39℃の高熱があるのにインフルエンザではない原因とは?対処法についても紹介

「39℃の熱があるのにインフルエンザではないと言われた」
「高熱が続くけど原因がわからない」と不安を感じている方もいるのではないでしょうか?
インフルエンザの流行時期に39℃以上の高熱が出ると、多くの方がインフルエンザを疑いますが、検査で陰性となるケースも少なくありません。
この記事では、39℃の熱があるのにインフルエンザではない場合の原因や、風邪・コロナとの見分け方、自宅でできる対処法、受診の目安について詳しく解説します。
高熱が続いて不安な方は、ぜひ最後までお読みください。

39℃の熱があるのにインフルエンザではない原因とは

高熱症状があらわれるとインフルエンザを疑う方が多いですが、検査で陰性だった場合は別の原因が考えられます。

インフルエンザ以外で39℃以上の高熱が出た際に考えられる原因は主に3点です。

  • 細菌感染症による高熱
  • インフルエンザ以外のウイルス感染症
  • ストレスや過労による心因性発熱
  • インフルエンザに罹っているが抗原検査で陰性判定が出た

それぞれの原因によって症状や対処法が異なるため、自分の状態を正しく把握することが大切です。

細菌感染症による39℃以上の高熱

39℃以上の高熱が続く場合、細菌感染症が原因である可能性があります。代表的な細菌感染症として挙げられるのは以下のとおりです。

  • 肺炎
  • 尿路感染症(腎盂腎炎)
  • 扁桃炎
  • 感染性心内膜炎

肺炎では高熱に加えてせきや息切れ、胸痛などの症状があらわれることがあります。腎盂腎炎では39℃以上の高熱とともに、背中の痛みや排尿時の違和感が伴うことがあります。扁桃炎では高熱とのどの激しい痛みが特徴的です。

細菌による感染症は、抗菌薬による治療が必要なため、高熱が続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。

インフルエンザ以外のウイルス感染症

39℃の高熱が出る原因として、インフルエンザ以外のウイルス感染症も考えられます。一般的な「風邪」と呼ばれるものの、約90%はウイルス感染が原因とされています[2]

アデノウイルスやRSウイルス、新型コロナウイルスなど、高熱を引き起こすウイルスは複数存在し、特にコロナウイルス感染症は、インフルエンザと症状が似ているため区別が難しいです。

ウイルス感染症の多くは特効薬がなく[3]、安静にして自然治癒を待つことが基本的な治療となります。ただし、症状が重い場合や長引く場合は、医療機関を受診して原因を特定することが大切です。

ストレスや過労による心因性発熱の可能性

強い精神的ストレスや過労が原因で、39℃近い高熱が出ることがあります。これは「心因性発熱」と呼ばれ、自律神経や免疫機能に影響を与えて体温調節に異常をきたすことで起こるとされています[1]

心因性発熱の場合、感染症とは異なり解熱剤が効きにくいという特徴があります。ストレスの原因が解消されると熱が下がることが多いです。

ただし、39℃以上の高熱が心因性発熱だけで長期間続くことはまれとされています。高熱が続く場合は、ほかの原因も含めて医師に相談することが大切です。

インフルエンザにかかっているが抗原検査で陰性判定が出る理由

インフルエンザの流行時期に高熱が出て検査を受けても、陰性と判定されることがあります。考えられる理由は以下のとおりです。

  • 検査のタイミングが早すぎる
  • インフルエンザ迅速検査キットの検出精度が低い

検査結果だけで判断せず、症状や周囲の感染状況も考慮することが重要です。それでも高熱により不安を感じていたら、自己判断で済ませず医師に相談してみましょう。

ここでは、インフルエンザ検査が陰性になる理由について解説します。

検査のタイミングが早すぎると陰性になることがある

インフルエンザの迅速検査は、発熱してすぐに受けると正確な結果が出ないことがあります。これは、検査キットがウイルスを検出するためには一定量以上のウイルスが必要であるためです。

発熱から24時間以上経過すると、体の中のウイルス量が多くなっているため、検査で陽性となります。そのため確実な診断を受けるには、発熱して24~48時間以内に検査を受けることが推奨されます。

