勃起不全の原因と改善策とは?EDのタイプ・原因をふまえた7個の改善策を詳しく解説!

勃起不全(ED)とは、勃起できない、勃起状態が続かない、勃起の硬さが足りないといったことがたびたび起こる状態のことです。医学的には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。 勃起不全の原因は加齢や病気、精神的なものなど多岐にわたり、原因ごとにいくつかのタイプに分類できます。そして、タイプに応じて適切な改善策も異なります。ここでは、勃起不全のタイプごとの改善方法や、日々の生活で気をつけたい具体的なケア方法を詳しく解説します。

勃起不全の原因とタイプ

そもそも勃起は、性的刺激を受ける→脳から信号が送られる→陰茎海綿体に血流が集まり勃起するというメカニズムで起きています。つまり、信号を送る神経系の働きや、血流に関わる血管系の働きが悪くなると勃起不全につながることがあるのです。

これらの原因として、加齢、生活習慣病(肥満や糖尿病、高血圧など)、心血管疾患、神経疾患、慢性腎臓病、睡眠時無呼吸症候群、外傷や手術、生活習慣(運動不足、喫煙など)、心理的要因、薬の副作用などが挙げられ、原因ごとに器質性ED、心因性ED、混合型ED、薬剤性EDに分類できます。

タイプごとの勃起不全の改善方法

器質性EDは病気の治療や生活習慣の改善、心因性EDはストレス解消、薬剤性EDは薬の調整などが必要となります。それぞれの勃起不全の特徴と改善法を詳しく見ていきましょう。

器質性ED【病気の治療・生活習慣の改善】

器質性EDとは、血管、神経などの身体の障害が原因で、物理的に勃起できなくなるEDです。器質性EDは、病気やケガが原因となるため、改善には病気の治療や改善が必要となります。

主な原因としては、動脈硬化の進行や、泌尿器系の病気、脳の病気(脳出血、脳腫瘍など)や手術、外傷による神経の損傷などが挙げられます。特に多いのが動脈硬化であり、その原因は生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質性異常)や加齢とされています。

器質性EDの場合は、ED治療薬を使用するほかに、病気やケガの治療、生活習慣の改善を行いましょう。

心因性ED【ストレス解消をする】

心因性EDは、精神的なストレスが原因となる勃起不全です。改善のためにはストレス解消や精神的な問題の解決が必要となります。

心因性EDのメカニズムは、ストレスによって性的刺激を伝達する物質が減り、性的刺激や興奮が脳から上手く伝えられなくなって生じるというものです。30~40代でなりやすいとされています。

日常生活のストレス、パートナーとの関係におけるストレス、性交に関するトラウマなどが原因となりえます。たとえば、妊活によるプレッシャーや、周囲から早く子どもをと望まれる、過去に性行為で失敗した経験など、さまざまな物事が原因となります。さらに、深層心理が影響していることもあり、原因がなかなかわからないこともあります。

改善のためにはストレス解消や精神的な問題の解決が必要となり、医療機関では、必要に応じて、心理療法が行われることもあります。

混合型ED【病気の治療・生活習慣改善・ストレス解消】

混合型EDとは、器質性EDに心因性EDが加わっている状態のことです。勃起不全の多くは、器質性または混合型だとされています。

この場合は、背景にある病気の治療や、生活習慣の改善とともに、ストレス解消なども必要となります。さらに、必要に応じて医療機関で心理療法が行われることもあります。

薬剤性ED【薬を調整する】

薬剤性EDは、薬の副作用が原因となる勃起不全です。改善のためには薬の調整が必要となります。

主には循環器系、消化管、中枢神経、末梢神経に作用する薬が原因となり、たとえば降圧剤、利尿剤、不整脈治療薬、筋弛緩薬、消化性潰瘍治療薬などが挙げられます。

薬剤性EDは、薬をやめると改善できる場合がありますが、薬の中止から勃起不全の改善までにしばらく時間がかかることがあります。

また、病気によっては薬が必要不可欠な場合があるので、自己判断で薬の服用をやめたりせず、まずは医師や薬剤師に相談しましょう。

勃起不全を改善するための具体的な方法

ここからは、勃起不全を改善するための具体的な方法を解説します。日常生活の中でできることもたくさんあるので、できることから始めましょう。

ダイエットする

肥満度が高いと勃起不全につながるリスクがあるので、ダイエットに取り組みましょう。また、食事や運動習慣の改善は、生活習慣病の予防や改善にもつながります。具体的な運動方法、食生活の内容は以下の通りです。

