仕事で溜まるストレスの解消法とは?サプリメントの成分について、医師が解説します。

ストレスとは、「外部からの刺激などよって体の内部に生じる反応のこと」をいいます。
ストレスを溜め続けてしまうことで、病気になるなどさまざまなリスクを高めます。今回は日々溜まっているストレスとどのように向き合っていけばよいかについて考えていきます。

仕事や私生活でどんどん溜まるストレス。どんな解消方法がある?

仕事で溜まるストレスに対して厚生労働省が興味深いデータを挙げています。平成30年度のデータとなりますが、仕事においてストレスが溜まっていると回答した人は58.0%、つまり約半数の人が仕事においてストレスが溜まっていると回答しています。

ストレスが溜まっていると回答した方のうち年代別に見てみると特に30歳、40歳代の方でストレスが溜まっていると答えた方の割合が高く、働き盛りの年代でストレスをためている方が多いということが分かりました。

このうち、社員のストレスを改善するためにメンタルヘルスケアを行っているという会社は59.2%とこれまた約半数の会社が社員のストレスに着目し、社員がストレスを解消できるような対策をとっているという結果がでています。とはいえ仕事をしていたり、私生活の中でトラブルがあったりするとストレスはたまっていくものです。溜まっていくストレスに対してどのような解消方法があるのでしょうか。

ストレスの解消方法をご紹介する前に知っておいていただきたいのが、ストレスの解消法は人それぞれであるということです。なぜならばそもそも、ストレスを受けるかどうかも人それぞれだから、ということです。

次に、その他のストレス解消方法です。ストレス解消法は6つのタイプに分類することができます。

休息型

1つは休息型といい、心身の疲れをいやし、沈静化する方法です。休養を取る、リラックスする、眠る、ゆっくり入浴する、好きな音楽を聴く、自然の中でくつろぐことでストレスを解消することができます。

運動型

2つ目は運動型で、ストレスによって過剰に分泌された交感神経系ホルモンであるアドレナリンを筋肉活動で消費し、結果としてストレスを解消する方法です。運動でストレスを解消する場合には全身運動であり、かつ手軽に行えるもので長続きするものがおすすめです。

親交型

3つ目は親交型といい、前述した人に相談することを含む、人と関わることでストレスを解消する方法です。家族と団欒する、友人と食事やスポーツをする、友人とお茶やお酒を飲むなどがあります。

娯楽型

4つ目は娯楽型といい、快楽を追及することにより解消する方法です。お酒を飲む、おいしいものを食べる、ゲームやギャンブルを楽しむことでストレス解消につながります。

創作型

5つ目は創作型といい、何かを作ることでストレスが解消できるタイプです。具体的には絵を描く、音楽を演奏する、庭いじりをする、模型を作るなどあります。

転換型

6つ目は転換型といい、不快な気分を転換することでストレスを解消する方法で、旅行をする、部屋の模様替えをする、カラオケで歌う、買い物をする、などがあります。

ストレスを感じるときに摂取するサプリや成分は?

上記の方法よりもっと手軽にストレスを解消したい、サプリメントなどで手軽に解消できれば…と考える方も少なくないでしょう。

サプリメントを含む食品は医薬品とは異なり、身体への構造や機能への影響を表示することは原則認められていません(疾患に対する診断・治療・予防・軽減の表現は一切認められていません)。しかし、現実的には、世の中にまるで効果があるように謳われている成分が多く存在することは事実です。また、一部の成分は、たしかに海外では効能を謳うことを認めらる成分であったり、古くから民間療法で使用されており、間接的な効果が否定できないということも事実ではあります。

ストレス解消に効果的な成分には様々なものがあり、それぞれアプローチ法は違ってきます。ここではストレスに影響を与えると考えられている成分について説明いたします。

ただし、サプリメントはお薬と違って効果が明確になっているものでは有りません。あくまで健康を維持する補助的なものとしてご使用いただき、症状が強い場合は、きちんと医師の診療を受けることを強くおすすめ致します。

ビタミンC

ビタミンCは抗ストレスホルモンの合成に必要不可欠であるといわれています。これは動物実験では証明されており、ビタミンCが体内で合成できる動物たちはストレスがかかるとビタミンCの体内での生産量が2~10倍にまで増えるといわれています。

人間はビタミンCを体内で生産することができず、ストレスを受ければ受けるほど、抗ストレスホルモンの生成にビタミンCが使われていってしまいます。そのため、ストレスがかかるとビタミンCが消費されます。ビタミンCが減少していくと免疫力が低下し風邪をひくなど、身体にも影響を及ぼすと言われています。

そのため、ビタミンCはたくさん摂っておきたいものですが、ビタミンCは水溶性ビタミンと言い、体内で貯蓄しておくことができず尿などで排泄されてしまいます。ですので、一気にたくさんのビタミンをとって体内にためておくと考えるのではなく毎日コツコツと摂取していくことが必要です。

GABA

GABAが入っているチョコレートなどさまざまなグッズを見たことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。GABAは脳に存在する抑制系の神経伝達物質です。ストレスを和らげる効果があり、興奮した神経を落ち着かせるといわれています。GABAは脳神経からストレスを解消しリラックスすることができるというわけです。

特に寝る30分前にGABAを摂ることで、寝つきがよくなる、深く質の良い睡眠を保つ効果があるということが確認されています。ストレスで寝つきが悪いという方は寝る前にGABAを摂ってみてもよいかもしれません。

ムクナ

ムクナには、Lドーパという成分が含まれています。L-ドーパは、腸から吸収されて脳へ移動し、神経細胞に取り込まれてドーパミンとなる物質で、「テストステロン増加による男性機能向上」、「ストレスやうつの軽減」、「抗酸化作用 (老化に対する作用)」などが研究の結果として報告されており、パーキンソン病の薬としても使用されている物質です。

米国では、精力サプリや筋肉増強サプリとして謳われているケースも有り、体重、筋肉細胞増加、皮膚、シワ、髪、視力、記憶力、睡眠などの多くの「加齢」に立ち向かう研究結果が報告されています。

ただし、あくまでサプリメントのレベルであり、医学的に効果が証明されているものではないということはご理解ください。

アルギニン

アミノ酸群では、アルギニンがストレスに効果的であると考えられています。成長ホルモンの分泌を促進し、「筋肉増強」、「免疫機能の向上」、「血流改善」、「精神的・肉体的に強化」、「男性機能の改善」などの効果が期待されます。この他にL-テアニン、ラフマなどの成分も、ストレスに働きかけるが期待されています。