妊娠初期・超初期に現れる症状とは?
妊娠期間は、初期(~13週6日)、中期(14週0日~27週6日)、後期(28週0日以降)に分けることができるため、医学的には「妊娠初期」と言えば、妊娠13週6日(4ヶ月頃)までのことを指します。
また妊娠がわかる前の段階(超初期)に生じうるさまざまな症状のことを本記事でご紹介していきます。
詳細は後述しますが、主な症状には以下のようなものがあります。
- おりものの変化
- 下腹部の痛み
- お腹の張り、胃のむかつき、吐き気、便秘など
- 頻尿
- 食欲の変化
- 熱っぽさ
- めまい
- 嗅覚の変化
- 胸の張りや痛み
- むくみ
- だるさ
- 眠気
- イライラなどの精神的な症状 など
なお、生理前の症状や、風邪の症状と勘違いするようなものもあるので、上記のような症状があれば必ず妊娠しているというわけではありません。
妊娠超初期に現れる症状が生じる時期
妊娠超初期に現れる症状が生じるのは、性行為から約1~2週間後、妊娠週数で言うと、3~4週頃だと言われることが多いです。
なお、その後、早いと妊娠4週頃、一般的にはだいたい5~6週頃からつわりが始まる方もいらっしゃるようです。
妊娠成立時期について
より理解が深まるよう、妊娠の仕組みと時期についても詳しく解説します。
まず、生理周期が28日の場合、生理開始からおよそ14日目頃に排卵します。その前後に性行為をし、卵子の寿命と言われるおおむね24時間以内に卵子と精子が出会うと受精します。
受精すると、受精卵が分裂しながら移動し、受精から7日ほどで着床(子宮内膜にもぐりこむこと)します。これが妊娠の成立です。
一方、妊娠週数の数え方は、最後の月経開始日が妊娠0週0日となります。つまり、下表のように、妊娠が成立するのは、実際には妊娠3週0日頃になります。
妊娠週数 | 体の状態など(生理周期が28日の場合) | |
0週0日 | 生理開始 | |
性行為(女性の体内での精子の寿命は約72時間) | ||
2週0日頃 | 排卵 | |
2週1日頃 | 受精 | |
3週0日頃 | ・着床(妊娠成立) ・着床出血が起きることがある(詳細は後述) | |
4週0日 | 生理開始予定日 | |
生理の遅れにより、妊娠に気がつく人が出てくる |
また、受精するのは妊娠2週のはじめ頃なので、妊娠超初期症状が現れるのは、早くてもその後であることがおわかりいただけると思います。
妊娠超初期に現れる症状が起こる原因
妊娠超初期の症状もつわりも、その明確な原因はわかっていません。ただ、妊娠初期には、赤ちゃんの成長や妊娠維持のために、hCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)が分泌されたり、女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)が普段とは比較にならないほど増加したりします。そのため、このようなホルモンが、妊娠超初期症状などの原因のひとつとして考えられています。
妊娠超初期に現れる症状の内容
妊娠超初期の症状の有無も、症状の中身も人それぞれですが、よく言われる症状には以下のようなものがあります。
- おりものの変化
- 下腹部の痛み
- お腹の張り、胃のむかつき、吐き気、便秘など
- 頻尿
- 食欲の変化
- 熱っぽさ
- めまい
- 嗅覚の変化
- 胸の張りや痛み
- むくみ
- だるさ
- 眠気
- イライラなどの精神的な症状 など
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
おりものの変化
おりものは、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量によって量が変化しており、普段も、生理周期とともに変化が感じられることがあります。
妊娠するとエストロゲンの分泌量が増え、おりものの量も増える傾向があります。量や質の変化には個人差もありますが、水っぽくなる、乳白色や黄色っぽくなる、すっぱいにおいがするといった変化を感じることもあります。
下腹部の痛み
妊娠すると子宮がどんどん大きくなりますが、その際、子宮は不定期に収縮します。そして、子宮の収縮や、子宮を支える靱帯が引っ張られることなどに伴い、生理痛のような痛みや、引きつるような痛みを感じることがあります。
なお、後述する着床出血の際に痛みを感じる方もいるようです。
お腹の張り・胃のむかつき・吐き気・便秘など
プロゲステロンが増加すると、筋肉がゆるんで胃腸の機能が低下したり、消化器の収縮が抑制されたりします。これにより、お腹の張り、胃のむかつき、吐き気、便秘、ゲップなどの症状が出ることがあります。
また、食生活が変わることも、便秘やガスがたまる原因となります。
食欲の変化
プロゲステロンの増加による胃腸機能の低下で、食欲が低下することもあります。後述する嗅覚などの変化で、食欲が低下することもあるでしょう。一方で、食欲が増えることも珍しくありません。
頻尿
プロゲステロンは膀胱の筋肉のゆるみの原因にもなります。さらに、子宮が大きくなるときに膀胱が圧迫されることもあり、このような原因から頻尿につながることがあります。
熱っぽさ
