梅毒は完治する?完治までの期間・判定方法・注意点などを解説!

梅毒は、梅毒トレポネーマという細菌が原因となる性感染症(5類感染症)です。キスやオーラルセックスを含む性行為で感染する可能性があります。
昔は梅毒に対して有効な治療法がなく、感染すると死に至ることが多い不治の病でした。しかし、現在では適切な治療を受ければ原則完治ができるため、感染したら早めに治療を受けることが重要です。この記事では、梅毒の完治について、判定方法や注意点など、さまざまな情報をお伝えします。

梅毒は完治する?

昔は梅毒に対して有効な治療法がなく、死に至ることが多い不治の病でした。しかし、現在は早期に適切な治療を受ければ完治を目指すことが可能です。治療は抗生物質(ペニシリン)の飲み薬で行うことが一般的です。

進行すると後遺症が残ることがある

梅毒は4段階で進行し、感染から数年~10年以上経つと晩期顕症梅毒(第3~4期)にいたることがあります。晩期顕症梅毒になると、脳や心臓に影響が出たり、麻痺が出たりして、命にかかわることもあるので注意が必要です。

そして、晩期顕症梅毒まで進行してしまうと、そこから治療を始めても完治は難しいと考えられています。ある程度治療成果が出たとしても、後遺症が残ることが多いとされています。そのため、早期発見、治療が非常に大事です。

とはいえ、現代では、梅毒が第3期以降に進行することはほとんどないとされています。

昔は完治が難しい病気だった

梅毒の治療法(ペニシリン製剤の開発)が確立するまでは、梅毒に治療法はなく、死に至ることも多い病気でした。

ペニシリンが発見されたのは1929年(昭和4年)で、ペニシリンによる梅毒治療が成功したのは1943年(昭和18年)です。それまでは、水銀を使った治療など、危険な治療も行われていました。

梅毒の治療法と完治までの期間

梅毒の治療では、2~12週間にわたって抗生物質(ペニシリン)を投与することが一般的です。治療期間は、病気が進行するほど長くなり、第1期の場合は2~4週間、第2期の場合は4~8週間、第3期以降の場合は8~12週間程度かかります。

なお、薬の投与が終わっても、半年程度は経過観察をし、定期的な検査で完治しているかどうか確認する必要があります。だいたい、治療終了から半年以内には完治の判定が下されることになるでしょう。

完治と間違いやすい「潜伏梅毒」とは

梅毒は、症状のない時期を挟んで徐々に進行する病気です。症状がない状態は「潜伏梅毒」などと呼ばれます。

まず、感染から3~6週間の潜伏期を経て、しこりといった第1期の症状が現れます。この症状は数週間で解消され、再び症状がない状態が4~10週間続きます。

続いて、全身の発疹といった第2期の症状が現れ、これも数週間~数ヶ月で自然と解消されます。そして再び症状がない状態が続きます。この後、再び第2期の症状が現れたり、第3期に進行したりすることがあります。このように、梅毒は症状がなくても完治しているわけではないため注意が必要です。

なお、感染から1年以内の症状がない状態は「早期潜伏梅毒」、1年以上経過した後の症状がない状態は「後期潜伏梅毒」と呼ばれます。

梅毒の完治を判定する方法

梅毒には、症状のない潜伏梅毒の時期があることから、治療後は、完治したかどうかを検査する必要があります。

この検査は、血液検査(RPR抗体定量検査)によって実施することが一般的です。日本性感染症学会の「性感染症診断・治療ガイドライン2016」では、自動化法(専用の機械で測定する方法)で、治療前の2分の1以下の数値となり、16R.U.未満に低下しているかどうかが完治の目安とされています。

また、検査は治療が終わってから半年程度の間に複数回行うことが一般的です。半年以上経っても数値が改善されない場合は、治療効果が出ていないか、再感染の可能性があるため、再治療が必要です。

半年たっても数値が改善されない場合は、HIV感染に梅毒が併発しているケースが多いため、HIVの検査を行うこともあります。

知っておきたい!梅毒完治後のこと

最後に、梅毒が完治した後のことも知っておきましょう。完治後も注意すべきことがいくつかあります。

再度感染することがある

梅毒は、一度完治したからといって、今後かからないという病気ではありません。再度感染することがあるため、今後も梅毒の感染には気をつけましょう。性行為の際は、コンドームを使うことである程度予防につながるとされています。

また、自分が梅毒に感染していた場合は、パートナーも検査・治療をしておくことが大事です。自分の治療が終わっても、パートナーが感染したままであれば、再度自分に感染(ピンポン感染という)するリスクがあります。

治療が不十分だと再発することがある

治療が不十分だと、再発することがあります。そのため、処方された通りに最後まで薬を飲み、完治の確認のための検査もきちんと受けましょう。

完治後にうつすことはない

適切に治療を終え、完治の判定を受けていれば、パートナーにうつすことはありません。一方で、無治療の場合は、症状がなくても完治したわけではなく、潜伏期間の可能性が高いです。第1期と第2期が特に感染力が強く、潜伏期間でもうつすことがあるので注意しましょう。

献血はできない

一度でも梅毒に感染したことがあれば、完治しても献血はできません。

梅毒の治療はクリニックフォアで!

梅毒を完治させるためには、早期発見、治療が重要です。放置するほどに症状はひどくなり、治療期間も長くなるためです。

クリニックフォアでは、対面診療とオンライン診療で梅毒の検査と治療を行っています。他の医療機関などですでに検査をしている場合も、薬の処方が可能なので、まずはご相談ください。

参考文献

  1. 日本性感染症学会誌
  2. NIID 国立感染症研究所
  3. 厚生労働省‐梅毒に関するQ&A