
インフルエンザ予防|マスクは本当に効果がある?
マスクは、せきやくしゃみによる飛沫の吸入や拡散を防ぐことができるため、インフルエンザ予防に一定の効果が期待できます。
厚生労働省も、感染対策として不織布製マスクの使用を推奨しており、とくにせきやくしゃみの症状がある場合は着用が求められています[1]。
ただし、マスクだけで感染を完全に防ぐことは難しく、手洗いなど他の対策との組み合わせが重要です。
マスクの役割を正しく理解することで、より効果的な感染予防につなげることができるでしょう。
マスクが有効とされる理由
マスクは、飛沫感染を防ぐための有効な手段として認められています。
マスクを着用することで、感染者のせきやくしゃみによって放出される飛沫(比較的大きい粒子)の吸入や拡散を一定程度抑えられます。結果として、感染リスクを下げることが期待できます。
不織布製マスクは、布マスクやウレタンマスクよりも飛沫を防ぐ効果が高く、とくに感染リスクの高い場面での使用が推奨されています[1]。
マスクの素材や構造によって飛沫の遮断効果は異なるため、目的に合った種類を選ぶことが大切です。
また、複数の予防策を併用することで、感染リスクをより効果的に軽減できるでしょう。
自分を守る効果と周囲への感染拡大を防ぐ効果
マスクには、自分を守る効果と周囲への感染拡大を防ぐ効果の2つの側面があります。
自分を守る効果
感染者から放出された飛沫や、ウイルスを含む粒子を吸い込むリスクを減らす[2]
周囲への感染拡大を防ぐ効果
自分がせきやくしゃみをしたときに、飛沫が周囲に飛び散るのを抑える[2]
一般的に、マスクは自分を守る効果もありますが、周囲への飛沫拡散を抑える効果がより大きいと考えられています[3]。
そのため、せきやくしゃみの症状がある場合は、周囲の方への感染を防ぐ「せきエチケット」としてマスクを着用することが重要です[1][2]。
症状がなくても、自分が感染していることに気づかないケースもあるため、流行期には予防的なマスク着用を心がけるとよいでしょう。
「マスクは意味がない」と言われる理由と誤解
「マスクをしてもウイルスは防げない」という意見を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
たしかに、インフルエンザウイルスは非常に小さいため、「マスクの隙間を通り抜けるのでは」と考える方もいるでしょう。
しかし、実際にはウイルスは単体で空気中を漂うのではなく、せきやくしゃみの飛沫に含まれて飛散します。
飛沫はウイルス単体より大きく、不織布マスクの繊維層で捕集されやすいため、一定の予防効果が期待できます。
インフルエンザの感染経路とマスクが有効な理由
インフルエンザは、主に冬に流行することが多い感染症ですが、近年は季節を問わず発生が見られることもあります。
普通の風邪と比べて、高熱や全身症状が強く出やすく、重症化する場合もあるため注意が必要です。
日本では例年12月〜3月頃に流行のピークを迎えることが多く、多くの方が医療機関を受診しています。
高齢者や基礎疾患のある方、乳幼児はとくに重症化リスクが高いため、日頃からの感染対策が大切です[1]。
インフルエンザは主に飛沫感染と接触感染によって広がるため、マスクの着用が予防に役に立ちます。
インフルエンザの主な感染経路(飛沫感染・接触感染)
インフルエンザの感染経路には、主に飛沫感染と接触感染の2つがあります[2]。
| 感染経路 | 仕組み | 主な対策方法 |
| 飛沫感染 | 感染した人がせきやくしゃみをしたときに飛び散る飛沫を、別の人が口や鼻から吸い込む | マスクの着用 |
| 接触感染 | ウイルスが付着したドアノブやスイッチなどに触れ、その手で鼻や口を触る | 手洗い |
飛沫感染は、近距離での会話や混雑した場所でリスクが高まるため、人が多い場所ではマスクの着用が効果的です。
接触感染は、目に見えないウイルスが原因となるため、外出先から戻ったときや食事前の手洗いを習慣にしましょう。
ウイルスの大きさとマスクの網目に関する正しい知識
インフルエンザウイルスのサイズは約0.1μm(マイクロメートル)であり、不織布製マスクの繊維間の隙間より小さいといわれています。
しかし、ウイルスは単体で空気中を漂うのではなく、せきやくしゃみの飛沫に含まれて飛散します。
飛沫はウイルス単体より大きく、不織布マスクの繊維層で捕集されやすいため、一定の予防効果が期待できます。
マスクだけでは防げない感染経路に注意
マスクは飛沫感染の予防に効果的ですが、接触感染を直接防ぐものではありません。
ドアノブや手すり、スイッチなどに付着したウイルスに触れ、その手で口や鼻を触ると、マスクをしていても感染する可能性があります。
