アフターピル「ノルレボ(レボノルゲストレル)」とは?
現在日本で承認されているアフターピルは、レボノルゲストレルという黄体ホルモン(女性ホルモンの一種)を有効成分としたもののみです。
そして、お薬の種類は以下の2つです。
- ノルレボ錠1.5mg
- レボノルゲストレル錠1.5mg「F」
レボノルゲストレル錠は、ノルレボ錠のジェネリック医薬品(後発医薬品)です。ジェネリック医薬品とは、先発医薬品(ノルレボ錠)の特許が切れた後に、同じ成分を使って作られたお薬です。
効果は変わらないとされていますが、ジェネリック医薬品は開発費などが大幅に削減できるため、先発医薬品よりも価格が安いことが一般的です。
ノルレボ(レボノルゲストレル)の効果
ノルレボ(レボノルゲストレル)は、避妊に失敗するなど、予期せぬ事態が起きてしまい、緊急で避妊したいときに服用することで、妊娠を防ぐお薬です。
確実に妊娠を防ぐことはできませんが、性交後72時間以内に服用した場合の妊娠阻止率は84%程度という試験結果が出ています。さらに、服用するタイミングが早ければ早いほど妊娠阻止率は高くなり、WHOの試験によれば、24時間以内であれは95%の確率で妊娠の阻止ができるとされています。
そのメカニズムは、主に排卵を抑制する作用によるものです。その他に、受精を阻害する作用、受精卵の着床を阻害する作用が関与する可能性も考えられています。
(参考)
https://www.jsog.or.jp/activity/pdf/kinkyuhinin_shishin_H28.pdf
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/9708750/
効果に関する注意点
ノルレボ(レボノルゲストレル)を服用する際は、以下のような点を理解しておきましょう。
- 確実に妊娠を防げるわけではない
- 服用後の性行為に対する避妊効果はない
ノルレボ(レボノルゲストレル)はあくまで性交後に服用するお薬であり、服用後の性行為に対する避妊効果は望めません。
また、あくまで緊急避妊薬であり、副作用も生じやすいので日常的に服用することはできません。計画的に避妊を行いたい場合は、日常的に低用量ピルを服用することなどを検討しましょう。
ノルレボ(レボノルゲストレル)の飲み方
ノルレボ(レボノルゲストレル)は、性交後72時間以内に1錠を服用する必要があります。前述の通り、服用のタイミングが早ければ早いほど妊娠阻止率が高まるため、できるだけ早く服用しましょう。
なお、72時間が過ぎても、効果が急になくなるというわけではありません。遅くなっても服用する価値はあるため、時間が過ぎていても医師に相談することをおすすめします。
嘔吐したときの対応
ノルレボ(レボノルゲストレル)の副作用で嘔吐してしまうことがあります。服用から2時間以内に嘔吐してしまった場合は、お薬の効果が得られなくなる恐れがあります。追加で1錠処方される場合はすぐに1錠のみ、処方されていない場合は処方してくれた医師に相談してください。
ノルレボ(レボノルゲストレル)の副作用
どのようなお薬にも、効果が得られる一方で、副作用のリスクがあります。ノルレボ(レボノルゲストレル)は緊急避妊薬という性質上、一般的なピルなどに比べてホルモンの配合量が多く、副作用が出やすい傾向があります。
代表的な副作用は以下の通りです。(カッコ内は頻度)
- 消退出血(46.2%)
- 不正出血(13.8%)
- 頭痛(12.3%)
また、5%以上の頻度で以下のような副作用が現れることもあります。
- 傾眠
- 悪心
- 倦怠感
ただ、ノルレボ(レボノルゲストレル)は1回1錠服用するもので、継続するお薬ではないため、通常は副作用が生じても一過性となります。
ノルレボ(レボノルゲストレル)を飲めない人
以下の方は、ノルレボ(レボノルゲストレル)は禁忌(服用禁止)となります。
- レボノルゲストレルに対して過敏症の既往歴がある
- 重篤な肝障害がある
- 妊娠している
注意が必要な人
以下に当てはまる方は、禁忌ではありませんが、服用に注意が必要とされています。持病が悪化したり、お薬の効果が期待できないなどのデメリットが生じることがあるため、当てはまる方は必ず医師に申告しましょう。
- 心疾患や既往歴がある
- 重度の消化管障害または消化管の吸収不良症候群がある
