この症状、もしかして子宮筋腫? 簡単セルフチェック
まずは子宮筋腫の可能性について、セルフチェックをしてみましょう。当てはまる項目が多い人は、子宮筋腫の可能性に注意しましょう。
<チェック項目>
- 貧血がある
- 月経時の出血が多い
- 月経時にレバーのような血のかたまりが出ることがある
- 月経でもないのに出血することがある
- 下腹部痛を感じることがある
- 頻尿・尿漏れなどがある
- 妊娠を希望しているのに、なかなか妊娠しない
子宮筋腫とは?
子宮筋腫は20代や30代など、若い世代の人にも発生する病気です。しかし特に20代などの、婦人科検診を受ける機会がまだあまりない世代の人などは、どのような病気なのかイメージしにくい人もいるでしょう。そこでまずは、子宮筋腫の原因や症状について紹介します。
子宮にできる良性腫瘍のこと
子宮筋腫とは、子宮の筋肉に発生する良性腫瘍のこと。明確な原因は解明されていませんが、女性ホルモンの影響により大きくなるとされています。
子宮筋腫は20~40代にかけて発生しやすく、大きくなる傾向にありますが、閉経を迎えると小さくなります。
子宮筋腫によって起こる症状
子宮筋腫の代表的な症状は、月経痛、下腹部痛、腹部のしこり、貧血、頻尿、腰痛などがあります。また1回の出血量が異常に多い過多月経や、出血期間が長い過長月経などの症状がある場合も。過多月経の目安としては経血量が150ml/回以上で、イメージとしてはナプキンを1時間未満で交換する必要があるほどです。過長月経については、月経が8日以上継続している状態を指します。
筋腫が出来る部位や数・大きさなどによって、子宮筋腫の症状は以下のようにさまざまです。
<子宮筋腫の発生部位とその症状>
位置 | よく見られる症状 |
筋層内筋腫 | 過多月経・貧血 |
漿膜下(しょうまくか)筋腫 | ほとんどは無症状、筋腫サイズが大きい場合は疼痛・頻尿・便秘を引き起こすことあり |
粘膜下筋腫 | 過多月経・貧血・不正出血 |
子宮筋腫の検査&治療方法をチェック
筋腫が小さく、自覚症状も特にない場合は、積極的な治療はせずに経過を観察する場合があります。一方治療をする場合には、大きく薬物療法と手術療法の2種類があります。ここでは、検査方法や治療方法などについて紹介します。
子宮筋腫の検査方法
子宮筋腫の検査は、内診や経腟超音波検査などで行います。これによって、筋腫が発生している部位や大きさをある程度把握できます。
もしも筋腫が大きくなり続ける場合には、悪性腫瘍を疑い、MRI検査を行う場合も。検査は1回きりではなく、その大きさや状態を確認するために、数カ月~1年おきなど定期的に行うこともあります。
子宮筋腫の治療① 薬物治療
下腹部痛や月経痛が強いなど、日常生活に支障をきたすほど症状が強い場合や、大きさなどにより治療の必要性がある場合は、まず薬物治療を行うことが多いです。薬物治療はホルモン剤の内服や注射、点鼻薬などによって行います。治療法は以下の通りです。
<薬物治療法>
- GnRHアゴニスト(注射、点鼻)
- GnRH受容体拮抗薬(内服)
- 低用量ピル
ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)アゴニストは、体内で分泌されるホルモンを人工的に合成したものです。女性ホルモンの分泌を抑えるように働くことで、子宮筋腫を小さくする作用があります。また、機序は異なりますがGnRH受容体拮抗薬も、同じように子宮筋腫を小さくさせる薬です。
子宮筋腫の治療② 手術療法
妊娠などを希望しない人を含め、以下のような人には手術治療を行うこともあります。
<手術対象となる人>
- 筋腫が大きくなるスピードが早い
- 薬剤による治療をしても出血が続いたり、再発を繰り返す
- 痛みが強い、または痛みが続く
- 大きな筋腫が頻尿や便秘、性交痛、尿路をふさぐなどの問題を起こしている
- 筋腫が不妊症や繰り返す流産の原因になっている
手術治療を行う際には、以下のような方法があります。
<手術治療>
- 子宮摘出手術
- 筋腫核出手術
- 子宮動脈塞栓術(カテーテル治療)
妊娠中に子宮筋腫があると分かった! 胎児への影響は?
子宮筋腫がある人の中には、妊娠中の妊婦検診時などで初めて発見されることも多いようです。このような場合、妊娠は継続できるのか、また胎児に悪い影響はないかなど、不安に感じる人もいますよね。
子宮筋腫は妊娠に特に影響を与えないことも多いですが、なかには流産や早産など、妊娠継続や分娩時のリスクにつながる場合もあります。また、妊娠中に子宮筋腫が発見された場合、特に処置などはせずに経過観察となるケースが多いです。
安心して出産にのぞむためにも、また子宮筋腫だけでなく、さまざまな異常の早期発見や対処ができるように、妊娠中は妊婦検診をしっかりと受けることが大切です。
子宮筋腫の可能性がある人は、まずは医師によるチェックを
子宮の筋肉にできる子宮筋腫の症状は、無症状の人を始め、過多月経・過長月経、下腹部痛など人によってさまざま。治療法は人によりますが経過観察する人も多く、妊娠中に子宮筋腫が発見された場合でも、妊婦健診のついでに経過を見ていくことが多いです。
もしも子宮筋腫に該当するような症状や心当たりがある人は、まずはクリニックを受診し、症状を確認してもらいましょう。