運動をする

運動をすることで勃起不全が改善される可能性があります。運動は、生活習慣病の予防や改善においても重要とされています。

特に効果が期待できるのは有酸素運動です。ウォーキングやジョギング、サイクリング、スイミングなどを、無理のない範囲で行いましょう。ただし、サイクリングをする場合、サドルが細いスポーツタイプの自転車は、前傾姿勢になることも合わさり、陰茎海綿体につながる動脈がダメージを受けることがあるので注意が必要です。普通の自転車でも毎日2時間以上乗るようなことは控えましょう。

さらに、スクワットなどで下半身の筋力を鍛えることで、より力強い勃起が期待できます。

食生活を改善する

生活習慣病の原因のひとつは食生活です。つまり、食事が勃起不全の原因になることがあり、食事を改善すれば、勃起不全の予防や改善につながる可能性があるといえます。生活習慣病予防、改善のためには、高カロリー、脂肪分や塩分の多い食事は控えるのが基本です。

また、勃起不全の予防、改善のためには亜鉛(牡蠣などに含まれる)、シトルリン(スイカなどのウリ科の植物に含まれるアミノ酸)、ビタミンD(サケ、干ししいたけなどに含まれる)、アルギニン(鶏肉、大豆、エビ、マグロなどに含まれるアミノ酸)、DHA・EPA(青魚に含まれる必須脂肪酸)などをとるとよいとされています。

お酒を飲みすぎない

お酒の飲みすぎは一時的にも、慢性的にも勃起不全につながる可能性があるので、適量を心がけましょう。過度に酔った状態だと、性的興奮を伝える神経が麻痺して勃起しづらくなります。さらに、体調不良や眠気につながり、性行為にも支障が出ることがあるでしょう。

また、過度の飲酒を継続すると、男性ホルモンが減少し、性欲が減退することがあります。

体内の血管が傷ついたり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病につながったりすることで慢性的な勃起不全になるリスクもあります。

なお、アルコール依存症患者と一般の人では、アルコール依存症患者のほうが約2倍の頻度で勃起不全の兆候がみられるというデータもあります。

禁煙する

たばこに含まれるニコチンによって血管が収縮し、血流が悪くなって勃起不全につながることがあります。さらに、喫煙によって男性ホルモンの分泌が減ったり、性欲減退につながったりすることもあります。

喫煙は脳卒中や心疾患、糖尿病などのさまざまな病気のリスクとなり、間接的に勃起不全につながることもあるため、禁煙によって勃起不全の予防や改善につながる可能性があります。

睡眠をしっかりとる

睡眠不足になると自律神経(交感神経・副交感神経)のバランスが乱れるとされています。勃起するときに活発になるのは副交感神経ですが、自律神経のバランスが崩れると交感神経が優位になり、勃起が維持しづらくなるのです。睡眠不足はイライラや疲れやすさにもつながるので、6~8時間程度の睡眠をとるように心がけましょう。

また、睡眠中のいびきや日中の眠気がある場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、検査や治療が必要です。

精力剤やサプリメントの使用

薬局などでは精力剤やサプリメントも販売されています。ただし、市販のものは、基本的には勃起不全の改善に対する有効性が証明されていません。あくまで疲労回復や不調の改善によって勃起をサポートするものなので、補助的なものとして活用しましょう。

なお、ネット通販などでは、成分などの基準が日本の法律に当てはまらない海外製品も販売されています。重篤な健康被害などの報告も多数あるので注意してください。

ED治療薬の使用

勃起不全に対する有効性が確立されているものといえば、ED治療薬です。日本では、バイアグラ、シアリス、レビトラとそれぞれのジェネリックが厚生労働省に承認されています。これらの薬は、性的刺激を受けた際に血管を広げたり、勃起を妨げる酵素を阻害したりして、勃起をサポートする薬です。

医療機関で処方してもらえるので、薬を飲みたい場合は受診を検討しましょう。

勃起不全を改善するには医療機関の受診を

勃起不全の原因は、さまざまな病気や心理的な問題、薬の副作用など、多岐にわたります。背景にある病気や原因を明らかにし、適切な治療を受けるためにも、受診することが大事です。診察は、泌尿器科の他、内科や専門のクリニックなどで受けられます。

また、勃起不全の治療にはED治療薬を使うことが一般的ですが、原因によっては薬だけでは根本的な治癒にいたらないため、生活習慣の改善や、原因となる病気の治療なども並行して行う必要があります。場合によっては心理療法などが必要なケースもあります。勃起不全に悩んでいる場合は、早めに受診しましょう。

EDの診断・治療はクリニックフォアで

クリニックフォアでは、オンライン診療でED治療薬の処方を行っています。診察はオンラインで実施し、薬は後で配送されるので、忙しい方でも利用しやすくなっています。

EDにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。

参考文献

  1. e-ヘルスネット|喫煙による健康影響
  2. 東京歯科大学|中高年の性を考える-いつまでも逞しい男性でいるために