勃起不全の予防・改善におすすめの食事
まずは、勃起不全の予防や改善によいとされる栄養素と食材を紹介します。なお、すでに勃起不全を発症している場合、食事だけで改善することは難しいです。そのため、薬による治療などと並行して、食事にも注意するとよいでしょう。
亜鉛【牡蠣・チーズ・豚肉・卵黄など】
亜鉛は男性ホルモンの分泌を促進する働きがあるとされています。
男性ホルモン分泌の低下が勃起不全の理由の一つとされるので、積極的に摂りましょう。
亜鉛は、牡蠣のほか、チーズ、豚肉、卵黄などに多く含まれます。ビタミンCと一緒に摂ると亜鉛の吸収力が高まるので、レモンやほうれん草なども一緒に摂るのがおすすめです。
シトルリン【スイカ・メロン・キュウリなど】
シトルリンはアミノ酸の一種です。陰茎の血管を広げるために必要な、一酸化窒素の生成を促進するとされています。
ある研究では、軽度の勃起不全患者がシトルリンを摂ったところ、半数の人の症状が改善したというデータもあります。
シトルリンはスイカやメロン、キュウリ、冬瓜、ヘチマなどのウリ科の植物に多く含まれます。
アルギニン【鶏肉、大豆、エビ、マグロなど】
アルギニンもアミノ酸の一種です。血管拡張作用・精力アップが期待できるとされています。アルギニンは鶏肉や大豆、エビ、マグロなどに多く含まれます。
しかし、アルギニンだけを摂取しようとするとエネルギー摂取量が増えてしまうので、サプリメントなどを使うのも一つの方法です。体内でアルギニンに変化するシトルリンのサプリなどを取り入れるとよいでしょう。
ビタミンD【サケ・干ししいたけなど】
アメリカの研究では、ビタミンDが不足すると、勃起不全になるリスクが高まるという結果が出ています。
ビタミンDは、サケやカレイ、サンマ、まいわしの丸干し、しらす干し、干ししいたけ、きくらげ、卵などに多く含まれます。
DHA・EPA【イワシ・サンマ・サバなど】
DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)は、必須脂肪酸の一種です。血液がさらさらになり、血流が改善されるとされています。また、肥満、脂質異常症などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。
厚生労働省によるDHA・EPAの推奨摂取量は、1日に合計1000㎎となっています。DHAもEPAも体内では合成されないので、食事から摂る必要があります。イワシやサンマ、サバ、アジなどの青魚を積極的に摂りましょう。
ビタミンE・ビタミンC【ほうれん草など】
ほうれん草は、ビタミンC、ビタミンEを多く含み、高い抗酸化作用があるので、動脈硬化予防に効果が期待できます。さらに、血管拡張作用も期待できます。前述の通り、亜鉛の吸収も高めるため、おすすめの食材です。
そのほか、キャベツやブロッコリー、ピーマン、ナス、カボチャなども同様の効果が期待できます。
フルーツ【ブルーベリーや柑橘類】
ある欧米の研究では、フラボノイド(抗酸化物質)を多く含むフルーツをとることで、EDのリスクが低下するという結果が得られました。特にブルーベリーや柑橘類がよいとされていますが、イチゴ、リンゴ、なしなどもよいでしょう。
ただし、ED治療薬を使う場合、グレープフルーツを一緒に摂ると体に悪影響が及ぶ場合があるので注意しましょう。グレープフルーツ以外に、夏みかん、ダイダイ、ブンタン、スウィーティー、ハッサク、金柑、ライムなどにも注意が必要です。
ナッツ
あるスペインの研究によると、1日60gのナッツ(実験ではクルミ、アーモンド、ヘーゼルナッツ)をとると、勃起機能が高まるという結果が出ました。
ただしこの研究は海外のものです。ナッツ以外に食べたのは欧米式の食事ということもあって、日本人の体質やライフスタイルにおいて同じ結果が得られるとは限りません。さらに、ナッツは脂質が多いので食べ過ぎに注意が必要です。
とはいえ、ナッツにはさまざまな栄養素が含まれているので、スナック菓子の代わりにナッツをおやつにするなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか。
ビターチョコレート
チョコレートには興奮作用があるため、勃起にプラスにはたらく可能性があります。さらに、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールは、血管の炎症を緩和する作用が期待でき、血流改善につながる可能性があります。
