オンライン診療は保険適用される?保険診療と自由診療の違いや対象疾患を解説

「オンライン診療を利用したいけれど、健康保険は使えるの?」「保険診療と自由診療では何が違うの?」といった疑問を解決していきます。
オンライン診療は自宅にいながらスマートフォンやパソコンで医師の診察を受けられる便利なサービスですが、すべての診療で保険が適用されるわけではなく、対象となる疾患や条件が定められています。
オンライン診療で保険を使いたいとお考えの方は、ぜひ最後までお読みいただき、ご自身の症状や目的に合った受診方法を見つけてください。

オンライン診療でも保険適用は可能?

オンライン診療を利用する際に多くの方が気になるのが、健康保険を使って受診できるのかどうかという点ではないでしょうか。

オンライン診療であっても対面診療と同様に保険適用で受診することは可能であり、2018年の診療報酬改定によってオンライン診療に対する保険点数が正式に設定されました[1]

ただし、すべてのオンライン診療が保険適用になるわけではなく、診療内容や疾患の種類によっては自由診療として全額自己負担になるケースもあるため、事前に確認しておくことが重要です。

オンライン診療で保険適用になる主な疾患・症状

オンライン診療で保険適用となる疾患や症状は年々拡大しており、現在では多くの慢性疾患や一般的な症状がオンラインでの受診に対応しています。

特に、定期的な通院と継続的なお薬の処方が必要な生活習慣病や、季節性のアレルギー症状、比較的軽度な皮膚トラブルや風邪症状などは、オンライン診療との相性が良いとされており、保険適用で受診できるケースが多くなっています。

ここでは、オンライン診療で保険適用になる代表的な疾患や症状について具体的に見ていきます。

生活習慣病(高血圧・糖尿病・脂質異常症など)

高血圧や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病は、オンライン診療の保険適用対象として最も代表的な疾患群であり、多くのクリニックで対応しています。

これらの疾患は一度診断がついた後は定期的な経過観察と継続的なお薬の服用が治療の中心となるため、症状が安定している患者にとってはオンライン診療が非常に適した受診方法と言えます。

毎月医療機関を訪れてお薬を処方してもらうために時間を確保することが難しい働き世代の方や、通院自体が身体的な負担となる高齢の方にとって、自宅から受診できるオンライン診療は治療継続のハードルを大きく下げてくれるでしょう。

ただし、血液検査や血圧測定などの検査が必要なタイミングでは対面診療を組み合わせることが求められるため、完全にオンラインだけで治療が完結するわけではないという点は覚えておいてください。

アレルギー疾患(花粉症・アレルギー性鼻炎など)

花粉症やアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎といったアレルギー疾患も、オンライン診療で保険適用を受けられる代表的な症状です。

花粉症のシーズンは医療機関が混雑しやすく、待ち時間が長くなりがちですが、オンライン診療であれば予約した時間にスムーズに診察を受けられます。

抗アレルギー薬や点鼻薬、点眼薬など、花粉症治療で一般的に使用されるお薬の多くはオンライン診療でも処方可能であり、保険適用で受け取ることができます。

毎年花粉症の症状に悩まされている方は、症状が本格化する前にオンライン診療で早めに相談してみてはいかがでしょうか。

皮膚疾患・風邪症状など

湿疹やかぶれ、じんましんといった皮膚トラブルや、発熱、のどの痛み、せきといった風邪症状についても、医師の判断によっては保険適用でオンライン診療を受けることが可能です。

皮膚疾患については、患部をカメラ越しに医師に見せることである程度の状態把握ができるため、軽度な症状であればオンラインでの診察と外用薬の処方で対応できるケースがあります。

風邪症状についても、発熱の経過やのどの状態、せきの頻度などを問診で詳しく伝えることで、医師が適切な判断を下し、必要なお薬を処方してもらえる可能性があるでしょう。

オンライン診療で保険適用にならない主な診療

オンライン診療で受けられる診療のすべてが保険適用になるわけではなく、診療内容や目的によっては自由診療として全額自己負担となるケースがあります。

一般的に、病気の治療を目的としない診療や、厚生労働省が保険適用と認めていない治療については自由診療に分類され、AGA治療やED治療、低用量ピルの処方、美容目的の診療などがこれに該当します。

自由診療は費用が全額自己負担となるため保険診療に比べて負担は大きくなりますが、医療機関によっては比較的リーズナブルな価格設定をしているところもあるでしょう。

AGA治療・ED治療

AGA(男性型脱毛症)の治療やED(勃起不全)の治療は、オンライン診療で広く提供されているサービスですが、原則として保険適用の対象外となり自由診療として扱われます。

これらの症状は生命に関わる疾患ではなく、治療を行わなくても日常生活に重大な支障をきたすものではないという理由から、公的医療保険の給付対象とはされていません。

AGA治療で処方されるフィナステリドやミノキシジル、ED治療で処方されるシルデナフィルなどのお薬は、すべて自由診療として処方されるため、診察料やお薬代は全額自己負担となります。

