生理が来ない。これはストレスが原因?
まずは、ストレスと生理の関係についてご紹介します。強いストレスを受けると、脳からストレスホルモンと呼ばれる副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモンが分泌されます。このホルモンには、食欲抑制、睡眠抑制の他に、性腺刺激ホルモン放出ホルモンの分泌を抑制する作用があります。そのため、強いストレスを受けると、卵巣からのエストロゲン、プロゲステロンの分泌が抑制され、生理の遅れにつながります。
ストレスと聞くと嫌なことを思い浮かべるかもしれません。しかし、楽しいイベントでも、日常と異なる生活リズムを送ることでストレスとなることがあります。ただし、生理がこない理由はストレス以外にも、下垂体や卵巣の異常、体重の増減などが考えられます。
さらに、生理予定日を過ぎても生理が来ないという場合には妊娠をしているということも考えられます。ですので、生理予定日を1週間以上過ぎても生理が来ないという場合にはストレスを疑うだけでなく、妊娠も疑い、検査をされることをおすすめします。
月経不順は治る?
月経の悩みで一番多いのが「月経不順」。
つまり、規則正しく月経が来ないというものです。初潮からずっと月経不順という方もいらっしゃれば、受験や就職などをきっかけに数ヶ月間だけ一時的に不規則になったり、閉経が近づく40歳代の後半頃から急に不規則になる方など、特に婦人科系の病気などがなくても生理不順になる方は大勢いらっしゃいます。
このような場合には、低用量ピルを服用することで生理周期をぴったり揃えることが可能です。
生理が終わらない時はどうすればいいの?
月経による出血期間は3~7日ほどといわれており、これを超えると生理が長いという扱いとなります。生理が長引く、なかなか終わらないという場合のことを過長月経といいます。過長月経の場合、ストレスよりも排卵異常や子宮筋腫などの疾患に伴うことが多いので、疾患に対する治療を行うことで改善される可能性があります。月経が長引いて気になるという方はまずは婦人科へ相談されることをおすすめします。
過長月経とは逆に、出血期間が2日以内に終わってしまうことを過短月経といいます。過短月経はホルモンの異常や子宮の発育不全、子宮の癒着などが原因として考えられます。ですので生理がなかなか終わらなくて不安という方だけでなく、生理が早く終わる、生理の出血が少量であるという方も婦人科で検査を受けられた方がよいでしょう。
子宮の痛みはストレスによるもの?
生理のたびに生理痛が強く、日常生活に支障をきたしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。生理による子宮の痛みはストレスに関係するのでしょうか。
生理は、子宮の内膜が剥がれ、プロスタグランディンの作用により子宮が収縮して体外に排出されて起こります。この、生理に伴う子宮の収縮が痛みの原因です。何らかの原因によりプロスタグランジンの量が多いと、子宮が過剰に収縮して生理痛が強くなると言われています。
また、強いストレスを受けると、ホルモンや自律神経のバランスが乱れたり血行不良に陥りやすくなり、通常よりも生理痛が強くなることがあります。したがって生理痛はストレスも関係しているといえるのです。
また、他にも生理のたびに痛みで日常生活に支障をきたすという場合には月経困難症という症状であることが考えられます。
月経困難症とは、下腹部痛など腹部の痛みを主症状とする症状で、月経困難症の原因となる疾患がない器質性月経困難症と、月経困難症の原因となる疾患が明確な続発性月経困難症に分類されます。自分の生理痛が月経困難症であるかどうか、また、月経困難症であった場合にどちらのタイプであるかは、素人では判断がつかず、婦人科などで精密な検査を受けることで分かります。
生理痛がひどいという方はストレスを減らすということはもちろんですが、月経困難症の原因となるような病気が隠れていないか、婦人科で検査を受けることがおすすめです。
隠れた病気に注意!セルフチェック方法は?
生理不順がストレスによるものだけでなく、実は病気が隠れているという可能性があります。ここで、生理不順がストレスのせいによるものか、病気によるものかをセルフチェックしてみましょう。
病気の可能性が潜んでいる、注意しておきたい症状は以下のような状態になります。
- 日常生活に支障をきたし、日常生活が困難なほど痛みが強い
- ナプキンを1時間おきに替えなければならないほど出血量が多い
- 月経以外の時期にも出血がみられる
もしこれらのような症状があった場合には早急に対策をとることが必要となります。早めに婦人科を受診して検査を受けられることをおすすめします。