ただし、発症から48時間以内に抗インフルエンザ薬を服用もしくは吸入しないと、効果が期待できないため、あまり待ちすぎないことも大切です。

発熱症状がすでにあらわれており、インフルエンザの検査をご希望の方はクリニックフォアにご相談ください。

クリニックフォアでは対面で診察を受け、医師の判断でインフルエンザの検査をおこなうこともできます。

また、オンライン診療を受診し、お薬をご自宅に配送もしくはご自宅近くの薬局で受け取ることもできます。

※オンライン診療の場合、インフルエンザの抗原検査を実施することができません。検査をご希望の場合はお近くのクリニックフォア対面院の受診をお願いします。

対面での診察をご希望の方は以下の医院へご予約のうえ、ご来院ください。

オンライン診療をご希望の方は以下からご予約ください。

<クリニックフォア オンライン保険診療の料金目安(3割負担の場合)>

項目初診再診
診察料840円〜1,370円280円〜1,510円
システム利用料1,000円(税込)1,000円(税込)
合計1,840円〜2,370円(税込)1,280円〜2,510円(税込)

 

※あくまで診療費の目安であり、実際には診察内容によって異なります。診療報酬点数表に戻づいて計算され、患者様の自己負担割合(原則3割)に応じて請求されます。上記の診療費目安は2025年6月時点。
※医療証はお住まいの都道府県のみでご利用が可能です。東京都以外の在住の方は、後日ご自身で自治体での還付手続きをしていただく必要がございます。
※お薬代は、受け取り指定いただいた薬局にてお支払いいただきます。

 

インフルエンザ迅速検査キットの検出精度が低い

インフルエンザの迅速検査キットは、結果が10〜15分程度で出る便利な検査ですが、検出精度には限界があります。検査が陰性だったからといって、インフルエンザではないと断言することは難しいです。

検査結果に不安がある場合は、医師に相談してみてください。

陰性でもインフルエンザの可能性があるのはどんなとき?

検査が陰性でも、状況によってはインフルエンザである可能性が高いケースがあります。

例えば、家族や職場など周囲にインフルエンザの感染者がいて、自分も急な高熱や全身倦怠感、関節痛などの典型的な症状が出ている場合です。このような状況では、検査が陰性であっても医師の判断でインフルエンザと診断されることがあります。

また、検査が陰性だった場合でも、翌日に再検査すると陽性になることも珍しくありません。症状が続く場合は、自己判断せずに医師に相談しましょう。

39℃の熱でインフルエンザと風邪・コロナを見分ける方法

39℃の高熱が出たとき、インフルエンザ・風邪・コロナのどれかを症状から推測できる場合があります。ただし、これらの感染症は症状が似ている部分も多く、自己判断だけで正確に見分けることは困難です。

確実な診断には医療機関での検査が必要ですが、ここでは見分け方の目安となる特徴を解説します[3][4][5]

項目インフルエンザ風邪コロナ
発熱急激に38〜39℃以上37〜38℃程度で徐々に上昇緩やかに上昇することが多い
全身症状強い倦怠感
・筋肉痛
・関節痛
・頭痛
軽度または目立たない中程度〜強い場合もある
局所症状高熱や全身症状の後に出現鼻水
・のどの痛み
・くしゃみが主体
鼻水
・せきから始まることが多い
症状の進行急激に発症緩やかに進行風邪のように緩やかに進行
特徴的な症状悪寒の後に一気に悪化味覚
・嗅覚の異常が出ることがある

急な高熱と強い全身症状があればインフルエンザの可能性が高いですが、最終的な判断は検査で確認しましょう。

症状だけで見分けるのが難しいからこそ検査を

風邪・インフルエンザ・コロナは初期症状が似ているため、症状だけで見分けることは非常に困難です。「ただの風邪だろう」と自己判断せず、高熱が出た場合は医療機関を受診して検査を受けましょう。

2025年時点では、インフルエンザとコロナを同時に調べられる検査キットも普及しており、一度の検査で両方の結果がわかります。

発熱外来を受診する際は、必ず事前に電話で連絡してから向かいましょう。適切な検査と診断を受けることで、必要な治療を早期に開始でき、周囲への感染拡大も防げます。

クリニックフォアではインフルエンザの検査も行っています。お近くのクリニックフォアのご予約はこちら

39℃の熱があるけどインフルエンザではない場合の自宅での対処法

39℃の高熱が出ても、必ずしもすぐに医療機関を受診する必要があるわけではありません。原因がインフルエンザではない場合でも、自宅で適切なケアを行うことで回復を促すことができる場合もあります。

