通販の低用量ピルは危ない?病院で処方してもらうべき?医師が解説します。

低用量ピルは日本において薬局での購入はできませんが、通販では個人輸入の形で購入することができます。 低用量ピルが気軽に手に入るなら通販でも病院の処方でもどちらでもよいと思っていませんか?今回は通販と病院、低用量ピルはどちらで手に入れるべきなのかについて解説していきます。

1.通販の低用量ピルは危険なの?

まずは通販の低用量ピルについてです。

通販の低用量ピルは非常にリスクがある、と言っても過言ではありません。

通販の低用量ピルはほとんどが個人輸入で販売されているものとなります日本の法律では、医薬品を個人輸入をしてよい例については、大前提は自分自身で使用する場合のみ、としています。また医薬品医療機器等法に違反する輸入でないことを証明する「薬監証明」を取得していることが必要となります。ですが、インターネットでの通販の場合この「薬監証明」を本当に取得しているかどうかが分かりません。違法に医薬品を売っている可能性があるという点で危険であり、過去に実際に問題となっているケースもあります。

これに加えて低用量ピルそのものも通販では疑わしいものであることがあります。すなわち偽物が混ざっている可能性があるということです。低用量ピルにまつわる通販のトラブルとして挙げられている例を見てみると、低用量ピルが破損していたなどがあります。その他、通販で買ったピルで必要な付属品などが入っていなければそもそも本物かどうかが疑わしいと言えます。

また、破損している医薬品は、医薬品の効果を発揮することが疑わしいため、避妊薬や生理のコントロールとしての効果自体が疑わしくなります。ですので、仮に破損している低用量ピルを服用してもきちんと避妊効果が出ないなどの可能性がありうるでしょう。さらに、ホルモンの配合量も不明なものが多いため、副作用が強く出てしまい辛い思いをしたという報告もあります。

さらには、ホルモンと混じって他の薬物が混入されていたというケース、ネットの画像と全く違う商品が送られてきたという例もあります。

最近では個人輸入したアフターピルをフリマアプリで売買した、お店で他人に使わせたなどの行為で逮捕された人もいます。

これらのことから、やはり安全ではない可能性が否定できない方法で入手、販売をしている商品をいくら安いとはいえ、購入することは危険であり、決しておすすめできません。値段が安すぎるものは特に危険であると考えるのが自然です。

2.医師に処方してもらうのが安心?低用量ピルを服用出来ない人もいるの?

これらのことから、やはり低用量ピルは医療機関で医師の診察を受けて処方してもらったものを服用することをおすすめします。また、低用量ピルはすべての方が内服できるというわけではありません。低用量ピルには重篤な副作用になりうる血栓症をはじめ、注意すべき副作用がいくつかあります。

このことから、血栓症を引き起こしやすい可能性のある方(手術直後の方や、出産直後の方など)、過去に血栓症になったことのある方、 35歳以上で1日15本以上の喫煙中の方は、原則として低用量ピルを内服することができません。また、女性ホルモン剤という観点から乳がんの方や乳がんの疑いのある方、生理ではない異常出血があり、この原因が確定していない方(子宮系のがんの可能性があります)も服用することができません。

このように低用量ピルは命にかかわる可能性のある副作用もあり、安易な服用が危険につながる方もいらっしゃいます。ですが、通販での購入では医師による診察が必要ないため、この副作用のリスクを知らなかったり、適切に伝えられることがありません。そのようなまま内服をしてしまえば、避妊のために使用していた薬が、結果として危険な薬へと変わってしまう可能性だってあるのです。

医療機関から処方されていればこの点をしっかりと問診や診察で確認した上で処方されますので安心して服用できます。また、通販では副作用が出た場合にフォローを受けることができません副作用が出たとして医療機関を受診したとしても個人輸入で手に入れて服用した薬の成分や副作用等に関する十分な情報が得られないため、診察した医師が正しい診断を下し、迅速に対応したりすることが困難となる場合もあります。ですので、医療機関で処方された低用量ピルを使用されることを強くおすすめします。

3.チャット型のオンライン診療も危険なの?

新型コロナウイルスの影響もあり、オンライン診療が近年急速に普及しており、オンライン診療で低用量ピルの処方をすることができるようになりました。オンライン診療も基本的にはスマートフォンなどを活用して顔を見ながら話をする、あるいは、顔が見えなくても通話をしながら診察を行った上で薬を処方することが推奨されています。

やむを得ない場合には文字のみのやり取りも可能とされており、これによって中にはチャット型で薬を処方している医療機関もあるようですが、このチャット型のオンライン診療についても不安が残るところです。なぜならば、チャット型の場合、誰が返信をしているのかが分からない場合があるからです。本当に医師がしているのかが分かりません(通話での診察が可能なのはコロナによる特例期間中のみとされています。)

引用:厚生労働省‐「オンライン診療の適切な実施に関する指針」に関するQ&A
https://www.mhlw.go.jp/content/000903640.pdf

また、厚生労働省は「オンライン診療は、文字、写真及び録画動画のみのやりとりで完結してはならない。」としていますので、チャットのみで診療を完結している医療機関は不信感が残るところでもあります。確かに、文字だけのやり取りは時間を合わせる必要もなく、とても楽ではありますが、通販での低用量ピルの入手と同様に不信感が募るところです。そのため、低用量ピルを正しく使いたいという方は、きちんとしたオンライン診療を行っている医療機関での診療を受けることをおすすめします。

クリニックフォアでは、スマートフォンやパソコンのビデオ通話、もしくは音声通話を活用したオンライン診療を行っています。インターネット上での予約と事前のweb問診への記入を行っていただいた上で、これらの診察をさせていただき、低用量ピルを処方させていただいております。決済もインターネット上で完結し、処方した薬は最短当日郵送をさせていただきますので、手間もほとんどかかりません。

低用量ピルの処方を検討されている方は、クリニックフォアのオンライン診療を是非ご活用ください。

参考文献

内閣府 https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201403/2.html#section3

一般社団法人偽造医薬品情報センター https://www.yakubutsu.mhlw.go.jp/individualimport/risk/damage.html

診療ガイドライン http://www.jsog.or.jp/news/pdf/CQ30-31.pdf

厚生労働省 https://kouseikyoku.mhlw.go.jp/kantoshinetsu/iji/documents/3chuijiko.pdf

厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/content/000903640.pdf