ただし、自由診療であるがゆえに医療機関ごとに価格競争が生まれており、オンライン診療を活用することで対面診療よりも安く治療を受けられるケースも少なくないでしょう。

低用量ピル・アフターピルの処方

避妊を目的とした低用量ピルやアフターピル(緊急避妊薬)の処方についても、原則として保険適用の対象外であり、自由診療として扱われます。

低用量ピルは避妊目的だけでなく、月経困難症や子宮内膜症の治療目的で処方される場合には保険適用となるケースがありますが、避妊のみを目的として服用する場合は自由診療となり全額自己負担です。

オンライン診療では低用量ピルの処方を行っているクリニックが多く、定期的な処方を受けている方にとっては毎月通院する手間が省けるという大きなメリットがあるでしょう。

低用量ピルやアフターピルの処方を希望する場合は、事前にクリニックの対応状況や費用を確認した上で予約することをおすすめします。

美容目的の診療

シミやしわの改善、美白、ダイエットなど、美容を目的とした診療については健康保険の適用対象外であり、オンライン診療であっても自由診療として扱われます。

美容皮膚科領域で提供されるビタミン剤の処方や美白内服薬、医療ダイエットで処方されるGLP-1受容体作動薬などは、病気の治療を目的としたものではないため保険適用にはなりません。

これらの診療は医療機関によって価格設定が大きく異なることがあり、同じお薬であってもクリニックによって費用に差が生じるため、事前に料金を確認しておくことが重要でしょう。

オンライン診療の保険適用時にかかる費用

オンライン診療を保険適用で受ける場合の費用は、基本的には対面診療と同様の仕組みで計算されますが、オンライン診療特有の費用が追加でかかる場合があります。

診察料やお薬代については保険が適用され自己負担割合に応じた金額となりますが、システム利用料や配送料といったオンライン診療ならではの費用については保険適用外となることが一般的です。

全体的な費用感としては対面診療と大きく変わらないケースが多いものの、クリニックによって追加費用の設定が異なるため、事前に確認しておくと安心でしょう。

ここでは、オンライン診療の保険適用時に発生する具体的な費用について詳しく見ていきます。

初診料・再診料の目安

オンライン診療で保険適用を受ける場合、初診料や再診料は対面診療とは異なる点数が設定されており、情報通信機器を用いた診療に対する評価として算定されます。

2022年の診療報酬改定以降、情報通信機器を用いた初診の場合は251点、再診の場合は73点が算定されることになっており、対面診療の初診料(288点)や再診料(73点)と比較するとやや低い設定となっています[2]

1点あたり10円で計算し、3割負担の場合で考えると、オンライン初診の自己負担額は約750円程度、オンライン再診では約220円程度となり、これに各種管理料や処方箋料が加算されていきます。

ただし、医療機関の規模や診療内容、処方されるお薬の種類によって最終的な費用は変動するため、あくまでも目安として捉えておくとよいでしょう。

正確な費用を知りたい場合は、受診前にクリニックへ問い合わせるか、診察後に明細書で確認することをおすすめします。

処方箋料・お薬代

オンライン診療で処方箋が発行された場合の処方箋料や、薬局で受け取るお薬の代金についても、保険診療であれば対面診療と同様に保険が適用されます。

処方箋料は処方されるお薬の種類や数によって異なりますが、一般的には68点程度が算定され、3割負担の場合で約200円程度の自己負担となります。

お薬代については処方される内容によって大きく異なりますが、保険適用のお薬であれば対面診療で処方を受けた場合と同じ金額で調剤を受けることができるため、オンラインだからといってお薬代が高くなるということはありません。

薬局でお薬を受け取る際には調剤基本料や薬学管理料なども加算されますが、こちらも保険適用となるため、自己負担割合に応じた金額で済むでしょう。

お薬の配送を希望する場合には配送料が別途かかることがあるため、費用を抑えたい場合は近くの薬局で直接受け取る方法も検討してみてください。

システム利用料・配送料など保険適用外の費用

オンライン診療では、診察料やお薬代とは別に、システム利用料や配送料といった保険適用外の費用が発生することが一般的です。

システム利用料はオンライン診療のプラットフォームを利用するための費用であり、医療機関によって金額は異なりますが、おおむね300円から1,000円程度に設定されているケースが多く見られます。

配送料についてはお薬や処方箋を自宅へ郵送する際にかかる費用であり、100円から500円程度が相場となっていますが、配送方法や届け先の地域によって変動する場合もあるでしょう。

これらの費用は保険適用外であり全額自己負担となるため、対面診療と比較すると若干の追加費用が発生することになりますが、通院にかかる交通費や時間的コストを考慮すると、トータルではオンライン診療の方がお得になるケースも少なくありません。