そのため、マスクの着用と合わせて、こまめな手洗いや手指消毒を行うことが大切です。
また、マスクが顔にフィットしていない状態では隙間から空気が侵入するため、予防効果が低下します[3]。
マスクは「着けているだけ」では十分な効果を発揮しないため、正しい装着方法を身につけることが重要といえます。

インフルエンザ予防に適したマスクの種類と特徴
インフルエンザ予防には、マスクの種類選びが重要なポイントになります。
マスクには不織布製マスク、N95マスク、布マスク、ウレタンマスクなど、さまざまな種類があり、それぞれフィルター性能や通気性、着け心地が異なります。
素材や構造によって飛沫を防ぐ効果に差があるため、使用目的に合わせて適切なマスクを選ぶことが大切です。
不織布製マスク(サージカルマスク)が推奨される理由
不織布製マスクは、インフルエンザ予防に最も推奨されているマスクです。
不織布とは「織っていない布」という意味で、繊維を熱や化学的な作用などによって結合させて作られた素材を指します[4]。
市販されている使い捨てマスクの多くが不織布製マスクであり、比較的安価で入手しやすいのが特徴です。
不織布製マスクは布マスクやウレタンマスクと比べて飛沫を防ぐ効果が高く、医療現場でも広く使用されています。
ドラッグストアやコンビニなどで手軽に購入できるため、必要なときにすぐ使えるよう準備しておきましょう。
N95マスクの特徴と一般的な利用での注意点
N95マスクは、一定条件下の試験で0.3μm程度の粒子を95%以上捕集できる高性能マスクです。
主に医療従事者が感染症患者の治療にあたる際など、高いレベルの感染防護が必要な場面で使用されています。
顔に密着させて使用するため、正しく装着すれば非常に高いフィルター効果が得られます。
ただし、密閉性が高い分、長時間の着用では息苦しさを感じやすく、日常生活での使用には負担が大きいといえるでしょう。
価格も不織布製マスクと比べて高いため、一般的な日常生活での予防目的であれば、顔にフィットした不織布マスクが基本です。
布マスク・ウレタンマスクの効果と限界
布マスクやウレタンマスクは、洗って繰り返し使用できる点がメリットですが、飛沫を防ぐ効果は不織布製マスクよりも低いとされています。
布マスクは素材や織り方によってフィルター性能が異なり、一般的に不織布製マスクほどの密閉性は得られません。
ウレタンマスクは通気性が良く息苦しさを感じにくい一方で、飛沫やウイルスを遮断する効果は限定的です。
せきエチケットとして飛沫の拡散を抑える効果はある程度期待できますが、感染予防の観点では不織布製マスクに劣ります。
肌への負担が少ない、デザイン性が高いなどの理由でこれらのマスクを選ぶ方もいますが、インフルエンザの流行期にはできるだけ不織布製マスクを選ぶほうがよいでしょう。
インフルエンザ対策に適したマスクの選び方
マスクの効果を最大限に発揮するためには、適切なマスクを選ぶことが重要です。
どんなに高性能なマスクでも、顔に合っていなければ隙間からウイルスを含んだ空気が侵入してしまいます。
フィルター性能だけでなく、顔へのフィット感や通気性、長時間着用したときの快適さなども考慮して選ぶことが大切です。
自分の顔に合ったマスクを選ぶことで、快適に着用しながら効果的な感染予防につなげることができるでしょう。
素材・形状で確認すべきポイント
インフルエンザ予防に適したマスクを選ぶ際は、以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 素材は不織布を選ぶ
- ノーズワイヤー(鼻の部分を密着させるための針金)が入っているものを選ぶ
- プリーツ(ひだ)があるものを選ぶ
ノーズワイヤーがあることで鼻周りの隙間を減らし、フィルター効果を高めることができます。
プリーツのあるタイプは口元に空間ができて呼吸がしやすく、長時間の着用でも快適です。
市販の不織布製マスクの多くはこれらの条件を満たしていますが、購入前にパッケージで確認しておくと安心です。
フィルター性能と通気性のバランス
マスクはフィルター性能を高めると通気性が下がり、通気性を優先するとフィルター性能が低下する傾向があります。
フィルター性能が高いマスクほど微粒子を遮断する効果は高くなりますが、その分息苦しさを感じやすくなるのです。
N95マスクのように高性能なマスクは医療現場では有効ですが、日常生活で長時間着用するには負担が大きいでしょう。
不織布製マスクは適度なフィルター性能と通気性を兼ね備えており、日常的な感染予防に適しています。
それでも息苦しさを感じる場合は、周囲に人がいない屋外など感染リスクの低い場所で一時的に外すことも選択肢の一つです。
