性病（性感染症）の原因は？女性がかかる性病について医師が解説します。

公開日: 2024.02.09 更新日: 2024.02.09

監修：クリニックフォアグループ医師

性感染症（STI）は、性的接触によって感染する病気のこと。しかし、性的接触以外の経路でも感染してしまう可能性はあります。そこで、今回の記事では性感染症の原因について医師が解説。あわせて、報告件数の多い性感染症の症状なども説明するので、ぜひチェックしてみてください。

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性病の主な原因は性行為

性病もとい性感染症は「性行為で感染する病気」の総称です。その名の通り、性行為による感染が主たる原因。

病原体に感染した人の精液や腟分泌液には感染の原因となる病原体がいます。また性器周辺のみならず、口の中や喉にいることも。

そのため、性行為をした際にそれらの病原体と粘膜が直接触れることによって、病原体に感染します。

オーラルセックスでも性病にかかるリスクは十分にある

口や舌を使って相手の性器を刺激するオーラルセックスの場合でも性病にかかるリスクは十分にあります。

性器にいる病原体が口腔内に感染を起こす場合と、口腔内にいる病原体が性器に感染を起こす場合があります。

そのため性病の感染を防ぐためには、セックスの時だけコンドームをつけるのでは無く、オーラルセックスの際にもコンドームを付けるなどの対策が必要です。

キスによる「ヘルペス感染症」に注意

「ヘルペス」とは、ヘルペスウイルスによって皮膚が炎症を起こし、多数の水ぶくれをつくる病気です。治っても再発しやすく、一見して症状がない時でもウイルスの活動は続いている場合があり、注意が必要です。

ヘルペス感染症は皮膚と皮膚との接触により感染する可能性があるため、キスによってうつることもあります。

キスによるクラミジア感染症や淋病の感染リスクは極めて低い

ヘルペスに対して、クラミジア感染症や淋病は通常のキス程度であれば感染するリスクは極めて低いとされます。しかしディープキスの場合には感染確率が上がるため、注意しましょう。

率が上がるため、注意しましょう。

タオルや浴槽など性交以外にも様々な感染経路がある

性感染症の感染リスクは、性行為以外にもあります。腟トリコモナス症などの場合には、タオル、便器、浴槽などに付着した原虫への接触が感染の原因となってしまうことも。先のヘルペス感染症も、グラスなどを介した間接的な接触でも感染する可能性があります。

性病の種類と感染経路の一覧

代表的な性感染症の特徴と感染経路について、以下の表にまとめました。

病名	女性の症状	潜伏期間	感染経路
性器クラミジア感染症	◦無症状の場合が多い ◦おりものが少し増える ◦軽い生理痛のような痛みがある ◦進行すると卵管炎や腹膜炎、それに伴う不妊症を引き起こす	1～4週間	菌は、喉、直腸、尿にも出るので、口、肛門、尿を使ったセックスも危険です。
淋菌感染症	◦緑黄色の濃いおりものがでる ◦進行すると子宮内膜炎や不妊症を引き起こす	症状がはっきりしないことが多く、潜伏期間は明確ではない	感染力が非常に強く、菌は、喉、直腸、尿にも出るので、口、肛門、尿を使ったセックスも危険です。喉（のど）では症状がでないまま他の人に感染させることがあります。膿(うみ)や分泌物の付いた手で、目をこすると結膜炎になることもあります。
梅毒	◦感染した場所にできものやしこり、ただれができる ◦手のひらや足の裏など全身に発疹ができる ◦進行すると心臓や血管、神経の異常が現れます	約1カ月	腟性交や肛門性交だけでなく口腔性交（オーラルセックス）でも感染します。
性器ヘルペスウイルス感染症	◦性器に小さい水ぶくれやただれができる ◦激痛のため排尿困難や歩行困難を生じることがある	3～7日	性器、口、口唇周囲、肛門などから感染します。無症状でも性器の粘膜や分泌液等にウイルスの排出がみられている場合は感染する可能性があります。
性器カンジダ症	◦陰部に強いかゆみを感じる ◦おりものが白くなる ◦おりものがカッテージチーズの様にぽろぽろとした固形物になる ◦性器が炎症する ◦セックスの際に痛みを感じる	何年にも及ぶことがあります。	性行為による感染
尖圭コンジローマ	◦外陰部や肛門、膣に小さな尖ったイボができる ◦かゆみや痛み	1～3週間	カンジダは健康な人でも体内に存在することがあります。潜伏期間が長く感染経路は様々なので、感染機会が分からないことも多いです。セックスで感染する場合もあります。