クラミジアとは?症状・原因・感染経路・検査・治療法を徹底解説!

クラミジアとは、クラミジアトラコマチスという細菌が原因となる性感染症です。
女性はおりものの状態が変わったり、男性は排尿時の痛みや尿道の違和感が現れたりします。ただし、女性は症状が出ないことも多く、感染に気付かないことも珍しくないため注意が必要です。
この記事では、クラミジアについて全般的に解説。病気の概要や症状、原因、感染経路、潜伏期間、検査方法、治療法、予防法などについて詳しく紹介します。

クラミジアとは

クラミジアとは、クラミジアトラコマチスという細菌が原因となる性感染症であり、5類感染症に位置付けられています。主に性器に感染するので、性器クラミジア感染症とも呼ばれます。

また、感染した場所によって、クラミジア性尿道炎(男性に多い)、クラミジア性子宮頚管炎(女性のみ)、咽頭クラミジアなどの病気が起こります。

クラミジアの患者数

クラミジアは、日本で最も多い性感染症とされており、厚生労働省によると、毎年1万3千人程度の患者が確認されており、近年では毎年同じような患者数で推移しています。

特に若い女性に多く、性の低年齢化によって、10代の女性の患者も増えています。

また、妊婦検診では、正常な妊婦の3〜5%にクラミジアの保有者がいることから、自覚症状がない感染者も多いと考えられています。

(参考)

https://www.mhlw.go.jp/topics/2005/04/tp0411-1.html

クラミジアの症状

クラミジアは、性別によって感染部位や症状の出方が異なります。

女性は子宮頸管や腟への感染、男性は尿道に感染することが多いとされています。また、男女ともに、のどに感染する咽頭クラミジアや、目に感染するクラミジア結膜炎などもあります。それぞれの症状を詳しく紹介します。

女性の症状

女性は自覚症状がないことが多いです。子宮頸管や腟に感染すると以下のような症状が起きることがありますが、症状が出ても軽いとされています。

  • おりものが増える
  • においが変わる
  • 黄色いおりものが出る

また、進行すると、不正出血や性交時の痛みが生じることがあります。さらに、膀胱炎を発症するケースも。膀胱炎になると、排尿の回数が増えたり、残尿感を感じたりします。

なお、クラミジアを放置して悪化すると、卵管炎、卵巣炎、子宮頸管炎、骨盤内付属器炎(腟や子宮頸管の感染が子宮、卵管、卵巣まで広がり、周辺組織にまで広がった状態)につながることがあります。さらに悪化すると肝周囲炎(肝臓を包む膜に感染が広がり、発熱や痛みが生じる)や腹膜炎(お腹の中の表面を覆う腹膜の炎症)になることもあります。

クラミジアは、卵管がつまることによる不妊や、妊娠中だと早期流産の原因にもなるため、症状がなくても安心できない病気です。

男性の症状

男性は、感染者の半数程度に症状が現れるとされています。尿道に感染し、クラミジア性尿道炎が起きることが多いですが、精巣上体(精巣の横にある器官)に感染し、精巣上体炎になることもあります。

症状としては、排尿時の痛み、尿道の不快感、かゆみ、副睾丸(睾丸の上のほう)あたりの腫れなどが挙げられます。さらに、尿道から膿が出ることもありますが、水っぽくて透明〜白い膿が少量出るだけというケースもあり、気づかないこともあります。

咽頭クラミジアの症状

のどに感染したものを咽頭クラミジアといいます。咽頭クラミジアは症状が出ないことがほとんどですが、首のリンパの腫れ、のどの痛みや違和感、咳、発熱などが生じることもあります。

また、見た目には変化がほとんどなく、症状があっても風邪のような症状なので気づきにくいです。

クラミジア性結膜炎

目の結膜に感染するとクラミジア性結膜炎が引き起こされます。これは、トラコーマとも呼ばれます。

結膜の充血、まぶたの腫れ、めやにの増加など、一般的な結膜炎と同じような症状が現れます。ただ、進行すると結膜にぶつぶつができ、徐々に大きくなるのが特徴です。

クラミジアの原因・感染経路

クラミジアトラコマチスは、基本的に感染者との性行為によって感染します。

男性は尿道、女性は腟の奥に菌が入ることで感染することが一般的です。コンドームを使わずに感染者と性行為をすると、50%の確率で感染するとされています。

肛門を使った性行為で肛門に感染したり、オーラルセックスによってのどに感染したりすることもあります。さらに、のどに感染している場合は、ディープキスでも感染が広がる可能性があります。

