アレジオン(エピナスチン)点眼薬の効果と副作用|コンタクト使用やLXとの違いも解説

花粉症やアレルギーによる「目のかゆみ」は、仕事や日常生活の集中力を奪う辛い症状です。

眼科で処方される「アレジオン(エピナスチン)点眼液」は、こうした症状を抑える代表的な医療用医薬品ですが、「コンタクトをしたまま使えるの?」「市販品はあるの?」「1日何回さしたらいいの?」といった疑問を持つ方も少なくありません。

本記事では、アレジオン点眼液の基本的な効果や使い方、副作用、そしてよく比較される「アレジオンLX点眼液」との違いについて、公的機関のデータや添付文書情報をもとに解説します。

  

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アレジオン(エピナスチン)点眼液の基本効果と用法

アレジオン点眼液(一般名:エピナスチン塩酸塩点眼液)は、アレルギー性結膜炎の治療に用いられる医療用医薬品です[1]。花粉やハウスダストなどのアレルゲンによって引き起こされる目のかゆみ、充血、涙目といった症状を改善する効果があります。

臨床試験では、アレジオン(エピナスチン)点眼液はプラセボ(偽薬)と比較して、眼そう痒感スコア(目の痒みの程度)および結膜充血スコア(眼球結膜の充血度)を有意に抑制したことが報告されています[1]。具体的には、眼そう痒感スコアにおいて、プラセボ群1.7±0.7に対し、アレジオン(エピナスチン)点眼液群は0.4±0.7と低値を示し、有意な症状の改善が認められました。(群間差−1.3、P<0.001)。

通常の用法は、1回1滴を1日4回(朝、昼、夕方、就寝前)点眼します。効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないよう注意が必要です。

作用の仕方

アレジオン(エピナスチン)点眼液の有効成分であるエピナスチン塩酸塩は、主に2つの作用機序を持っています。

1. ヒスタミンH1受容体拮抗作用(抗ヒスタミン作用)

花粉などのアレルゲンが体内に侵入すると、肥満細胞(マスト細胞)からヒスタミンが放出されます[2]。このヒスタミンが結膜表面の神経を刺激することで、目のかゆみや充血が生じます。エピナスチン塩酸塩はヒスタミンH1受容体に対して高い親和性を示し、ヒスタミンが受容体に結合するのをブロックすることで症状を抑えます[1]

2. メディエーター遊離抑制作用

エピナスチン塩酸塩は、肥満細胞からヒスタミンなどのアレルギー症状を引き起こす物質(メディエーター)が放出されるのを抑制する作用も持っています[1]

このように、アレジオン(エピナスチン)点眼液は「すでに放出されたヒスタミンの作用を抑える」と「ヒスタミンの放出自体を抑える」という2つの働きによって、目のアレルギー症状を改善します[1][2]

1日の点眼回数とタイミング

アレジオン(エピナスチン)点眼液0.05%の標準的な用法は、1回1滴を1日4回点眼することです[1]。点眼のタイミングは朝、昼、夕方、就寝前が推奨されています。

長期投与試験(8週間)では、1日4回点眼を継続した結果、眼そう痒感スコアが点眼開始時2.8±0.5から、7日目2.2±0.9、14日目1.9±1.0、28日目1.5±0.9、42日目1.2±0.9、56日目0.6±0.7と、継続使用によって段階的に改善していくことが示されています。

点眼する際は、以下の点に注意しましょう。

  • 点眼前に手を清潔にする
  • 容器の先端が目やまつげに触れないようにする
  • 点眼後は目を閉じて、目頭(涙のう部)を軽く押さえる

なお、花粉症の治療では、花粉飛散開始の1〜2週間前からお薬の使用を開始する「初期療法」が有効であることが知られています[3][4]。症状が出てからではなく、早めに医療機関を受診して治療を開始することで、症状を軽減できる可能性があります。

コンタクトレンズ装用中の点眼について

アレジオン(エピナスチン)点眼液は、防腐剤として一般的に使用される「ベンザルコニウム塩化物」を含まない製剤設計が特徴です[1]。多くの抗アレルギー点眼薬にはベンザルコニウム塩化物が配合されていますが、この成分はソフトコンタクトレンズに吸着して角膜障害を引き起こす可能性があるため、点眼時にはレンズを外す必要があります。

一方、アレジオン(エピナスチン)点眼液(0.05%および0.1%)はベンザルコニウム塩化物を含有していないため、ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼することが可能です。この点は、日常的にコンタクトレンズを使用している方にとって大きなメリットといえます。

