ピルはニキビに効果がある?種類・仕組み・期間を解説

「ピルって本当にニキビに効くのかな?」と疑問に思っている方はいませんか?
ピルがどのような仕組みでニキビに効果を発揮するのか、知りたい方も多いでしょう。
結論から言うと、低用量ピルは体内のホルモンバランスを一定に整え、皮脂分泌に関わる男性ホルモンの活性を抑えることで、ニキビの改善が期待できるお薬です[1]。
一方で、ピルに含まれる黄体ホルモンの種類によってはニキビが悪化するリスクもあるため、お薬選びが重要になります。
この記事では、ピルがニキビに作用する仕組みやニキビ対策に向いているピルの種類、効果が出るまでの期間などについて、ガイドラインや添付文書をもとに詳しく解説します。
ピルによるニキビ治療を検討している方は、ぜひ最後までお読みください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

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ピルがニキビに効果がある理由——ホルモンと皮脂の関係

生理前にニキビができる主な原因として、生理周期によるホルモンバランスの変化が皮脂分泌に影響することが挙げられます。

ここでは、生理前にニキビが増える仕組みや、ピルがニキビを改善する仕組み、ピルの服用が向いている方の特徴について詳しく解説します。

ピルの効果を正しく理解するために、まずはホルモンと皮脂の関係を確認しましょう。

生理前にニキビが増える理由

生理前にニキビが増えやすくなる主な原因は、月経周期に伴い皮脂分泌が増加することです。

排卵後から生理前にかけての「黄体期」には、黄体ホルモン(プロゲステロン)が増加し、エストロゲン(卵胞ホルモン)は相対的に低下します。

すると、皮脂分泌を促す男性ホルモン(アンドロゲン)の影響が強まり、皮脂が過剰分泌されて毛穴が詰まりやすい状態になります。

詰まった毛穴の中で皮脂が溜まったり、アクネ菌が増殖して炎症が起こったりすることで、ニキビが生じます[2][3]

また、エストロゲンには、肌の水分保持やバリア機能を保つ働きがあります[4]

生理前から月経中にかけてエストロゲンが低下すると、肌のバリア機能が低下しやすくなり、乾燥や外部刺激の影響を受けやすくなります。

こうした状態も、生理前にニキビができる一因です。

「毎月決まって生理前にニキビが出る」「あごや口周りに繰り返しできる」といった場合は、生理周期によるホルモン変動の影響を受けている可能性があります。

さらに、年齢を重ねてホルモンバランスの変動が大きくなる時期にも、「大人ニキビ」が繰り返しやすくなる傾向があります。

エストロゲンが減少すると相対的にアンドロゲンの影響を受けやすくなるためです。

女性はホルモンバランスの変動を受けて、ニキビができやすい時期があると認識しましょう。

ピルがニキビを改善する仕組み

ピルがニキビに効果を発揮するのは、体内のホルモンバランスを整える作用を持つためです。

ピルにはエストロゲンと黄体ホルモン(プロゲスチン)という2種類のホルモンが含まれており、服用中は体内で本来のホルモン分泌が抑えられます[5]

その結果、生理前でも皮脂が増加しにくくなり、ホルモンバランスの変動によるニキビが生じにくくなります。

また、エストロゲンが男性ホルモンの作用を抑えることも、ピルがニキビを改善する仕組みの一つです。

エストロゲンには性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の産生を促す作用があり、その結果として血中の遊離テストステロンが減少し、皮脂腺への男性ホルモンの作用が弱まるとされています[3]

これにより皮脂分泌が抑えられ、毛穴が詰まりにくくなると考えられています。

ニキビ改善の対象となる人・ならない人

ピルによるニキビ改善効果が期待できるのは、「ホルモンバランスの乱れが主な原因と考えられるニキビ」です。

とくに改善効果が期待しやすいとされているのは、以下のような方です。

  • 生理前に毎回ニキビが増える方
  • あご・口周り・フェイスライン・ほほに繰り返しニキビができる方
  • 皮脂の分泌が多いと感じる方

一方、ストレス・食生活・スキンケアの乱れ・細菌感染など、ホルモン以外の要因が主体のニキビに対しては、効果が限定的になる場合があるでしょう。

「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、低用量ピルはニキビ治療の選択肢のひとつとして位置づけられています[6]

ただし、第一選択薬ではなく、ほかの治療法で十分な効果が得られなかった場合に、医師との十分な話し合いのうえで検討するものとされています[6]

