カンジダの潜伏期間は?検査・治療のタイミングも解説!

カンジダ(カンジダ症)は、カンジダ属の真菌(カビ)によって発症する病気です。性感染症のひとつでもあります。

カンジダは主に性器に発症することが多く、膣カンジダ症や陰茎カンジダ症と呼ばれます。しかし、カンジダは健康な人でも皮膚や粘膜に存在する常在菌であり、一般的な感染症のように、単純に「感染→潜伏期間→発症」となるわけではありません。

この記事では、カンジダがどのように発症するのかも含め、潜伏期間について詳しく解説します。

カンジダ症の潜伏期間は1日~1週間程度

カンジダは、健康な人の皮膚、性器や口の中といった粘膜などにも普段から存在する常在菌です。そのため、厳密な潜伏期間はわかりません。

また、カンジダが存在するからといって、必ずカンジダ症を発症するわけではありません。カンジダ症は、カンジダの中でも「カンジダ・アルビカンス」という菌が増えることで発症するものです。カンジダ・アルビカンスが増殖すると、1日~1週間程度で発症するとされているため、この期間が潜伏期間とも言えるでしょう。

カンジダ・アルビカンスが増殖しても発症しないこともある

カンジダ・アルビカンスは、一旦増殖しても、通常は数日で減少します。しかし、免疫力の低下や、一部の薬の使用などによってカンジダ・アルビカンスが増殖し続けると、カンジダ症を発症するのです。

一方で、カンジダ・アルビカンスが増殖していても、何年も症状が出ずに潜伏期間が続くこともあります。

潜伏期間でもカンジダはうつる?

潜伏期間(カンジダ・アルビカンスが増殖しているが、症状がない状態)の性交渉でも、相手に感染することはあります。ただし、相手が健康であれば、たとえ菌がうつったとしても、通常は発症しないので問題ありません。

カンジダ症の感染経路・原因

カンジダ症は、自己感染が主な原因となります。つまり、別の感染者から菌をもらうのではなく、もともと自分の体に存在している菌が原因となるのです。

すでに説明した通り、カンジダは健康な人の粘膜や皮膚にも存在する常在菌であり、通常は保有していても症状は出ません。しかし、免疫力が低下したりすると、カンジダ・アルビカンスが異常に増殖し、発症することがあるのです。

カンジダの発症のきっかけとなるものとして、疲れやストレス、がんや糖尿病といった病気、体調不良、妊娠、ステロイドや抗生物質といった薬などが挙げられます。また、女性は生理の前後にもカンジダ・アルビカンスが増殖しやすくなるとされています。

性交渉による感染について

カンジダ症は性感染症に分類される病気でもありますが、実は性交渉によって感染することはそこまで多くありません。外陰部や膣に発症するカンジダ症の原因が性交渉であるケースは5%程度という説もあります。

しかし、性器カンジダ症の症状がある状態で性交渉をすると、パートナーに感染させやすいとされています。そのため、症状があるときの性交渉は控えましょう。また、普段からコンドームをつけることが予防につながります。

ちなみに、男性の場合は、性交渉が終わったらシャワーなどで性器を十分に洗い流すことで、感染予防につながるケースがあるともいわれています。

カンジダ症の症状

カンジダ症を発症した場合、どのような症状が出るのでしょうか。ここでは、カンジダ症の中でも代表的な膣カンジダ症と、男性が発症することがある陰茎カンジダ症、尿道炎の症状を紹介します。

膣カンジダ症(女性)

外陰部に赤みや発疹が現れたり、強いかゆみや、ジンジンするような痛みを感じることがあります。また、おりものがカッテージチーズや酒粕のような、白くぽろぽろした状態になるのも特徴です。そのほかに、排尿するときや、性交の時に痛むこともあります。

陰茎カンジダ症・尿道炎(男性)

亀頭や陰茎の周囲に赤い発疹や白いカスが現れることがあります。軽い痛みやかゆみも生じることがあります。

また、尿道に感染した場合の症状としては、尿道のかゆみや違和感、尿道炎の症状(排尿や性交の際の痛みなど)などが挙げられます。

カンジダ症の潜伏期間中の検査と治療

潜伏期間中の検査について

潜伏期間中でも、感染から24時間以上経てば結果が出るため、検査が可能です。24時間よりも早いと、本来は陽性になるべき結果が陰性になることがあるので注意しましょう。

また、感染している場所によって検査の方法が変わります。男性は尿検査、女性は膣分泌物検査、皮膚に発症している場合は皮膚をこする検査といった内容で行うことが一般的です。

潜伏期間中の治療について

カンジダ症の治療には、抗真菌剤の軟膏や膣錠(坐薬のようなもので、膣に入れる薬)、飲み薬などを使います。また、陰部を清潔に保ち、通気性をよくするといったセルフケアも大事です。通気性のよい下着をつける、入浴後は陰部を濡れたままにしない、ムレを感じたらすぐに着替える、ナプキンをこまめに取り替えるなどのポイントを心がけましょう。

なお、カンジダは常在菌なので、菌が存在しているだけでは治療する必要はありません。そのため、潜伏期間中は治療が受けられない可能性が高いです。

クリニックフォアのオンライン診療でカンジダ症の治療を

クリニックフォアでは、カンジダ症の治療をオンライン診療で行っています。
外用薬や膣剤のほか、必要に応じてかゆみ止めも処方しています。
診察はパソコンやスマホで行い、薬は配送するので、時間がない方でも受診しやすくなっています。

参考文献

  1. 日本性感染症学会誌‐性感染症 診断・治療 ガイドライン 2016‐