- 腎機能障害がある
- 腎疾患または既往歴がある
- 肝機能障害がある
- 授乳中である
ノルレボ(レボノルゲストレル)と併用できないお薬
以下のようなお薬や食べ物と併用すると、レボノルゲストレルの効果が減弱することがあるため、併用には注意が必要とされています。以下のようなお薬によって肝臓の薬物代謝酵素が増加し、レボノルゲストレルの代謝が促進されるためです。
- 抗けいれん薬(フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルバマゼピンなど)
- 一部のHIV治療薬(リトナビルなどのプロテアーゼ阻害剤、エファビレンツなどの非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤)
- リファブチン(結核治療薬)
- リファンピシン(抗菌薬)
- セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品
セイヨウオトギリソウはサプリメントなどに配合されていることがあるため注意しましょう。
ノルレボ(レボノルゲストレル)に関するQ&A
最後に、ノルレボ(レボノルゲストレル)に関するよくある質問にお答えします。
ノルレボ(レボノルゲストレル)はどこで入手できる?
ノルレボ(レボノルゲストレル)は市販されていないため、医療機関を受診して処方してもらう必要があります。早めに婦人科などを受診しましょう。
保険適用外の自由診療となるため、医療機関によって金額が異なり、全額自己負担となることを覚えておきましょう。
診察時には、最終月経の時期や日数を聞かれることが多いため、事前に確認してから受診することをおすすめします。
なお、直接受診する時間がなかったり、ハードルが高いと感じたりする場合は、ビデオ通話や電話で診察を受けられるオンライン診療をご検討ください。
避妊が成功したか確認する方法はある?
アフターピル服用後、通常の月経周期付近でしっかり出血消退出血(お薬によって体内の女性ホルモンが減少し、子宮内膜が剥がれて起こる出血)が起これば妊娠していない可能性が高いでしょう。
消退出血は、アフターピル服用後、3週間以内に起こることが多いです。その特徴には個人差がありますが、少量の出血が1週間以上続くことが多いとされています。
ただし、、消退出血が生じるのは全体の半数程度とされているため、消退出血の有無で避妊が成功したかどうかを正確に判断することはできません。
そのため、生理予定日から1週間以内に生理があるかどうかを目安とするのも一つの方法です。
ただ、消退出血や生理だと思っていたら、不正出血や、妊娠に伴う着床出血だったというケースもあります。そのため、不安な場合は服用から3週間を目安に、まず妊娠検査薬で確認するとよいでしょう。陽性が出たら必ず医療機関を受診してください。
授乳中に飲むことはできる?
授乳中のノルレボ(レボノルゲストレル)の服用には注意が必要です。お薬の成分は母乳にも移行するため、服用する場合は、服用後24時間は授乳を避けましょう。
お薬は赤ちゃんに影響する?
妊娠中のノルレボ(レボノルゲストレル)の服用は禁忌です。ただ、服用したにもかかわらず妊娠してしまうこともあります。その場合、赤ちゃんの奇形や流産などが生じる割合は、お薬を服用していない場合と変わらないとされているため、赤ちゃんへの影響については過度に心配する必要はありません。
クリニックフォアのオンラインピル処方
予期せぬ妊娠を避けるためには、日ごろから低用量ピルを服用することも一つの方法です。
クリニックフォアでは、オンラインでピルの診療処方を行っています。スマホで診察を受けていただき、処方診断を受けたピルはご自宅などのご希望の場所に配送します。処方されたお薬の定期配送もあるので、何度も通院する必要はありません。
また、クリニックフォアでは最短当日配送のでアフターピルのオンライン処方も行っているので、必要な方は受診をご検討ください
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
※自由診療
※効果・効能・副作用の現れ方は個人差がございます。医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。