高いままではいずれ痛風が再発し、繰り返す可能性が高いです。
また、痛風を放置し続けると、痛風が起きる間隔が頻繁になっていき、常に痛みを感じるようになるケースもあります。繰り返し炎症が起きる部分では、骨や関節の変形や破壊が生じることもあるため、痛みが治まったとしても必ず受診してください。
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健康診断で尿酸値の異常を指摘された方も、すでに高尿酸血症の治療中という方も受診をご検討ください。