以上のことから、自分またはパートナーが感染している可能性がある場合は、性行為は控えましょう。特に女性は自覚症状が少ないため、感染の自覚がないまま性行為をし、感染を広げるケースも多いとされています。

そのほか、母親が感染者の場合、出産時に子どもに産道感染することがあります。

なお、性的な接触以外で感染することはほぼありません。そのため、温泉やプール、トイレなどで感染する可能性はほとんどないため過度に心配する必要はないでしょう。

クラミジアの潜伏期間

男女ともに、潜伏期間(感染から発症までの期間)は3週間程度とされていますが、早いと1週間で症状が現れることがあります。潜伏期間でも、体内には菌が存在し、人にうつすことがあるため注意しましょう。

クラミジアの検査・治療は何科に行けばいい?

クラミジアは、性感染症専門のクリニックで検査や治療を受けることができます。

女性の場合は婦人科、男性の場合は泌尿器科、咽頭クラミジアの場合は耳鼻咽喉科でも対応しています。ただし、泌尿器科や耳鼻咽喉科では性感染症に対応していないことがあるため、事前に確認するとよいでしょう。

なお、保健所でもクラミジアの検査ができるケースがありますが、治療はできません。

クラミジアの検査方法

クラミジアの検査には、大きく分けると抗原検査と抗体検査があります。

  • 抗原検査:細菌自体を検出する検査方法
  • 抗体検査:感染の際に抵抗するためにつくられた抗体の有無を検出する方法

抗原検査は、尿検査や分泌物の検査(腟や肛門の中を綿棒でこすって採取する)、うがい検査(うがいをした液体を調べる)といった方法で行います。抗体検査は血液検査によって行いますが、感染部位が特定できないというデメリットがあります。

検査費用

検査費用は、検査をする場所(医療機関)、部位、方法などによって異なります。

自由診療の場合は、6,000~10,000円程度が相場です。さらに金額は上がりますが、淋病などの他の性感染症と併せて検査できる場合が多いです。

クラミジアの治療方法

クラミジアトラコマチスに効果のある抗生物質(殺菌、細菌の成長を阻害する薬)を使います。1週間程度飲み続ける薬もありますが、基本的には1回飲むと1週間効果が続く薬を使います。咽頭クラミジアの場合も、治療法や治療期間は同様です。

症状がなくなったからといって薬を途中でやめると、残った菌によって再発することがあるため、処方された通りに薬を飲み切ることが大事です。

なお、抗生物質が効かない菌(耐性菌)の場合は、治療効果が出ないことがあります。

治療費用

自由診療の場合は9000円~15,000円程度が相場となります。

クラミジアの予防法

クラミジアの最大の予防法は、感染者とは性行為をしないことです。

不特定多数との性行為は感染する確率もさせる確率も上がるので避けたほうがよいでしょう。自分が感染した場合も、感染拡大予防のために、性行為はしないでください。コンドームを使うことで、感染確率が下がるとされているため、可能な限り普段からコンドームを使うとよいでしょう。

また、行為後に水分をしっかり摂り、排尿することで、粘膜についた菌が尿と一緒に排出できる可能性があります。ただしこれは根本的な予防にはならないため注意しましょう。

なお、パートナーの感染が発覚したら、自分も検査、治療を受けることが大事です。どちらかの感染が続いていると、せっかく治療しても再感染してしまうしてしまうため、2人同時に治療を受けましょう。

クラミジアの治療はクリニックフォアのオンライン診療で!

クリニックフォアでは、オンライン診療と対面診療でクラミジアの検査・治療を行っています。

治療では抗菌薬の飲み薬を使いますが、オンライン診療の場合は薬は自宅などに配送するため、忙しい方でも治療が受けやすくなっています。診察も、PCやスマホで簡単に受けられるので、直接の受診はハードルが高いと感じている方は受診をご検討ください。

また、他の医療機関等で検査した結果がある場合は、結果をもとに治療することも可能なので、まずはご相談ください。

詳細はこちら

参考

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/chlamydia-std/392-encyclopedia/423-chlamydia-std-intro.html

https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/seikansenshou/dl/leaf01.pdf