
※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
処方薬と市販薬の決定的な3つの違い
処方薬と市販薬の違いは、主に「成分」「価格」「配合」の3点に集約されます。
花粉症を含むアレルギー性鼻炎の医療費は、保険診療で約3,600億円(診察等の医療費約1,900億円、内服薬約1,700億円)、市販薬で約400億円と推計されています[1]。この数字からも分かるように、多くの方が医療機関での治療と市販薬を使い分けています。
| 比較項目 | 処方薬 | 市販薬 |
| 入手方法 | 医療機関での診察が必要 | ドラッグストアで即日入手可能 |
| 費用負担 | 保険適用で3割負担 | 全額自己負担 |
| 成分の種類 | 新薬を含む幅広い選択肢 | スイッチOTC成分が中心 |
| 処方の調整 | 症状に合わせて医師が調整 | 既製品から自己選択 |
成分の違い:同じ成分が買える「スイッチOTC」と「新薬」
市販薬の中には、かつて処方薬として服用されていた成分が「スイッチOTC」として販売されているものがあり、これらは処方薬と同等の効果が期待できます。
代表的なスイッチOTC成分は、フェキソフェナジン(アレグラ等)やエピナスチン(アレジオン等)などの第2世代抗ヒスタミン薬です。これらは眠気の出にくいお薬として知られています[2]。
一方、医療機関でしか処方されない新しいお薬も存在します。抗ヒスタミン薬は眠気などの副作用がありますが、近年はビラノアに代表される眠気の出にくいお薬も開発されており、医師の診察を受けることで、より症状に適したお薬を選択できる可能性があります。
<それぞれのメリット>
スイッチOTC:医療機関に行かずに同成分のお薬が手に入る、待ち時間なく即日入手できる
処方薬のメリット:市販されていない新しい成分のお薬を選べる、症状に合わせて医師が処方を調整できる
価格の違い:保険適用がお得になる「期間」の目安
花粉症のお薬を継続服用する場合、保険適用の処方薬と市販薬のどちらがお得かは、服用期間によって変わります。
短期間(1〜2週間程度)服用の市販薬だと、受診の手間がなく、総額で安くなる傾向がありますが、長期間(1ヶ月以上)の処方薬であれば、保険適用の3割負担により、継続するほどコストメリットが出やすいです。ただし、お薬の種類によって費用に幅があることには注意が必要です。
また、医療機関における医療用医薬品の処方については、医師の判断により長期処方が可能な場合もあります。これにより、通院回数を減らしながら処方薬を継続できます。
配合の違い:単一成分の処方薬と複合成分の市販薬
処方薬と市販薬では、成分の配合方法に違いがあります。
処方薬は多くの場合、単一成分で処方されます。薬物療法では鼻水を抑える抗ヒスタミン薬の飲み薬や、鼻の炎症を抑える点鼻ステロイド薬、鼻づまりを改善する作用があるロイコトリエン受容体拮抗薬などが用いられます[2]。医師はこれらを症状に合わせて個別に処方できます。
一方、市販薬には複数の成分を配合した「総合感冒薬タイプ」の製品が多く存在します。薬局などで入手できる市販の点鼻薬の多くは血管を収縮させる成分を含んでいることが多く、これらのお薬は服用するとすぐに鼻づまりがよくなる感じがしますが、長く使い続けると血管を収縮させる成分による「薬剤性鼻炎」を引き起こすことがあります[3]。
市販薬を服用する場合は成分と対象年齢をよく確認し、なんとなく使い続けることがないようにしてください。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
市販薬を購入する際のポイントと注意点
市販薬を選ぶ際は、「成分の種類」と「副作用のリスク」を理解することが重要です。
花粉症の市販薬は、医療機関を受診せずに手軽に入手できる一方、選び方を誤ると十分な効果が得られなかったり、副作用が起こる可能性があります。特に仕事や運転をする方は、眠気の出にくいお薬を選ぶことが大切です[2]。
市販薬を選ぶ際の主なチェックポイントは以下の3点です。
<市販薬選びの3つのポイント>
- 眠気の副作用が少ない「第2世代抗ヒスタミン薬」を選ぶ
- 点鼻薬は血管収縮剤の長期連用を避ける
- 他のアレルギー疾患でお薬を服用中の場合は、効果が重複することもあるため成分を確認する
また、市販薬を服用しても症状が改善しない場合や、症状が重い場合は、医療機関を受診しましょう。花粉症と診断され、処方薬を服用することにより症状が落ち着いているときなどは、オンライン診療の利用について医師に相談することも可能です。
眠くなりにくい「第2世代抗ヒスタミン薬」を選ぶ
仕事中の眠気を避けたい方は、「第2世代抗ヒスタミン薬」を選びましょう。
抗ヒスタミン薬は花粉症治療の基本となるお薬ですが、眠気などの副作用があります。しかし、近年は眠気の出にくいお薬も開発されています[2]。これが「第2世代抗ヒスタミン薬」と呼ばれるタイプです。
| 分類 | 特徴 | 代表的な成分例 |