マスクの着用が苦痛になると継続が難しくなるため、無理のない範囲で感染対策を続けていきましょう。
顔にフィットするサイズの選び方
マスクの効果を十分に発揮するためには、顔にフィットするサイズを選ぶことが欠かせません。
マスクが大きすぎると頬や顎に隙間ができ、そこからウイルスを含んだ空気が侵入しやすくなります。
反対に小さすぎると鼻や口を十分に覆えなかったり、耳が痛くなったりして長時間の着用が難しくなるでしょう。
マスクのサイズは、鼻の付け根から顎の先までの長さを目安に選ぶのが一般的です。
市販のマスクには「小さめ」「ふつう」「大きめ」などのサイズ展開があるため、いくつか試して自分の顔に合ったものを見つけてみてください。
家族それぞれに合ったサイズを用意しておくと、いざというときにも安心です。
子ども・高齢者・妊婦のマスク選びの注意点
子ども、高齢者、妊婦の方は、それぞれの特性に合わせたマスク選びが重要です。
子どもには必ず子ども用サイズのマスクを使用し、大人用のマスクで代用しないようにしましょう。
高齢者の方は息苦しさを感じやすいため、通気性の良いマスクを選び、こまめに休憩を取ることをおすすめします。
妊婦の方は、人混みでは不織布製マスクの着用を心がけることが勧められています[1]。
いずれの場合も、顔にフィットするサイズを選ぶことで、マスクの効果を高めることができます。

マスクの正しい付け方・外し方
マスクは正しく着用しなければ、本来の効果を発揮することができません。
どんなに高性能なマスクでも、鼻や頬、顎に隙間があると、そこからウイルスを含んだ空気が侵入してしまいます。
また、マスクを外すときの方法も重要です。
使用済みのマスクの表面にはウイルスや細菌が付着している可能性があり、誤った外し方は感染リスクを高めることにつながります。
正しい付け方と外し方を身につけることで、マスクの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。
正しいマスクの装着手順
マスクの効果を最大限に発揮するためには、正しい手順で装着することが大切です。
装着前に手を清潔にすることで、マスクにウイルスや汚れが付着するのを防げます。
マスクの正しい装着手順は、以下のとおりです。
- マスクを着ける前に石けんで手を洗うか、アルコール消毒を行う
- マスクの上下と裏表を確認する
- 耳かけのゴムを持ってマスクを広げ、鼻と口を覆うように顔に当てる
- ノーズワイヤーを鼻の形に合わせて押さえる
- プリーツを広げて顎まで覆う
ノーズワイヤーがある方が上、プリーツが下向きになる方が表(外側)です。
装着後は鏡で隙間がないか確認する習慣をつけると、より効果的にマスクを活用できます。
鼻・頬・顎の隙間をなくすコツ
マスクと顔の間に隙間があると、そこから空気が出入りしてフィルター効果が低下してしまいます。
せっかくマスクを着けていても、隙間があればウイルスを含んだ空気が侵入する可能性があるため、フィット感を高める工夫が必要です。
鼻周りの隙間をなくすためには、ノーズワイヤーを鼻の形にしっかりとフィットさせることが重要です。
両手の人差し指でノーズワイヤーを押さえながら、鼻筋に沿って形を整えましょう。
頬の隙間は、マスクのサイズが合っていないことが原因の場合が多いため、自分に合ったサイズへの変更を検討してください。
顎の隙間は、プリーツをしっかりと広げて顎の下まで覆うことで防ぐことができます。
これらのポイントを意識するだけで、マスクの防護効果を大きく高めることができるでしょう。
マスクを外すときの注意点
マスクを外すときは、マスクの表面に触れないように注意が必要です。
使用済みのマスクの表面には、ウイルスや細菌が付着している可能性があり、触れた手で顔や物に触ると感染リスクが高まってしまいます。
マスクを外すときは、耳かけのゴム部分のみを持ち、マスク本体には触れないようにしましょう。
外したマスクはすぐにゴミ箱に捨て、その後は石けんで手を洗うか、アルコール消毒を行ってください。
食事中などに一時的にマスクを外す場合も、顎にずらしたりテーブルの上に置いたりすることは避け、清潔なケースに入れるか新しいマスクに交換するのがおすすめです。
正しい外し方を習慣にすることで、せっかくのマスク着用の効果を無駄にせずに済みます。
マスク使用上の注意点|効果を下げないために
マスクを正しく選び、正しく着用しても、使用方法を誤ると効果が低下してしまいます。
交換頻度や保管方法、着用中の行動にも注意を払うことで、マスクの効果を最大限に発揮することができます。
とくに日常的にマスクを使用する方は、知らず知らずのうちに効果を下げる使い方が習慣になっている場合もあるかもしれません。
ここでは、マスクの効果を高めるための使用上の注意点をお伝えします。