自分のニキビがホルモン由来かどうか判断に迷う場合は、皮膚科の医療機関に相談してみてください。

ニキビ改善に向いているピルの種類

「どのピルを選べばニキビに効果があるの?」という疑問をお持ちの方も多いでしょう。

ニキビ改善に向いているかどうかは、配合されている黄体ホルモンの種類によって大きく異なります。

ここでは、ニキビに選ばれやすいピルの特徴と、代表的な2種類のピルについて詳しく解説します。

ピルの種類を選ぶ際の参考にしてみてください。

ニキビに選ばれやすいピルの特徴——黄体ホルモンの種類が鍵

ニキビ改善を目的にピルを服用する場合、含まれる黄体ホルモンによっては効果が期待しにくいことがあります。

ピルの黄体ホルモン(プロゲステロン)には複数の種類があり、男性ホルモン(アンドロゲン)に似た作用の強さがそれぞれ異なるためです。

アンドロゲン活性が低い黄体ホルモンを含むピルほど、皮脂の過剰分泌を抑えやすくニキビ改善への効果が期待できるとされています。

ニキビ患者を対象にした研究によると、ドロスピレノン配合のピル(第4世代)は、他の黄体ホルモンを含むピルと比較して、ニキビ改善において有利にはたらく可能性が示唆されました[7]

一方で、レボノルゲストレルを含む第2世代ピルは、男性ホルモンに似た作用を持ち、体質によっては皮脂分泌が増えてニキビが悪化する可能性があります[8]

このように同じピルといっても、種類によってニキビ改善効果には違いがみられるため、ピルの種類選びは重要なポイントです。

体質によっても効果が変わる可能性があるため、ニキビの改善を目的としてピルを服用したい場合は、医師に相談したうえで選択しましょう。

マーベロン・ファボワール——デソゲストレル配合の第3世代ピル

マーベロンは第3世代の低用量ピルで、黄体ホルモン「デソゲストレル」を配合しています[8]

ファボワールはマーベロンのジェネリック医薬品であり、有効成分は同一です。

デソゲストレルは男性ホルモン受容体への結びつきが弱く、男性ホルモンに似た作用が少ないため、皮脂の過剰分泌を抑えやすいとされています[9]

この作用により、ファボワールやマーベロンは、ホルモンバランスの乱れによるニキビに効果を発揮する可能性があると考えられています。

ただし、マーベロン・ファボワールの添付文書上の適応は「避妊」で、ニキビ改善を目的とした処方は自由診療となる点に注意が必要です[8]

ヤーズ・ヤーズフレックス——ドロスピレノン配合の超低用量ピル

ヤーズ・ヤーズフレックスは、黄体ホルモン「ドロスピレノン」を配合した第4世代の超低用量ピルです[10][11]

ドロスピレノンは、男性ホルモンの活性を抑える作用を持つとされ、皮脂の過剰分泌を抑えることでニキビ改善効果が期待できると報告されています[12]

また、エストロゲンの配合量が少ない超低用量ピルであるため、吐き気や頭痛といったエストロゲンに関連した症状が比較的生じにくいのも特徴的です。

ただし、ヤーズの添付文書上の適応は「月経困難症」であり、添付文書には「避妊目的で使用しないこと」と明記されています[10]