ただし、アレルギー性結膜炎の治療期間中は、病状悪化の防止や抗原(花粉など)の回避の観点から、コンタクトレンズの装用自体を中止することが原則とされています。コンタクトレンズの装用を継続するかどうかは、症状の程度や治療方針によって異なるため、担当医師の判断を仰ぐことが大切です。

ソフトコンタクトレンズ使用時の注意点

ソフトコンタクトレンズは、素材の性質上、点眼液に含まれる成分を吸着しやすい特徴があります。特に防腐剤であるベンザルコニウム塩化物を吸着すると、レンズを介して角膜に長時間接触し、角膜上皮障害を引き起こす可能性が指摘されています。

アレジオン(エピナスチン)点眼液はベンザルコニウム塩化物を含まないため、薬剤とコンタクトレンズとの相互作用による問題は起こりにくいとされています[1]。このため、医師から特別な指示がない場合は、ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼することが可能です。

しかし、花粉症などのアレルギー性結膜炎の時期は、コンタクトレンズ自体に花粉が付着して症状を悪化させることがあります。症状が強い時期は、メガネへの切り替えを検討することも有効な対策です[2][4]。花粉症用のメガネを使用すると、目に入る花粉量を約1/4程度に減少させることができます[3]。コンタクトレンズの装用を続けるかどうかは、担当医師に相談のうえ判断しましょう。

点眼後にコンタクトを装着するまでの時間

アレジオン(エピナスチン)点眼液はベンザルコニウム塩化物を含まないため、添付文書上、点眼後にコンタクトレンズを再装着するまでの待機時間に関する特別な記載はありません[1]。装用したまま点眼できる点が本剤の特徴です。

一般的に、点眼薬を使用する際は以下の点に注意が必要です。

  • 容器の先端が目やまつげに直接触れないようにする
  • 点眼後は1〜5分間まぶたを閉じ、目頭(涙のう部)を軽く押さえる
  • 薬液が目の周りの皮膚についた場合は、すぐにふき取る
  • 他の点眼薬を併用する場合は、少なくとも5分以上間隔をあける

コンタクトレンズを外して点眼する場合は、一般的な点眼薬では15分以上経過してから再装着することが推奨されています[5]。アレジオン(エピナスチン)点眼液の場合、防腐剤フリーのため長い待機時間は不要ですが、目の調子や医師の指示に応じて対応してください。

アレジオン(エピナスチン)点眼液とアレジオンLX点眼液の違い

アレジオン(エピナスチン)点眼液には、「アレジオン点眼液0.05%」と「アレジオンLX点眼液0.1%」の2種類があります。どちらも有効成分はエピナスチン塩酸塩ですが、濃度と1日の点眼回数が異なります[1]

項目アレジオン点眼液0.05%アレジオンLX点眼液0.1%
有効成分濃度0.05%0.1%(2倍)
1日の点眼回数4回(朝
・昼
・夕方
・就寝前)
2回(朝
・夕)
ベンザルコニウム塩化物含まない含まない
コンタクトレンズ装用中の点眼可能可能

アレジオンLX点眼液0.1%は、濃度を高くすることで効果の持続時間を延長し、1日2回の点眼で0.05%製剤を1日4回点眼した場合と同等の効果が得られるよう設計されています。臨床試験においても、アレジオンLX点眼液0.1%(1日2回点眼相当)とアレジオン点眼液0.05%(1日4回点眼相当)の眼そう痒感スコアに有意差は認められませんでした[1]

仕事や学校で日中に点眼しにくい方には、1日2回で済むアレジオンLX点眼液0.1%が適している場合があります。どちらの製剤が適しているかは、症状の程度やライフスタイルによって異なるため、担当医師に相談しましょう。

  

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アレジオン(エピナスチン)点眼薬の副作用と使用上の注意

アレジオン(エピナスチン)点眼液は比較的副作用が少ない医療用医薬品ですが、使用前に副作用の種類や頻度を把握しておくことが大切です。臨床試験(130例対象、8週間投与)において、副作用が認められた割合は2.3%(3例)でした[1]

主な副作用は以下のとおりです。

副作用頻度
眼刺激(しみる感じ)1〜5%未満
眼の異物感0.1〜1%未満
羞明(まぶしさ)0.1〜1%未満
眼瞼炎、眼痛、流涙、点状角膜炎、眼そう痒感、結膜充血、眼脂頻度不明