ここでは、高熱が出たときに自宅でできる対処法について解説します。ただし、症状が重い場合や改善しない場合は、早めに医療機関を受診してください。

こまめな水分補給で脱水を防ぐ

高熱が出ると、発汗によって体内の水分や塩分が失われやすくなります。尿の色が濃くなったり量が減ったりした場合は、脱水のサインかもしれません。

水分補給はこまめにおこない、一度に大量に飲むのではなく少量ずつ摂取することが大切です。水やお茶でも構いませんが、スポーツドリンクや経口補水液であれば、水分と一緒に電解質も補給できるためより効果的でしょう。

カフェインやアルコールは利尿作用があるだけでなく、胃に負担をかけるため[6]、発熱時は避けることをおすすめします。水分が十分にとれていれば、体の回復をサポートすることができます。

安静にして十分な睡眠と栄養をとる

高熱が出ているときは、体が病原体と戦っている状態です。無理に活動すると体力を消耗し、症状が悪化したり回復が遅れたりする可能性があります。できるだけ安静にして、十分な睡眠をとることが大切です。

食事については、食欲がない場合は無理に食べる必要はありませんが、可能な範囲で栄養をとるようにしてください。おかゆやうどん、スープ、ゼリーなど消化の良いものを少しずつ食べるとよいでしょう[7]

食欲がない場合は、水分補給を優先してください。体力の回復や免疫力の維持のためにも、栄養補給は重要です。

解熱剤の正しい使い方と注意点

高熱でつらいときは、解熱剤を使用して一時的に体温を下げることも選択肢の一つです。

<解熱剤を使う目安>

  • 高熱で体がつらい
  • 水分や食事がとれない
  • 高熱がつらくて眠れない

一般的に服用される解熱剤には、アセトアミノフェンやイブプロフェンなどがあります。インフルエンザの可能性がある場合は、アセトアミノフェンが推奨されています。

ただし、解熱剤は熱を一時的に下げるものであり、病気そのものを治すわけではありません。

39℃の高熱が続く場合の受診目安とすぐに受診すべき症状

39℃の高熱が続いたときは早めに医療機関を受診しましょう。すぐに受診が必要な危険な症状について解説します。

39℃以上の高熱が続く場合

39℃以上の発熱が続いている場合は、医療機関の受診をおすすめします。通常の風邪であれば、数日で熱が下がることが多いですが、高熱が長引く場合は別の病気が隠れている可能性があります。

一度インフルエンザの検査を受けて陰性だった場合でも、症状が改善しない場合は再度受診することが大切です。

41℃を超える高熱が出た場合は、体への負担が大きいため早めに受診してください。発熱は体のどこかに炎症や病気が生じているサインです。「熱が出ているだけ」と軽く考えず、適切なタイミングで医療機関を受診しましょう。

危険な状態だと思われる場合

高熱に加えて以下のような症状がある場合は、緊急性が高いため、すぐに医療機関を受診してください。

  • 呼吸が苦しい
  • 息切れがする
  • 意識がもうろうとしている
  • けいれんが起きている
  • 水分がとれない
  • 尿が半日以上出ていない
  • 激しい頭痛
  • 胸の痛み

肺炎を合併している可能性や、脱水症状に陥っている可能性も高いです。これらの症状がある場合は、体温に関わらず速やかに医療機関を受診するか、救急車を呼ぶことを検討してください。

高齢の方・子ども・基礎疾患のある方の場合

高齢の方や小さな子ども、基礎疾患のある方は、高熱によって重症化するリスクが高いため、早めの受診が推奨されます。

高齢者は免疫力が低下していることが多く、発熱しても症状が出にくいことがあります。そのため、熱が低くても体調の変化には注意が必要です。乳幼児のような小さな子どもは、体温調節機能が未発達なため、急激に体温が上昇することがあります。

心臓や肺、腎臓などに持病がある方も、発熱によって内臓に負担がかかり治療が必要になることがあります。妊婦の方も含め、これらに該当する方は高熱が出たら早めに医師に相談しましょう。

高熱が続くときに利用できる相談窓口

高熱が続いているとき、救急車を呼ぶべきか、医療機関を受診すべきか迷ったときに利用できる相談窓口があります。

電話で症状を伝えることで、適切な対応についてアドバイスを受けることができるでしょう。ここでは、高熱が続くときに利用できる相談窓口について紹介します。

救急安心センター(#7119)の活用方法

#7119は、救急車を呼ぶべきか、今すぐ医療機関を受診すべきか迷ったときに利用できる電話相談窓口です[8]