ニキビ改善を目的として服用する場合は、基本的には自由診療となるため、医師に相談したうえで治療方針を検討しましょう。

ピルのニキビ改善効果はいつから出るか

「ピルを飲み始めたら、いつ頃ニキビが改善するの?」という疑問を持つ方は多いでしょう。

ピルによるニキビ改善は即効性のあるものではなく、肌のターンオーバーのサイクルと深く関係しています。

ここでは、効果があらわれるまでの目安、改善しない場合の対応、効果を高めるために意識したいポイントについて解説します。

治療を継続するための判断基準として参考にしてください。

目安は2〜3か月——ターンオーバーとホルモン変化が関係

ピルの服用を開始してからニキビへの効果があらわれるまでには、一般的に数か月程度の継続が必要とされています。

肌の細胞が生まれ変わる「ターンオーバー」は約4週間周期で進むため、目に見える形で肌の変化を実感するには、このサイクルを複数回経る必要があるためです。

加えて、ピルは男性ホルモン(アンドロゲン)を低下させることで皮脂分泌を抑える作用を持つため、ホルモン環境が安定するまでにも一定の期間を要します。

ピルによるニキビ治療は継続することで効果が高まる可能性が示されています。

まずは数か月を目安に服用を続けながら、定期的に医師と経過を確認しましょう。

3か月以上経っても改善しない場合の対応

3か月以上服用を続けてもニキビが改善しない・悪化が続く場合は、以下のような原因が考えられます。

  • ピルの種類が体質に合っていない

含まれる黄体ホルモンの種類がニキビ改善に向いていないケースがあり、種類を変更することで改善に向かう場合があります。

  • ニキビの原因がホルモン以外にある

ストレス・食生活・睡眠不足・スキンケアの乱れなどが主な原因の場合、ピルの効果は限定的になる可能性があります。皮膚科で原因を相談することも選択肢のひとつです。

  • ニキビ跡(炎症後色素沈着)や深い炎症がある

すでにできているニキビ跡や深い炎症にはピルが直接作用しないため、改善には皮膚科での別の治療が必要になる場合があります。

いずれの場合も、自己判断でお薬の服用を中止せず、まずは医師に相談することが大切です。

現在の状態を医師に伝えることで、より自分に合った治療法を検討してもらえるでしょう。

効果を高めるために日常生活で意識したいこと

ピルの服用と並行して日常生活の習慣を見直すことで、ニキビ改善の効果が高まりやすくなると考えられています[6]

ニキビ改善のためにピルを服用中の方は、以下のポイントをチェックしてみましょう。

  • スキンケア

1日2回の適切な洗顔を心がけ、毛穴を詰まらせにくい成分で作られたスキンケア製品を選ぶことで、毛穴詰まりのリスクを減らせる可能性があります。

  • 食生活

糖質や脂質に偏った食事を見直し、栄養バランスのよい食事を意識することが大切です。

  • 睡眠・ストレス管理

睡眠不足やストレスはホルモンバランスに影響を与える可能性があるため、十分な休息を取ることも重要です。

ピルの作用だけに頼るのではなく、生活習慣の改善を組み合わせることで、より安定した肌の状態を維持しやすくなるでしょう。

気になることがあれば、遠慮せずに医師に相談してみてください。

ピルでニキビが悪化する場合——原因と対処法

「ピルを飲み始めてからむしろニキビが増えた気がする」という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか?

ピルの種類や飲み始めのタイミングによっては一時的にニキビが悪化するケースがあり、その原因を知っておくことで冷静に対応できます。

ここでは、飲み始めの一時的な悪化・ピルの種類による悪化・ホルモン以外の原因による限界について詳しく解説します。

「悪化=ピルが合わない」と判断する前に、ぜひ確認してみてください。

飲み始めの一時的な悪化——ホルモン変化への適応過程

ピルを飲み始めたばかりの時期(とくに最初の数か月)は、体がホルモン変化に適応する過程で一時的にニキビが悪化することがあります。

これは体内のホルモン環境が切り替わる際に生じる一時的な反応であり、服用を続けることで安定してくるケースが多いとされています。

「飲み始めてから少し悪化したが、2シート目から改善してきた」という方もいるため、最初の数か月の変化だけで判断を急がないことが大切でしょう。

ただし、悪化の程度が強い場合や日常生活に支障が出るほどの症状がある場合は、自己判断で服用を継続せず医師に相談することをおすすめします。

ピルの種類によっては悪化することがある——アンドロゲン活性の問題

ニキビ改善を目的にピルを検討する際は、黄体ホルモンの種類による男性ホルモン(アンドロゲン)への作用の強さに注意が必要です。

男性ホルモンに似た作用が強い黄体ホルモンを含むピルは、皮脂の分泌を促す働きがあるため、ニキビが改善しないだけでなく、悪化する場合があります[8]

トリキュラー・ラベルフィーユ・アンジュに含まれる「レボノルゲストレル」は、男性ホルモン受容体にも作用するとされており、ニキビが気になる方には適していないケースがあるでしょう。