これらの副作用が現れた場合は、投与を中止するなど適切な処置を行う必要があります。症状が気になる場合や長引く場合は、自己判断で使用を続けず、担当医師または薬剤師に相談しましょう。

また、本剤の成分に対して過敏症(アレルギー反応)の既往歴がある方は使用できません。効果が不十分なまま長期間使用し続けることは避け、医師に相談してください。

代表的な副作用の症状

アレジオン(エピナスチン)点眼液で報告されている代表的な副作用について解説します。

眼刺激(1〜5%未満)点眼直後に目がしみる、ピリピリするといった刺激感を覚えることがあります。多くの場合は一時的な症状ですが、強い痛みを感じる場合は医師に相談してください。
眼の異物感
・羞明(0.1〜1%未満)
目にゴロゴロとした異物感を抱いたり、光をまぶしく感じたりすることがあります。症状が続く場合は点眼を中止し、医療機関を受診しましょう。
その他の副作用(頻度不明)眼瞼炎(まぶたの炎症)、眼痛、流涙(涙が出やすくなる)、点状角膜炎、眼のかゆみ、結膜充血、眼脂(目やに)なども報告されています。

長期投与試験では、8週間の使用で副作用発現率は2.3%と低い数値でした[1]。ただし、異常を感じた場合は使用を中止し、医師に相談することが重要です。

妊娠中・授乳中の使用可否

妊娠中や授乳中の方がアレジオン(エピナスチン)点眼液を使用する場合は、医師への相談が必要です。

添付文書では、以下のように記載されています[1]

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること

点眼薬は局所投与であるため、内服薬に比べて全身への影響は極めて低いと考えられていますが、必ず医師に相談してください。

授乳中の使用においては、エピナスチン塩酸塩を点眼投与した際の血漿中濃度は極めて低く、点眼による血中への移行はほぼないと考えられています。

ただし、授乳中の女性への使用経験は限られているため、使用する場合は医師に相談してください。点眼後は涙のう部(目頭)を圧迫し、まぶたを閉じることで、全身への移行を最小限に抑えることができます[1]

アレジオン(エピナスチン)点眼薬の市販状況と入手方法

アレジオン点眼液(エピナスチン塩酸塩点眼液)は、医療用医薬品に分類されており、医師の処方箋が必要です。ドラッグストアや薬局で直接購入することはできません。

入手するには医療機関の受診が必要です。アレジオン(エピナスチン)点眼液を使用したい場合は、眼科やアレルギー科、耳鼻咽喉科、内科などを受診し、医師の診察を受けたうえで処方してもらう必要があります。

花粉症の症状が出始める前(花粉飛散開始の1〜2週間前)から治療を開始する「初期療法」が有効とされているため、症状が本格化する前に受診することが推奨されます[3][4]

市販(OTC医薬品)の抗アレルギー点眼薬も販売されていますが、アレジオン点眼液と同一成分(エピナスチン塩酸塩)の市販点眼薬は現時点では販売されていません。

市販の目薬で症状が十分に改善しない場合や、症状が強い場合は、医療機関を受診してアレジオン(エピナスチン)点眼液などの医療用医薬品を処方してもらうことを検討しましょう。

なお、花粉症のセルフケアとしては、花粉症用のマスクやメガネの着用が有効です。花粉症用メガネを使用すると、目に入る花粉量を約1/4程度に減少させることができます[3]

花粉症の根本治療に免疫舌下療法もおすすめ

アレジオン(エピナスチン)点眼液などの対症療法でつらい症状を抑えることはできますが、花粉症を根本から改善したい方には「舌下免疫療法」という選択肢があります。

舌下免疫療法は、アレルギーの原因物質(アレルゲン)を少しずつ体内に吸収させることで、体を慣らしてアレルギー反応を弱めていく治療法です。スギまたはダニアレルギーと診断された方が対象で、舌の下にお薬を置くことで体の免疫を刺激し、アレルゲンに対する耐性をつけることを目的としています。

クリニックフォアでは、舌下免疫療法のオンライン診療(継続処方)を行っています。

お薬名対象お薬代(60日分
・税込)
シダキュア スギ花粉舌下錠5,000JAUスギ花粉症2,700円
ミティキュア ダニ舌下錠10,000JAUダニアレルギー3,600円

お薬代のほかに、診察料・システム利用料2,200円(税込)がかかりますが、配送料は無料です。

注意点として、舌下免疫療法はアレルゲンを体内に取り込む治療のため、初回は医療機関で医師の監督のもと行う必要があります。

オンライン診療で受診できるのは、すでに舌下免疫療法を開始している方の継続処方のみです。

スギ舌下免疫療法の新規治療は花粉飛散期には開始できず、毎年GW明け〜年末の間に受け付けています。

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アレジオン(エピナスチン)点眼薬に関するよくある質問

アレジオン(エピナスチン)点眼液について、多くの方から寄せられる疑問にお答えします。使用方法や注意点について不明な点がある場合は、担当医師または薬剤師にご相談ください。

アレジオン(エピナスチン)点眼薬は子どもでも使えますか?

