ピル服用中に胸の張りや痛みが気になることがある?原因は?
ピル服用中の胸(乳房)の張りや痛みの原因としてまず考えられるのが、副作用(マイナートラブル)です。そのほかにも、乳がんの可能性や、胸部の痛みが血栓症や心血管疾患によるものである可能性もあります。詳しくは以下の通りです。
副作用(マイナートラブル)
ピルの飲み始めには、ホルモンバランスの変化によって、副作用として胸(乳房)が張ったり、痛みを感じたりすることがあります。生理前から胸の張りや痛みが気になるという女性は多いですが、それと同じような現象です。
胸の張りや痛みが生じる頻度(確率)は、クリニックフォアで取り扱いのあるマーベロンの場合は、張りが0.1~5%未満、痛みが5%以上、ラベルフィーユの場合は張りが5%以上、痛みが1%未満とされています。
また、胸の張りや痛み以外にも、吐き気、頭痛、倦怠感、不正出血、むくみなどの副作用が、飲み始めの時期に生じることがあります。
(参考)
医薬品医療機器情報提供ホームページ‐マーベロン21/マーベロン28
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/254910BF1055_1_11/
医薬品医療機器情報提供ホームページ‐ラベルフィーユ21錠/ラベルフィーユ28錠https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/254910CF1025_3_02/
血栓症や心血管疾患
ピルの服用によって、血栓症(血のかたまりによって血管がつまる)のリスクが若干上がるとされています。
血栓症から肺塞栓症や心血管疾患(心筋梗塞、狭心症)などにつながると、胸の痛みが生じることがあります。激しい痛みや押しつぶされるような痛みと表現されるほか、胸の痛みとともに息切れが生じることもあります。
ただし、ピルが原因で血栓症や心血管疾患が起きることは非常にまれなので、過度に心配しないようにしましょう。
ピル服用中の胸の張りや痛みはいつまで続く?
飲み始めは体がピルに慣れておらず、ホルモンバランスが変化することで胸の張りや痛みなどの副作用が起こりやすいです。このような副作用は、飲み始めてから3ヶ月ほどで気にならなくなることが多いとされています。
ピルの服用中に胸の張りや痛みが気になるときの対処法は?
胸の張りや痛みがあっても、ひどくなければ3ヶ月程度は様子を見てもよいでしょう。ただし、長期間続く場合や、血栓症・心血管疾患が疑われるときは受診が必要です。詳しくは以下の通りです。
3ヶ月程度は様子を見てもよい
前述の通り、ピルの飲み始めの時期は副作用が起こりやすいです。3ヶ月ほど飲み続けるとホルモンバランスが安定して、胸の張りや痛みもなくなることが多いため、しばらく様子を見てもよいでしょう。
長期間続くときは受診
3~4ヶ月経っても胸の張りや痛みが続くときは、別の原因があったり、ピルが体に合っていなかったりする恐れがあります。別のピルに変えることで改善されるかもしれないので、医師に相談してください。
血栓症や心血管疾患が疑われるときはすぐに受診
以下のような症状があるときは血栓症の恐れがあるため、服用をやめてすぐに受診してください。
- 強い胸の痛み
- 下肢の急激な痛み・腫れ
- 突然の息切れ
- 激しい頭痛
- 四肢の脱力・麻痺
- うまくしゃべれない
- 視野・視力がおかしい
また、下肢の痛み・腫れ・赤み・しびれ・ほてりのような症状も、血栓症の疑いがあります。なお、血栓症や心血管疾患は、発症する場所によって症状が異なり、以下のような症状が出ることもあります。
- 肺塞栓症の症状:胸の痛み、息切れ、ふらつき、失神など
- 心筋梗塞の症状:胸の痛みや圧迫感、呼吸困難、嘔吐など
- 狭心症の症状:胸骨の後ろのほうの痛みや圧迫感など
長時間体を動かさなかったり、水分が足りていなかったりすると血栓症のリスクが高まるため、そのような状況で上記のような症状が出た場合は血栓症の疑いがあります。
アフターピル服用時の胸の張りについて
アフターピルとは、避妊に失敗したときに飲む緊急避妊薬です。アフターピルも、副作用で胸の張りが生じることがありますが、しばらくすればなくなるのであまり気にしないでください。
血栓症や乳がんのリスクが高い方はピル服用ができないことも
すでに乳がんの方は、腫瘍が悪化することがあるためピルの服用は禁忌(禁止)です。また、乳がんの既往歴がある方は、再発の恐れがあるため、ピルの服用には注意が必要(処方できないケースがある)です。
以下のような方は、血栓症や心血管疾患などを発症しやすくなるリスクがあるため、ピルの服用が禁忌となっています。
- 血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患などがある、または既往歴がある
- 35歳以上で1日15本以上の喫煙者
- 肺高血圧症または心房細動を合併する心臓弁膜症
- 亜急性細菌性心内膜炎の既往歴がある心臓弁膜症
- 血管病変を伴う糖尿病
- 抗リン脂質抗体症候群
- 手術前後
- 脂質代謝異常がある
- 高血圧
など
以下のような方も、血栓症や心血管疾患などを発症しやすくなる恐れがあるので、服用には注意が必要(処方できないケースがある)です。
- 40歳以上
- 喫煙者
- 肥満
- 家族に血栓症になった人がいる
- 心臓弁膜症
- 軽度の高血圧
など
血栓症や乳がんの予防法
ピルの服用によってリスクが上がるとされている血栓症や乳がんの予防・早期発見のためには、以下のようなことを心がけましょう。
水分補給を欠かさない
水分が不足すると、血液が濃くなり血栓ができやすくなります。そのため、水分補給をしっかりしましょう。
軽い運動
血液の流れや血管の健康を保つために、日ごろから適度な運動を心がけましょう。長時間同じ姿勢でいる場合は、こまめにストレッチを行うことも重要です。
定期的に検査を受ける
乳がんの早期発見のためには、乳がん検診を受けることが推奨されています。一般に、乳がん検診は40歳以上で2年に1回の頻度が推奨されているため、対象の方は検診を受けるとよいでしょう。
なお、ピルの服用にあたって、乳がんの家族歴がある方や、乳房にしこりのある方は、定期的に乳房の検診を受けることが推奨されています。最低でも半年に1回は自分で乳房のチェックをし、ピルの開始時や1~2年ごとに乳房検診(マンモグラフィーなど)を受けることが望ましいとされています。
(参考)
低用量経口避妊薬、低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤ガイドライン
https://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf
クリニックフォアのオンラインピル処方
クリニックフォアは、オンラインでピルの処方を行っており、低用量ピルの「マーベロン」や「ラベルフィーユ」を取り扱っています。
スマホなどを使ってオンラインで診察を受けていただき、ピルはご自宅などに配送するので、忙しい方でもピルを始めやすく、続けやすくなっています。
これから始めようと思っている方も、続けていきたい方も、まずは受診をご検討ください。
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。