| 第1世代 | 効果は強いが眠気が出やすい | クロルフェニラミンなど |
| 第2世代 | 眠気が出にくく、1日1〜2回の服用で効果が持続 | フェキソフェナジン、ロラタジンなど |
第2世代抗ヒスタミン薬の中でも、眠気などの副作用により自動車運転などを控えるべきお薬もあることから、医師や薬剤師の説明はよく聞いてください。
パッケージや添付文書に「眠くなりにくい」「運転に関する注意がない」などの記載があるかを確認し、不明な点は薬剤師に相談しましょう。
点鼻薬に含まれる「血管収縮剤」の使いすぎに注意
市販の点鼻薬を長期間服用し続けると、「薬剤性鼻炎」を引き起こすリスクがあります。
薬局などで入手できる市販の点鼻薬の多くは、血管を収縮させる成分を含んでいます。これらのお薬は服用するとすぐに鼻づまりがよくなる感じがしますが、長く使い続けると血管を収縮させる成分による「薬剤性鼻炎」を引き起こします[3]。
<血管収縮剤入り点鼻薬の注意点 >
- 即効性があるが、長期連用で効きにくくなる
- 服用を中止すると、かえって鼻づまりが悪化することがある
- 特に2歳未満の幼児では、呼吸抑制などの副作用が起こる可能性がある
市販薬を服用する場合は成分と対象年齢をよく確認し、なんとなく使い続けることがないようにしてください[3]。
鼻づまりが続く場合は、血管収縮剤に頼らず、医療機関を受診して処方薬の鼻噴霧用ステロイド薬などを検討することをおすすめします。処方薬のステロイド点鼻薬は鼻粘膜だけに作用して、全身に影響が及ぶことはないので、子どもでも使用しやすいお薬です。
お薬が効かない・副作用が不安な人の対処法
お薬が効かない、または副作用が心配な方には、「服用を始めるタイミングの見直し」と「アレルゲン免疫療法の検討」という2つの選択肢があります。
花粉症は、一般に症状が悪化するとお薬の効果が得られにくくなるため、症状が軽いうちに症状を抑えるお薬を使い始める「初期療法」が勧められています。飛散開始時期や症状がごく軽いときからお薬の服用を開始することで、症状を抑えられることがわかっています[4]。
<お薬が効きにくいと感じる方への対処法>
- 本格的な花粉飛散開始の1週間前までにお薬を準備し、服用を開始する
- 医療機関を受診し、症状に合った処方薬に変更してもらう
- 対症療法で効果が不十分な場合は、アレルゲン免疫療法を検討する
薬物療法で副作用が出るために治療が続けられない方や、薬物療法だけでは症状が抑えられない方では、アレルゲン免疫療法が考慮されます。この治療法は、スギ花粉の成分が含まれたお薬を定期的に服用し、アレルギー反応が発生しないようにするものです。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
根本的に治したいなら「アレルゲン免疫療法」の検討を
対症療法ではなく花粉症を根本から改善したい方には、「舌下免疫療法」という選択肢があります。
舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、体を慣らしアレルギー反応を弱めていく治療法です。スギまたはダニアレルギーと診断された方が対象となり、舌の下にお薬を置くことで、アレルギーの原因物質に対する耐性をつけることを目的としています。
<舌下免疫療法の特徴>
- 対症療法と異なり、アレルギー体質そのものの改善を目指せる
- 1日1回の服用を継続する治療法
- 治療期間は数年間必要だが、症状の改善が期待できる
なお、舌下免疫療法はアレルギーの原因物質を体内に取り込む治療であり、初回の服用でアレルギー症状が強く出る可能性があります。そのため、初回は医療機関内で医師の監督のもとで行う必要があります。
クリニックフォアでは、対面診療でスギ・ダニアレルギー確定診断のための血液検査と初回導入が可能です。2回目以降はオンライン診療で継続処方を受けられるため、通院の負担を軽減できます。
| お薬の名称 | 対象 | お薬代(60日分) |
| シダキュア | スギ花粉症 | 2,700円(税込) |
| ミティキュア | ダニアレルギー | 3,600円(税込) |
※スギ舌下免疫治療の新規治療は、毎年GW明け〜年末の間に受け付けています(花粉飛散期は開始不可)。
\予約時は”アレルギー科”にてご予約ください/
※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。
まとめ
花粉症の薬は、成分が同じ「スイッチOTC」であれば市販でも医療機関と同等の効果が期待できます。しかし、2週間以上続く場合や、鼻づまりがひどい場合、根本治療を望む場合は、保険適用でコストを抑えられ、治療の選択肢が多い「処方薬」が適しています。
まずは市販薬(第2世代)で様子を見つつ、改善が見られない場合は早めに受診することで、つらい季節を快適に乗り切りましょう。

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。