追加費用の詳細は医療機関のWebサイトや予約画面で確認できることが多いため、受診前にチェックしておくと安心です。

オンライン診療で保険適用を受けるために必要なもの

オンライン診療で保険適用を受けるためには、対面診療と同様にいくつかの準備が必要であり、特に健康保険証の用意は必須となります。

保険診療では本人確認と保険資格の確認が求められるため、健康保険証または保険証として利用登録をしたマイナンバーカード、そして本人確認書類を手元に準備しておく必要があります。

また、多くのクリニックでは診察前に事前問診への回答を求めており、症状や既往歴などの情報を入力しておくことでスムーズに診察を進めることができるでしょう。

ここでは、オンライン診療で保険適用を受けるために準備すべきものについて詳しく見ていきます。

健康保険証またはマイナ保険証

オンライン診療で保険適用を受けるためには、健康保険証または保険証として利用登録を済ませたマイナンバーカード(マイナ保険証)の提示が必須となります。

予約時や診察前に健康保険証の情報を入力するか、カメラで保険証の画像を撮影してアップロードすることで保険資格の確認が行われ、保険診療として受診することが可能になります。

マイナ保険証を利用する場合は、事前にマイナポータルで保険証としての利用登録を済ませておく必要がありますが、一度登録しておけば医療機関での手続きがスムーズになるというメリットがあるでしょう。

保険証の有効期限が切れていたり、保険資格に変更があったりする場合は保険適用を受けられないことがあるため、受診前に保険証の記載内容を確認しておくことをおすすめします。

保険証を持っていない場合や保険資格に不安がある場合は、加入している健康保険組合や市区町村の窓口に問い合わせてみてください。

本人確認書類

オンライン診療では医師が患者と直接対面しないため、本人確認書類の提示を求められることが一般的であり、なりすましを防止するための重要な手続きとなっています。

本人確認に使用できる書類としては、運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど顔写真付きの公的身分証明書が推奨されており、予約時または診察開始時にカメラ越しに提示するか、画像をアップロードする形式で確認が行われます。

初回の利用時には本人確認書類の登録が必要になるケースがほとんどですが、一度登録しておけば2回目以降の受診では省略できる場合も多いでしょう。

厚生労働省のガイドラインでは、オンライン診療を行う医師は患者本人であることを確認することが求められており、適切な本人確認を行うことは安全な医療を受けるためにも重要な手続きです[3]

診察当日に慌てることがないよう、本人確認書類は事前に手元に用意しておくことをおすすめします。

事前問診への回答

多くのオンライン診療サービスでは、診察前に事前問診への回答を求めており、症状や既往歴、服用中のお薬などの情報を入力しておくことでより効率的な診察が可能になります。

事前問診では、現在の症状がいつ頃から始まったのか、どのような状況で悪化するのか、過去にかかったことのある病気、アレルギーの有無、現在服用している他のお薬などについて質問されることが一般的です。

これらの情報を診察前に医師が確認できることで、限られた診察時間を有効に活用することができ、より適切な診断や処方につながるでしょう。

お薬手帳や健康診断の結果など、ご自身の健康状態を把握できる資料があれば手元に用意しておくと、問診への回答や診察時の説明がスムーズになります。

事前問診への回答は保険適用の可否を判断する上でも重要な情報となるため、正確かつ詳しく入力するよう心がけてください。

オンライン診療の保険適用に関するよくある質問

Q1. 初診からオンライン診療で保険適用を受けられますか?

2022年の診療報酬改定以降、初診からオンライン診療で保険適用を受けることが可能になりました。

ただし、医師がオンラインでは適切な診察が難しいと判断した場合には対面診療を勧めることがあります。

Q2. 子どもの医療証はオンライン診療でも使えますか?

子ども医療費助成制度(医療証)は、オンライン診療でも利用できる場合があります。

ただし、自治体によって対応が異なり、オンライン診療では適用されないケースや、一旦自己負担した後に後日精算が必要になるケースもあるため、事前に確認が必要です。

詳しくはお住まいの自治体やクリニックへお問い合わせください。

Q3. 保険診療と自由診療を同時に受けられますか?

日本の医療制度では、原則として保険診療と自由診療を同時に受ける混合診療は認められていません。

同じ診察の中で保険適用の治療と保険適用外の治療を組み合わせることは基本的にできないため、どちらか一方を選択する必要があります。

診療内容によってどちらに該当するかはクリニックへ確認してください。

まとめ

オンライン診療であっても、保険適用の対象となる疾患や症状であれば健康保険を使用して受診することができ、自己負担割合は対面診療と変わりません。

オンライン診療で保険適用を受けるためには、健康保険証またはマイナ保険証、本人確認書類の準備が必要であり、事前問診への回答も求められることが一般的です。

保険診療と自由診療のどちらに該当するかは症状や治療目的によって異なるため、不明な点がある場合は予約前にクリニックへ問い合わせることをおすすめします。

ご自身の症状や目的に合わせて保険診療と自由診療を適切に選択し、オンライン診療を上手に活用してみてください。

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