女性の体温は、普段は排卵を境に低温期と高温期に分かれていますが、妊娠初期は高温期が続くことで、熱っぽさを感じることがあります。
めまい
妊娠初期は、自律神経の乱れ、低血圧、貧血などに陥ることもあり、めまいや立ちくらみの原因となることがあります。
嗅覚の変化
妊娠超初期症状で感じる方がもいますが、特につわりの症状として知られているのが、嗅覚の変化です。はっきりした原因は分かっていませんが、こちらもホルモン分泌の変化が関連していると考えられています。
ちょっとしたにおいをきつく感じるようになったり、特定のにおいをかくと気分が悪くなったりと、さまざまなトラブルが起こり得ます。
着床出血
妊娠のサインとして、着床出血の有無を気にする方もいます。着床出血とは、受精卵が子宮内膜にもぐりこむときに出血するものです。
出血がない方も多いので、着床出血がないからといって、妊娠していないとは言い切れません。また、着床出血は少量の出血が短期間だけ見られる程度であることが多いですが、中には生理と同じくらいの出血が生じるケースもあるため、生理と見分けがつかないこともあります。
ただ、着床の時期は、生理予定日の1週間ほど前となるため、生理予定日よりも早く出血した場合は妊娠の可能性も考えましょう。
その他
その他にも、女性ホルモンの分泌増加によって、さまざまな症状が現れることがあります。
たとえば、生理前のように胸の張りや痛み、チクチク感、乳頭の違和感などが生じることがあります。
また、プロゲステロンが増えると、水分をため込みやすくなってむくみにつながったり、だるさ、強い眠気、イライラなどの原因になることもあります。ホルモンバランスの急激な変化は、精神の不安定さにつながることもあります。
妊娠超初期に現れる症状と間違えやすいもの
「妊娠超初期の症状かも?」と思う症状が複数あっても、妊娠しているとは言い切れません。生理前の症状の中には、妊娠超初期に現れる症状と似ているものが大変多いためです。
また、想像妊娠(偽妊娠)の可能性もあります。想像妊娠とは、妊娠していないにもかかわらず、妊娠したときと同じような症状が生じるものです。特に、「妊娠したい」と強く思っている方や、逆に「絶対に妊娠したくない」と思っている方に起こりやすい傾向があります。心の状態は少なからず体にも影響するため、このような気持ちによって、排卵や生理が遅れたり、体調不良につながったりすることがあるのです。
このようなときには、妊娠検査薬の使用や婦人科の受診で、妊娠しているかどうかをはっきりさせる必要があります。妊娠していないと分かったとたんに、症状がなくなることも多いです。
妊娠したかも?チェック方法と注意点
先述の通り、妊娠するのは生理開始からおよそ14日頃の排卵後となります(排卵から約14日で生理が起こるとされており、生理周期によって排卵のタイミングは前後します)。そのため、排卵の前後に無防備な性行為があった場合は、妊娠が可能です。
ただし、排卵のタイミングや精子の寿命は一概には言えないため、ある程度幅を取って考えましょう。
妊娠の可能性がある場合は、まず基礎体温を確認し、妊娠検査薬を試し、陽性の場合は受診が必要です。詳しくは以下の通りです。
基礎体温を確認する
基礎体温は、排卵を境に低温期と高温期に分かれています。しかし、妊娠すると高温期が続くので、妊娠したかの目安の一つとなります。
ただ、普段から基礎体温を測っていなかったり、測っていても低温期と高温期がきれいに分かれていなかったりすると、判断は難しくなります。あくまでも目安と考え、はっきりさせるためには、まず妊娠検査薬を使いましょう。
妊娠検査薬を試す
高温期が続いていたり、妊娠超初期症状のような症状があったり、生理が遅れていたりする場合は、市販の妊娠検査薬を使ってセルフチェックをしましょう。
妊娠検査薬は、妊娠初期にだけ分泌されるhCGホルモン(ヒト絨毛ゴナドトロピン)に反応し、陰性・陽性の結果が出るためです。
妊娠検査薬を使える時期は、生理予定日の約1週間後であることが一般的です。早すぎると正しい結果が出ないこともあるため、使用する検査薬の説明書をよく確認しましょう。
なお、陰性であっても妊娠していないとは言い切れません。不安な場合は1週間後ほど時間をおいて再度検査をするか、早めに産婦人科の受診を検討しましょう。
産婦人科を受診する
妊娠検査薬で陽性になった場合は、必ず産婦人科を受診しましょう。妊娠反応が出ても、実は異所性妊娠(子宮外妊娠)の場合があり、放置しておくと命に関わることがあるからです。早すぎると正しい結果が出ないことがあるため、生理予定日の1~2週間後に受診するとよいとされています。
妊娠の可能性があるときは日常生活でも注意が必要
妊娠の可能性がある場合は、飲酒や喫煙、過度なカフェイン摂取、激しい運動などを控える、お薬は注意して服用するといった心がけをすることをおすすめします。
なお、妊娠していた場合は飲酒や喫煙は完全に中止する必要があり、服用できなくなるお薬があったり、レントゲン検査は原則受けられなかったりします。運動などにも制限が出てくるため、妊娠かも?と思ったら、妊娠していても問題ない行動を心がけましょう。
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