口唇ヘルペスとは?症状・原因・感染経路・検査・治療法を徹底解説!

ヘルペスは、小さな水ぶくれが現れる、急性の炎症性皮膚疾患です。
さまざまな場所に症状が現れることがありますが、中でも口唇ヘルペスや性器ヘルペスは聞いたことがあることも多いでしょう。

この記事では、唇の周辺にできる「口唇ヘルペス」の症状や原因、検査、治療、予防などについて詳しく解説します。

口唇ヘルペスとは

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルスに感染することで、唇やその周りに、軽い痛みを伴う⽔ぶくれができる病気です。

発熱や風邪、疲れ、ストレスなどが生じており、免疫力が低下している時に症状が出やすい傾向があります。また、年に複数回発症(再発)することもあります。

口唇ヘルペスの患者数

世界では、50歳未満で約37億人(67%)が単純ヘルペスウイルス1型に感染していると推定されています。日本でも、10人に1人が感染していると考えられています。なお、感染していても無症状の人もいるため、発症している患者数はこれらの数字よりも少なくなります。

また、ヘルペスはさまざまな場所に発症しますが、日本皮膚科学会によると、口唇ヘルペスが最も多いとされています。

口唇ヘルペスの症状

唇やその周りに赤い小さな⽔ぶくれがいくつかでき、軽い痛みを伴うことが特徴です。鼻のまわりや頬、眼の周りに症状が出ることもあります。

なお、みずぶくれは3~5日ほどでかさぶさになり、トータルで1~2週間ほどで治ることが一般的ですが、水ぶくれがただれてしまうこともあります。

また、初めて感染した時は無症状のことが多いです。一方で、初めて症状が出る時は、症状が重くなることがあります。

症状が似ているものに口唇炎やニキビがあります。口唇炎やニキビと異なる口唇ヘルペスの症状の特徴は、水ぶくれができる前に、ピリピリ感やチクチク感といった違和感を感じる人が半数程度いるという点です。この後に赤くはれ、水ぶくれができます。

口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスの原因はヘルペスウイルスです。

ヘルペスウイルスは、口唇ヘルペスや性器ヘルペスの原因となる「単純ヘルペスウイルス(HSV)」と、その亜型であり、水ぼうそうや帯状疱疹の原因となる「水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)」に大きく分類できます。

成人の半数以上は、子どもの時に単純ヘルペスウイルスに感染しているとされています。感染時は症状がないことが多いですが、免疫力が低下するとウイルスが活性化して症状が現れるのです。

また、単純ヘルペスウイルスには1型と2型があり、口唇ヘルペスは主に1型が原因となります。1型は口唇ヘルペスだけでなく、性器ヘルペスの原因にもなります。2型は基本的に性器ヘルペスの原因となりますが、稀に角結膜炎やヘルペス性皮膚炎、脳炎も起こすことがあります。

口唇ヘルペスの感染経路

口唇ヘルペスは、接触感染や飛沫感染します。水ぶくれにウイルスが含まれているため、発症している人の患部に触ったり、キスしたりすると感染することがあるのです。さらに、唾液にウイルスが含まれる場合は、飛沫(咳、くしゃみ、会話など)によって感染することもあります。

また、ウイルスがついた手指や器具も感染源となりえます。食器やタオルを洗わずに一緒に使うと感染することがあるため注意しましょう。

口唇ヘルペスの潜伏期間

口唇ヘルペスの潜伏期間(感染から発症までの期間)は3~7日程度とされています。ただし、感染しても無症状のままである場合も多いです。

口唇ヘルペスの検査・治療は何科に行けばいい?

口唇ヘルペスは、基本的に皮膚科の領域となりますが、内科でも対応している場合があります。気になる症状があれば早めに受診しましょう。

口唇ヘルペスの検査方法

口唇ヘルペスの診断の際は、病変の観察と、抗原検査や抗体検査を行います。

抗原検査とは、検出したいウイルス(口唇ヘルペスの場合は単純ヘルペスウイルス)が存在するかどうかを調べる検査です。血液検査や、患部から出る浸出液を綿棒などでぬぐって調べる方法などがあります。なお、浸出液を使う検査は症状がないとできません。

また、抗体検査は、調べたい病気のウイルス(単純ヘルペスウイルス)に対する抗体があるかどうかを調べる検査です。血液検査で行います。

感染から時間が経過しすぎると、症状が悪化したり、感染しているのに抗体検査が陰性になってしまったりすることがあります。そのため、検査はできるだけ早めに受けましょう。

ただし、正しい結果を得るには、抗原検査の場合は感染から24時間以上、抗体検査の場合は1ヶ月以上経過している必要があります。それよりも早いと本来は陽性になるはずが、陰性となってしまうことがあります。

検査費用

自由診療の場合は8,000円程度、保険適用の場合は2,000円程度が相場とされています。いずれも、別途診察料などがかかることがあります。

口唇ヘルペスの治療方法

口唇ヘルペスの治療には、抗ウイルス作用のある塗り薬や飲み薬を使います。この薬は、ウイルスの増殖を抑えて症状を改善するものです。ウイルスを体内から完全に排除する治療薬はないため、治療後も再発リスクがある点に注意しましょう。

治療費用

保険適用の場合は1,000~3,000円程度、自由診療の場合はさらに費用が高くなることが一般的です。また、別途診察料などがかかることがあります。

口唇ヘルペスの予防法

最後に、口唇ヘルペスの感染と再発の予防法について見ていきましょう。

感染予防

患部にはウイルスが含まれているので、発症している人とキスなどの接触をすることは避けましょう。

また、食器やタオルなどはそのまま共用せず、使い終わったら洗剤でしっかり洗います。なお、他の食器や服と一緒に洗うことは問題ありません。患部を触ったときは、手指もしっかり洗いましょう。

再発予防

単純ヘルペスウイルスは、子どもの頃に感染していることが多いので、発症・再発を防ぐことが大事です。

口唇ヘルペスは、発熱や風邪、疲れ、ストレスなどによって免疫力が低下している時に症状が出やすいとされています。そのため、免疫力が低下しないように注意しましょう。

疲れやストレスを避け、十分な休養、睡眠をとり、規則正しい生活を心がけることが大事です。バランスのよい食事も意識しましょう。

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また、他の医療機関等で検査した結果がある場合は、結果をもとに治療することも可能なので、まずはご相談ください。

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参考文献

  1. 日本皮膚科学会
  2. 厚生労働省