マスクの交換頻度と保管方法
使い捨ての不織布製マスクは、汚れたり湿ったりしたら交換し、目安として1日1枚程度で取り替えましょう。
長時間使用したマスクは湿気を含み、フィルター性能が低下するだけでなく、細菌が繁殖しやすくなるためです。
マスクが湿ったり汚れたりした場合は、1日を待たずに適宜新しいものに交換しましょう。
未使用のマスクは、直射日光や高温多湿を避けて清潔な場所で保管することが大切です。
個包装されていないマスクを持ち歩く場合は、清潔なケースやジッパー付きの袋に入れましょう。
予備のマスクを数枚持ち歩く習慣をつけておくと、急な交換が必要なときにも慌てずに済みます。
マスク着用中に避けるべき行動
マスクを着用している間は、マスクの表面に触れることを避けましょう。
マスクの表面にはウイルスや細菌が付着している可能性があり、触れた手で目や鼻、口に触ると感染リスクが高まってしまいます。
無意識にマスクを触る癖がある方は、意識的に手を顔から離すように心がけてください。
マスクをずらして鼻を出したり、顎にかけたりする行為も、マスクの効果をなくしてしまうため避けるべきです。
食事の際はマスクを外して清潔なケースに入れるか、新しいマスクに交換することをおすすめします。
こうした小さな心がけの積み重ねが、感染予防の効果を高めることにつながります。
不織布製マスクの再利用は避けるべき理由
使い捨ての不織布製マスクは、原則として再利用しないことが推奨されています。
一度使用したマスクの表面にはウイルスや細菌が付着している可能性があり、再び着用することで感染リスクが生じるためです。
不織布製マスクを洗って再利用すると、フィルター性能が大幅に低下するため避けてください。
洗って再利用できるタイプの布マスクであっても、毎日洗濯して清潔な状態を保つことが必要です。
日頃からマスクのストックを切らさないようにしておくと、安心して毎日新しいマスクを使用できます。
マスクによる肌荒れを防ぐ方法
長時間のマスク着用は、肌荒れやかぶれの原因になることがあります。
マスク内は呼気によって蒸れやすく、摩擦や湿気が肌への刺激となるためです。
肌荒れを防ぐためには、こまめにマスクを交換し、清潔な状態を保つことが大切です。
不織布製マスクで肌荒れが気になる場合は、マスクの内側にガーゼやコットンを挟むと摩擦を軽減できます。
帰宅後は丁寧に洗顔し、保湿ケアを行うことで肌トラブルを予防しましょう。

家族がインフルエンザにかかったときのマスク対策
家族の誰かがインフルエンザにかかると、家庭内での感染拡大が心配になるものです。
同じ空間で生活している以上、完全に接触を避けることは難しいでしょう。
しかし、マスクの着用を含めた適切な対策を講じることで、家庭内感染のリスクを減らすことが期待できます。
ここでは、家族がインフルエンザにかかったときに実践したい感染対策のポイントをお伝えします。
家庭内感染を防ぐための基本的な考え方
家庭内感染を防ぐためには、感染した方も感染していない方も、室内でマスクを着用することが大切です。
マスクの着用に加えて、こまめな手洗いや手指消毒も欠かせません。
タオルや食器などの共有は避け、使用後はすぐに洗剤で洗うようにしましょう。
また、室内の換気をこまめに行い、加湿器などで湿度を適切に保つ(50〜60%程度が目安)ことも有用です[1]。
基本的な感染対策を徹底することが、家族への感染拡大を防ぐ第一歩となります。
看病するときのマスク着用と注意点
インフルエンザにかかった家族を看病する際は、必ず不織布製マスクを着用しましょう。
看病中は感染した方のせきやくしゃみを直接浴びたり、手にウイルスが付着する可能性があるため、マスクでの予防の必要性が高まる場面といえます[3]。
マスクを外すときは表面に触れないよう耳かけ部分を持ち、外した後は必ず手を洗ってください。
マスクのみに頼らず、看病の合間にも定期的に手洗いを行い、自分の口や鼻を触らないよう意識することが大切です。
ご自身の体調管理にも気を配りながら、無理のない範囲で看病を続けていきましょう。
隔離期間中に気をつけたいこと
感染した方はできるだけ個室で過ごし、家族との接触を最小限に抑えることが望ましいでしょう。
トイレや洗面所などの共有スペースは、使用後にアルコール消毒剤で拭き取るようにしてください。
お風呂は感染した方が最後に入り、使用後は換気と清掃を行うと感染リスクを減らせます。
隔離期間の目安は「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで」とされています[5]。
この期間を過ぎても、せきやくしゃみが続く場合はマスクの着用を継続しましょう。
インフルエンザ発症後はいつまでマスクが必要?
