むくみに効果が期待できる漢方薬とは?むくみの特徴やお悩みごとに徹底解説!

夕方になるとむくみが目立つ、全体がむくんで太り気味…。痛みなどの症状はなくても、なんとなく気になるむくみ。治せるものなら治したいですよね。 この記事では、むくみに対して漢方薬の使用を検討している方に向けて、むくみの特徴別に効果が期待できる漢方薬や、漢方医学におけるむくみの考え方などについて詳しく解説します。

【むくみの特徴別】むくみに効果が期待できる漢方薬

太り気味の方のむくみ

水太りの方、下半身のむくみが気になる方:防已黄耆湯

防已黄耆湯(ボウイオウギトウ)は、防已(ぼうい・おおつづらふじという植物)、黄耆(おうぎ・きばなおうぎなどの植物)などを配合した漢方薬です。

余分な水分を取り除くため、水太りや、下半身のむくみが気になる場合に適しています。

  • 効果が期待できる症状・病気:むくみ、肥満症、腎炎、ネフローゼ、妊娠腎、陰嚢水腫、関節炎、癰(よう)・せつ(いずれもできもののようなもの)、筋炎、皮膚病、多汗症、月経不順

肥満や便秘のある方のむくみ:防風通聖散

防風通聖散(ボウフウツウショウサン)は、防風(ぼうふう)というセリ科の植物を含む18種類の生薬を配合した漢方薬です。

体の熱を冷ましたり、水分循環を改善して便通をよくしたりする作用があるとされているため、肥満や便秘がある方に適しています。

  • 効果が期待できる症状・病気:むくみ、肥満症、便秘、高血圧の随伴症状(どうき、肩こり、のぼせ)

冷えを伴うむくみ:当帰芍薬散

当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)は、婦人科三大処方に数えられる漢方薬で、生理不順や冷えなどの女性のさまざまな悩みに効果が期待できます。

血行をよくして水分代謝を整え、余分な水分も取り除く効果が期待でき、手足や顔のむくみが気になる場合にもよいとされています。

  • 効果が期待できる症状・病気:妊娠中の諸病(むくみ、習慣性流産、痔、腹痛)、貧血、倦怠感、更年期障害(頭重、頭痛、めまい、肩こり等)、月経不順、月経困難、不妊症、動悸、慢性腎炎、脚気、半身不随、心臓弁膜症

飲酒後のむくみ:五苓散

五苓散(ゴレイサン)は、二日酔いに対してよく使われる漢方薬です。

体の働きを高め、余分な水分を体外に出すことで、むくみをはじめ、飲酒後のさまざまな症状に効果が期待できます。口の渇きや、天候による体調の変動がある方にもよいとされています。

  • 効果が期待できる症状・病気:むくみ、二日酔い、水様性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり、頭痛

胃腸トラブルがある方のむくみ

胃腸炎や下痢があるとき:柴苓湯

柴苓湯(サイレイトウ)は、五苓散と、免疫機能を調整して炎症を和らげる小柴胡湯(ショウサイコトウ)を合わせた漢方薬です。体内の水分の循環を改善し、余計な水分を取り除く働きがあるとされており、胃腸炎などにも効果が期待できます。

  • 効果が期待できる症状・病気:むくみ、水瀉性下痢、急性胃腸炎、暑気あたり

虚弱体質の方:真武湯

真武湯(シンブトウ)は、胃腸の症状などに使われることがある漢方薬です。高齢者や虚弱体質の方に使われることが多いです。

身体をあたためるほか、体内の水分代謝の停滞(水滞)などを改善するため、むくみにも効果が期待できます。

  • 効果が期待できる症状・病気:胃腸疾患、胃腸虚弱症、慢性腸炎、消化不良、胃アトニー症、胃下垂症、ネフローゼ、腹膜炎、脳溢血、脊髄疾患による運動ならびに知覚麻痺、神経衰弱、高血圧症、心臓弁膜症、心不全で心悸亢進、半身不随、リウマチ、老人性そう痒症

排尿トラブルがある方のむくみ

むくみは余分な水分が体にたまって現れるものなので、排尿トラブルとも密接な関係があります。排尿トラブルとむくみが気になる方に適している漢方薬を見ていきましょう。

排尿トラブルやむくみがある:猪苓湯

猪苓湯(チョレイトウ)は排尿トラブルによく使われる漢方薬です。尿を増やして悪いものを洗い流す力を高めるとされています。

  • 効果が期待できる症状・病気:腰以下の浮腫むくみ、残尿感、排尿痛、血尿、尿道炎、腎臓炎、腎石症、淋炎、下痢

足腰の痛みや排尿トラブル・むくみがある:八味地黄丸

八味地黄丸(ハチミジオウガン)は、体を温め、体全体の機能低下を改善するとされる漢方薬です。

体力が中等度以下の方が使うことが一般的であり、疲れやすく、四肢が冷えやすく、尿の量が多いまたは少ない、そして口の渇きがあるような方に適しています。

  • 効果が期待できる症状・病気:排尿困難、頻尿、むくみ、下肢痛、腰痛、しびれ、お年寄りのかすみ目、かゆみ

むくみの原因・メカニズム

そもそもむくみとは、体内の水分がきちんと回収されず、細胞と細胞の間にたまっている状態のことです。

考えられる原因として、以下のようなものがあります。

  • 水分・塩分の摂りすぎ
  • 長時間同じ体勢でいる
  • 飲酒
  • 筋力低下

これらの原因でむくむ理由は以下の通りです。

  • 塩分を摂り過ぎると、体内の塩分濃度を調整するために水分をためこもうとする
  • 長時間立ちっぱなし、座りっぱなしというような場合は、血液やリンパ液の流れが悪化する
  • 飲酒をすると血管の中の水分が増え、血管の外にしみ出しやすくなる
  • 筋力が低下すると、血液やリンパ液の循環に必要なポンプ機能も低下する

漢方におけるむくみの考え方

漢方において、むくみの原因は「水の停滞」や「脾・肺・腎の機能低下」だと考えられています。詳しく見ていきましょう。

水の停滞

漢方では、体は「気・血・水」の3つの要素で構成されていると考えられています。水(すい)は、血液以外の体液のことを指し、これが停滞するとむくみが起きるとされているのです。

また、気(き・エネルギー源のようなもの)の不足も関係することがあるとされています。

脾・肺・腎の機能低下

漢方には、五臓という考え方もあります。五臓は、体内のさまざまな機能や臓器を、「肝・心・脾・肺・腎」の5つに分けたものです。

このうち、脾(消化吸収のコントロール)肺(呼吸や水分循環のコントロール)、腎(水分代謝全般のコントロール、生命力の貯蔵)の機能が低下することも、むくみにつながると考えられています。

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