24時間対応しており、看護師などの専門スタッフが症状を聞き取り、緊急性の判断や受診のタイミングについてアドバイスをおこないます。相談の結果、緊急性が高いと判断された場合は119番への電話転送も可能です。

緊急性が高くない場合は、受診可能な医療機関を案内してもらえます。#7119は全国で順次導入が進んでいますが、一部地域では利用できない場合もあります。お住まいの地域で利用可能かどうか、事前に確認しておくと安心でしょう。

子どもの場合は#8000(小児救急電話相談)

15歳未満の子どもの発熱や体調不良については、#8000(小児救急電話相談)を利用することができます[9]。夜間や休日に子どもの急な病気やけがで困ったとき、看護師や小児科医がアドバイスを行う相談窓口です。

「今すぐ病院に行くべきか」「朝まで様子を見ても大丈夫か」といった判断に迷ったときに役立ちます。

子どもは症状が急変することもあるため、不安な場合は遠慮せずに相談してください。相談時間は地域によって異なりますので、お住まいの地域の相談時間を確認しておくことをおすすめします。

オンライン診療の活用も選択肢に

高熱でつらくて医療機関まで行くのが難しい場合は、オンライン診療を活用するのも一つの選択肢です。クリニックフォアでは、自宅にいながらスマートフォンやパソコンを通じて医師の診察を受けることができます。

症状を伝えて診断を受け、必要に応じてお薬を処方してもらうことも可能です。平日は10~18時まで、土日も対応しているため、夜間や休日に症状が出た場合にも利用できます。(2025年12月現在。)

ただし、症状が重い場合や対面での診察が必要と判断された場合は、対面での受診をすすめられることもあります。オンライン診療は、受診の選択肢の一つとして覚えておくと良いでしょう。

※診察の結果、医師の判断によりお薬の処方ができない場合もございます。
※診療時間は、土日祝日をはじめ日によって異なる場合がございます。

身近な人がインフルエンザを発症したら、ご自身も発症する前に予防内服薬を処方してもらおう

家族や職場でインフルエンザに罹った人がいた場合、ご自身にうつる可能性もあるため、早めの対策としてインフルエンザ予防薬の投与という選択肢があります。クリニックフォアでは、インフルエンザ薬の予防内服薬を処方することができます。予防内服とは、実際の治療に使われる薬を、感染予防目的で使用することを指します。

  • 受験や大事な会議などを控えている
  • ご自身やご家族の予防に服用したい
  • どうしても休めない用事があるから予防したい
  • ご家族や会社の同僚など周囲の方がインフルエンザに感染した

上記のようなケースで抗インフルエンザ薬を服用すれば、インフルエンザの感染を予防することが期待できます。

※自費での処方となります。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。

まとめ

39℃の熱があってもインフルエンザではない場合、細菌感染症やウイルス感染症、心因性発熱など複数の原因が考えられます。また、検査のタイミングによっては陰性と出ることもあるため、症状の経過を注意深く観察することが大切です。

自宅では水分補給・安静・栄養補給を心がけ、必要に応じて解熱剤を使用しましょう。39℃以上の高熱が3〜4日続く場合や、呼吸困難・意識障害などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。高齢者や子ども、基礎疾患のある方は重症化のリスクがあるため、早めの受診が推奨されます。

受診すべきか迷った場合は、#7119(救急安心センター)や#8000(小児救急電話相談)を活用しましょう。高熱が続いて不安な場合は、自己判断せず医師に相談してみてはいかがでしょうか。

参考文献

  1. 厚生労働省. 心因性発熱のメカニズム
  2. 日本感染症学会. A-01 かぜ症候群 - A. 感染性呼吸器疾患
  3. 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト. コロナウイルス感染症
  4. 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト. インフルエンザ
  5. 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト. 新型コロナウイルス感染症
  6. 農林水産省. カフェインの過剰摂取について
  7. 国立がん研究センター東病院.食欲不振がある方のお食事. 2014.
  8. 総務省消防庁.救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?. 救急車の適時・適切な利用(適正利用)
  9. 厚生労働省. 子ども医療電話相談事業(♯8000)について.