ニキビ改善を目的にピルを検討している場合は、処方の際に「ニキビが気になる」「肌荒れを改善したい」と医師に伝えることが大切です。

体質に合ったお薬を選んでもらえるよう、まずは医師に相談しましょう。

ニキビの原因がホルモン以外の場合——ピルの効果に限界がある

ピルはホルモンバランスの乱れが原因のニキビに対して効果が期待できますが、ニキビの原因はホルモンだけではありません。

以下のようにホルモン以外が主な原因の場合、ピルを服用してもニキビの根本的な改善は期待しにくい可能性があります。

  • スキンケアの問題

洗いすぎによる乾燥や、毛穴を詰まらせやすいスキンケア製品の使用

  • 食生活の乱れ

糖質・脂質に偏った食事や栄養バランスの偏り

  • 生活習慣の乱れ

睡眠不足やストレスによるホルモンバランスへの影響

  • 細菌の増殖

アクネ菌の過剰な増殖による炎症

「ピルを続けても改善しない」と感じる場合は、必要に応じて皮膚科で原因に応じた治療を検討しましょう。

婦人科と皮膚科の両方に相談することが、解決への近道になる場合もあります。

ピルのニキビ治療はオンライン診療でも相談できる

クリニックフォアでは、低用量ピルのオンライン診療をおこなっております。

オンライン診療には、以下の特徴があります。

  • スマートフォンやパソコンを使用して、自宅などお好きな場所から診療が受けられます
  • 仕事や育児で忙しい方でも、スキマ時間に相談できます
  • 処方されたお薬は最短翌日に配送可能です

「婦人科に行くのは少しハードルが高い」「医療機関に行くか悩む」と感じている方も、オンライン診療であれば気軽にご相談いただけます。

まずはオンライン診療で医師にご相談ください。

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※医師の判断により、お薬を処方できない場合がございます。

※対面診療をご案内する場合もございます。

※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。

よくある質問

Q:ピルのニキビへの効果はいつから出ますか?

肌のターンオーバーのサイクルを考慮すると、安定した効果を実感するまでには2〜3か月程度の継続が必要とされています。

研究報告でも、服用開始後早期からニキビの改善傾向が報告されています。

効果を安定して実感するまでにはある程度の期間が必要なため、まずは3シート(約3か月)を目安に継続しましょう。

効果について不安な場合は、医師に相談してみてください。

Q:ニキビに効果があるピルの種類はどれですか?

アンドロゲン活性が低い黄体ホルモンを含むピルが向いているとされています。

ヤーズ・ヤーズフレックス(ドロスピレノン配合)とマーベロン・ファボワール(デソゲストレル配合)がよく選ばれています。

どのお薬が合うかは体質によって異なるため、医師に相談して決めることが大切です。

Q:ピルを飲んでからニキビが悪化しました。やめた方がいいですか?

飲み始めの数か月は一時的に悪化する場合があり、継続することで改善に向かうケースも多いとされています。

ただし、3か月以上改善しない場合は、お薬の種類の変更も含めて医師に相談することが大切です。

自己判断での中止は避けてください。

Q:ピルをやめたらニキビは再発しますか?

服用を中止するとホルモンバランスが変化するため、ニキビが再発する可能性があります。

中止のタイミングは自己判断で決めず、医師と相談してから判断することが大切です。

服用中止後は、ニキビの再発防止のため、スキンケアや生活習慣の見直しをしましょう。

まとめ

ピルはホルモンバランスを整える作用により、ニキビの改善効果が期待できるお薬です[6]

ただし、ピルによるニキビ治療は第一選択薬ではなく、ほかの治療法で十分な効果が得られなかった場合に検討されるものである点に注意が必要です[6]

ニキビ改善には、男性ホルモンに似た作用が弱いデソゲストレル配合のマーベロン・ファボワールや、ドロスピレノン配合のヤーズ・ヤーズフレックスが選ばれやすいとされています。

効果があらわれるまでには数か月かかるため、3シートを目安に継続し、改善しない場合は医師にピルの種類変更を検討してもらいましょう。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

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参考文献

  1. 日本産科婦人科学会/日本女性医学学会「OC・LEPガイドライン 2020年度版」(2021年3月刊行)
  2. James Q Del Rosso & Leon Kircik. “The cutaneous effects of androgens and androgen-mediated sebum production.” J Dermatolog Treat. 2024 Dec;35(1):2298878
  3. Akshatha Rao et al. “Endocrine Disrupting Chemicals, Hormone Receptors, and Acne Vulgaris” Cells. 2021 Jun 9;10(6):1439
  4. 国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED)「女性ホルモンの皮膚への作用」
  5. 日本医師会「月経困難症を治療する低用量ピル」
  6. 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」
  7. Lortscher D, et al. "Hormonal Contraceptives and Acne: A Retrospective Analysis of 2147 Patients." J Drugs Dermatol. 2016;15(6):670-674.
  8. マーベロン21/28 添付文書
  9. Kloosterboer HJ, Vonk-Noordegraaf CA, Turpijn EW. "Selectivity in progesterone and androgen receptor binding of progestagens used in oral contraceptives." Contraception. 1988;38(3):325-32. PMID: 3139361.
  10. ヤーズ配合錠 添付文書
  11. ヤーズフレックス配合錠 添付文書
  12. Drospirenone: a novel progestin
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