アレジオン(エピナスチン)点眼液は、子どもにも使用されることがありますが、12歳未満の子どもを対象とした臨床試験は実施されていません[1]

使用成績調査(2013年12月〜2016年11月)のデータによると、15歳未満の小児への使用例は1,100例報告されており、副作用発現率は以下のとおりでした。

年齢区分使用例数副作用発現率
7歳未満376例0.53%(2例)
7歳以上15歳未満724例1.$(9例)

主な副作用は眼刺激感(4件)、眼瞼炎(4件)などでした。

なお、近年では花粉症の発症年齢が低年齢化しており、小児の花粉症患者も増加しています[2]。お子さんに花粉症の症状がみられる場合は、小児科や眼科を受診し、年齢や症状に応じた適切な治療法について医師に相談しましょう。

他の目薬(緑内障治療薬など)と併用する際の順番は?

アレジオン(エピナスチン)点眼液を他の点眼薬と併用する場合は、少なくとも5分以上の間隔をあけてから点眼してください[1]

間隔をあける理由は、先に点眼したお薬が十分に目に吸収される前に次のお薬を点眼すると、先のお薬が洗い流されてしまい、効果が十分に発揮されない可能性があるためです。

<併用時の一般的なポイント>

  • 水溶性の点眼薬を先に、懸濁性(にごりのある)点眼薬や油性の点眼薬は後に点眼する
  • 眼軟膏を使用する場合は、点眼薬をすべて使用した後に塗布する
  • 複数の点眼薬を使用している場合は、順番について医師または薬剤師に確認する

緑内障治療薬など他の点眼薬を使用している方は、診察時に必ず医師に伝え、点眼の順番や間隔について具体的な指示を受けてください。

開封後はいつまで使えますか?

アレジオン(エピナスチン)点眼液の添付文書には、保管について「室温保存」と記載されています[1]。開封後の具体的な使用期限については添付文書に明記されていませんが、一般的に医療用点眼薬は開封後約1ヶ月を目安に使い切ることが推奨されています。

<点眼薬を適切に保管するためのポイント>

  • 直射日光を避け、涼しい場所で保管する
  • 容器の先端が目やまつげ、手などに触れないよう注意する
  • 点眼後は速やかにキャップを閉める
  • 他の人と共用しない

点眼薬は開封後、空気中の細菌や手指からの汚染によって品質が低下する可能性があります。容器の先端が直接目に触れないよう注意し、薬液汚染を防止することが大切です。

使用期限内であっても、液に濁りや浮遊物がみられる場合、色が変わっている場合は使用を中止し、新しいものを処方してもらいましょう。

まとめ

アレジオン(エピナスチン)点眼薬は、アレルギー性結膜炎の症状を緩和するための有効な医療用医薬品です。基本的には1日4回の点眼が必要ですが、より回数の少ない「LX点眼液」も存在します。

コンタクトレンズ装用中の使用には注意が必要なため、必ず医師の指示に従ってください。

また、点眼薬の使用だけでなく、環境省や厚労省が推奨するように、マスクやメガネで「花粉を浴びない対策」を併用することが、辛い症状を乗り切るための近道です。

目に違和感がある場合や、市販薬で改善しない場合は、早めに眼科を受診しましょう。

  

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参考文献

  1. 厚生労働省. 的確な花粉症の治療のために. 平成22年度厚生労働科学研究補助金 免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業.
  2. 厚生労働省. アレルギー性鼻炎・花粉症(リウマチ・アレルギー情報).
  3. 環境省. 花粉症対策 スギ花粉症について日常生活でできること. 2024年1月.
  4. KEGG MEDICUS. 医療用医薬品:アレジオン(アレジオン点眼液0.05%)添付文書情報.
  5. 愛知県薬剤師会. Q20.点眼薬を使用する際の注意を教えてください?
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