梅毒の潜伏期間
梅毒の潜伏期間は約3~6週間とされています。なお、発症後にも潜伏期間があったり、HIV感染者は潜伏期間が短かったりするといった特徴もあります。詳しく見ていきましょう。
感染から発症までは3~6週間
梅毒に感染すると、3~6週間程度で発症するとされています。ただ、一般的には2~3週間程度で症状が出ることが多いようです。一方で、初期の症状は軽く、症状に気づかないこともあります。
発症後にも潜伏期間がある
梅毒は、発症後も症状のない時期(潜伏期間)を挟んで徐々に進行します。症状がない状態を「潜伏梅毒」などと呼びます。
梅毒の進行を、潜伏期間にフォーカスして詳しく見てみましょう。
第2期以降、潜伏期を挟んで再度第2期の症状が現れることがあり、その場合も潜伏梅毒と呼ばれます。
また、感染から1年以内の症状がない状態を「早期潜伏梅毒」、1年以上経過した後の症状がない状態を「後期潜伏梅毒」と呼びます。
無症候性梅毒のケースもある
感染後に無症状が続いている状態や、発症後の潜伏期間の状態を無症候性梅毒とも呼びます。じつは梅毒患者の多くは無症候梅毒のまま経過しているとされています。
HIV感染者は潜伏期間が短い
HIVに感染していると、免疫力が低下します。そのため、梅毒に感染すると、通常よりも潜伏期間が短くなります。さらに、HIV感染者は梅毒の進行が速く、重症化しやすく、治療効果も出づらいのが特徴です。
梅毒の治療効果が出ない場合はHIV感染を疑い、HIVの検査をすることもあります。
潜伏期間でも梅毒はうつる?
一口に潜伏期間といっても、うつるケースとうつらないケースがあります。たとえば、生涯潜伏状態にとどまる無症候梅毒や、感染後1年以上経った後の潜伏期間では、他の人にうつすリスクは非常に低いと考えられています。
一方で、潜伏期間の初期に粘膜や皮膚にただれの症状が出ることがあります。この場合、患部に触れるとうつる可能性が高いです。
梅毒の感染経路
梅毒は、基本的に、菌を排出している人(第1期、第2期の感染者)との性行為で、粘膜が触れ合ったときに感染することが多いです。まれに、キスによって口から口に感染したり、菌がたくさん付着したものを傷のある手で触ることで感染したりすることがあります。衣類や食器、カミソリなどから感染することもまれにあるようです。
輸血で感染することはほぼないとされていますが、第1期の潜伏期間の状態の人が緊急輸血をすることで、輸血された人が感染する可能性があるといわれています。
また、妊婦が感染していると、胎盤を通して胎児に感染し、先天梅毒になることがあります。
梅毒の症状
梅毒は以下のように4段階で進行しますが、現代では、第3期以降に進行することは非常に稀であるとされています。
第1期
感染後3週間ほどで、感染した場所に初期硬結(しこり)ができ、数日後にしこりの中心部に潰瘍ができます。その後、足の付け根あたりのリンパ節が硬く腫れます。これらの症状は2~3週間ほどで消失します。
第2期
感染後3ヶ月ほど経つと、皮膚や粘膜に発疹ができます。形や状態のタイプはさまざまです。さらに、脱毛が起きることもあります。これらの症状は3ヶ月~3年にわたって続きます。
このあと、感染が続いたまま、症状は自然と消えます。この状態を無症候梅毒と呼びます。しかし、再発を繰り返しながら第3期、第4期に進行することもあります。
第3期
感染後3年以上経過すると、皮下組織のゴム腫(ゴムのような腫れ)などができます。
第4期
感染後、おおむね10年以上経つと、大動脈炎や大動脈瘤、麻痺などが起き、心臓や脳にも影響が及ぶことがあります。場合によっては死に至ることもあります。
梅毒の潜伏期間中の検査と治療
潜伏期間中の検査について
梅毒は、潜伏期間中も検査が可能です。
ただし、検査のタイミングが早すぎると陰性となることがあります。正しい結果を得るためには、RPR抗体定量検査は感染後4週間以上、TP抗体検査は感染後2ヶ月以上経過している必要があります。
潜伏期間中の治療について
潜伏期間中でも、感染が確定すれば治療が始められます。治療では主にペニシリンという抗生物質を使います。使うのは飲み薬が中心ですが、必要に応じて注射や点滴を行うこともあります。
なお、感染期間が長くなると治療期間がかかったり、重症化のリスクが増加したりするため、早めに治療を受けることが大事です。
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クリニックフォアでは、さまざまな性感染症の治療を行っています。
梅毒は対面もしくはオンラインで検査・治療を行っています。治療内容は、内服薬の処方がメインとなります。
また、他の医療機関等で検査した結果がある場合は、結果をもとに治療することも可能なので、まずはご相談ください。
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