株式会社明治と愛知学院大学などの研究によると、高カカオチョコレート25gを4週間にわたって食べたところ、血圧低下、善玉コレステロール値の上昇、動脈硬化の検査などで使われる指標の数値が低下したそうです。アンケートでは、精神的・肉体的に活動的になったという結果も出ています。
ただし、糖分のとりすぎはよくないので、ビターチョコレートなどの糖分が少ないものを選びましょう。もちろん、食べすぎはNGです。
コーヒー
カフェインの血管拡張作用、興奮作用、リラックス効果などが勃起にプラスに働くと考えられています。あるアメリカの研究では、1日に約2.3杯分のコーヒーを飲むと、飲まない人よりも勃起不全の可能性が減少したという結果が出ました。
勃起不全につながる食事
高カロリー、脂肪や塩分の多い食事は生活習慣病の原因となり、勃起不全につながることがあるため注意が必要です。揚げ物やカップ麺、ジャンクフード、スナック菓子、甘いものなども避けましょう。詳細は以下の通りです。
高カロリーな食事は肥満・動脈硬化につながる
高カロリーな食事は肥満につながり、動脈硬化の原因にもなります。海外の研究では、肥満度が高まるほど勃起不全が悪化するというデータもあります。
男性の適切な摂取カロリーの目安は1日2,000~2,400kcalです。なお、運動量が少ない場合は適切な摂取カロリー量も少なくなります。
脂肪の多い食事は肥満・脂質異常症・動脈硬化につながる
脂肪の多い食事は、肥満や脂質異常症(コレステロール値や中性脂肪値が高い状態)の原因となり、将来的に動脈硬化につながります。
厚生労働省によると、脂肪摂取量の目標値は、総エネルギーの20~30%以内とされています。適切な摂取カロリー量の目安は1日2,000~2,400kcalなので、脂肪摂取量は400~720kcalに抑える必要があります。これは、脂肪約44~80g分に相当します。
なお、勃起不全の治療薬を使う場合、脂肪分を多くとると効果が下がることがあります。そのため、日ごろから脂肪分の少ない食事を心がけましょう。
塩分の多い食事は高血圧・動脈硬化につながる
塩分を摂りすぎると高血圧につながります。高血圧が続くと血管が傷ついて動脈硬化につながるため注意しましょう。厚生労働省が推奨する、日本人男性の食塩摂取量の目標値は、1日に7.5g未満です。
生活習慣病改善のための食事とは
勃起不全の原因が生活習慣病の場合、原因となる病気を改善することで勃起不全の改善につながる可能性があります。それぞれの病気における食事療法の概要は以下の通りです。
高血圧
高血圧の予防、改善のためには減塩が重要です。男性の場合、1日の食塩摂取量の目標値は7.5g未満です。なお、すでに高血圧を発症している場合は6g未満が推奨されています。
塩分が少ないと食事が味気ないものになると思うかもしれませんが、工夫次第で美味しく食べることが可能です。たとえば、酢や柑橘類、香辛料、香味野菜を取り入れると、塩分が少なめでも味の薄さが気になりません。
また、野菜や果物をしっかりとること、飲酒は適量(1日あたり日本酒1合程度、週1日以上の休肝日を設ける)、食べ過ぎない(腹8分目を意識する)といったことを心がけましょう。
糖尿病
糖尿病の予防、改善のためには、適切なエネルギー量を守り、食べ過ぎないことが大事です。さまざまな栄養素を適量ずつとり、バランスよく食べましょう。1日3食を規則正しく食べることもポイントです。高血圧予防のために減塩も忘れないようにしましょう。
なお、すでに糖尿病を発症している場合は、合併症などによって細かく食事制限をすることがあります。
肥満
カロリー制限などで体重が減少することで、肥満の人の勃起不全が改善するとされています。適切なエネルギー量を守り、食べ過ぎないようにしましょう。ゆっくり噛んで食べることで、同じ量の食事でも満腹感を感じることができます。
また、栄養素が偏らないよう、バランスよく食べることも大事です。主食を抜いたりしないようにしましょう。1日3食を規則正しく食べることもポイントです。なお、肥満の改善のためには、食事制限だけでなく、運動も必要です。
勃起不全改善のためには薬を使いながら食事に気をつけるとよい
すでに勃起不全を発症している場合、食事を改善するだけで勃起不全を治すのは難しいです。勃起不全の治療では、ED治療薬を使うことが一般的です。そのため、治療薬を使いながら、食事の改善も心がけるとよいでしょう。薬の効果を最大限得るためにも、脂肪分の少ない食事を意識してください。
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