インフルエンザにかかった後、「いつまでマスクを着ければいいのだろう」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
熱が下がると体調は回復したように感じますが、実はまだウイルスを排出している可能性があります。
周囲への感染を防ぐためにも、適切な期間マスクを着用し続けることが大切です。
ウイルスを排出する期間の目安
インフルエンザは、発症前日から発症後数日間は鼻やのどからウイルスが検出されやすく、発症後3〜7日程度続くことがあります[1][6]。
とくに発症から最初の3日間はウイルスの排出量が多く、周囲への感染力が最も強い時期です。
排出されるウイルス量は解熱とともに減少しますが、解熱後もしばらくはウイルスの排出が続くことがあります[1]。
個人差はあるものの、発症から1週間程度は周囲への感染リスクがあると考えておくとよいでしょう。
この期間中は外出を控え、やむを得ず外出する場合は必ずマスクを着用してください。
解熱後もマスク着用が推奨される理由
熱が下がると体調が回復したように感じ、マスクを外したくなるかもしれません。
しかし、解熱後もウイルスが検出されることがあり、せきやくしゃみとともに周囲に飛び散る可能性があります。
厚生労働省も、せきやくしゃみなどの症状が続いている場合は、周囲への配慮としてマスクの着用を推奨しています[1]。
解熱後も数日間はマスクを着用し、せきやくしゃみなどの症状が続く場合は感染対策を継続することが望ましいでしょう。
ご自身の回復だけでなく、周囲の方への配慮としてマスク着用を心がけてください。
学校・職場への復帰とマスクの関係
学校保健安全法では、インフルエンザによる出席停止期間を「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで」と定めています[5]。
多くの職場でもこの基準を参考にしているため、復帰のタイミングの目安として覚えておくとよいでしょう。
出席停止期間を過ぎて登校・出勤する際も、せきやくしゃみが残っている場合はマスクの着用をおすすめします。
復帰後しばらくは体力も完全には戻っていないため、無理をせず十分な休養を心がけてください。
周囲への配慮を忘れずに、段階的に日常生活に戻っていきましょう。
マスクと併用したいインフルエンザ予防対策
マスクは、インフルエンザ予防に効果的な手段ですが、マスクだけで感染を完全に防ぐことはできません。
手洗いやうがい、生活習慣の改善など、複数の対策を組み合わせることで、より効果的な感染予防が可能になります。
インフルエンザが流行する時期には、日常生活の中でできる基本的な対策を継続することが大切です。
手洗い・手指消毒の重要性
手洗いは、感染症予防の基本であり、最も重要な対策の一つです。
インフルエンザウイルスは接触感染でも広がるため、ドアノブや手すりなどを介して手にウイルスが付着し、その手で鼻や口を触ることで感染する可能性があります[2]。
外出から帰ったとき、食事の前、トイレの後、せきやくしゃみを手で覆った後には、手を洗う習慣をつけましょう。
流水と石けんで、指の間や爪の先、手首まで丁寧に洗うことが大切です[2]。
流水で手を洗えない場合は、アルコール消毒剤も有効ですが、目に見える汚れがある場合は流水での手洗いを優先してください[2]。
こまめな手洗いを習慣にすることで、マスクと合わせてより効果的な感染予防が期待できます。
うがいの効果と正しい方法
うがいは、のどの不快感の軽減や口腔内の清潔保持に役立つことがありますが、インフルエンザ予防としての有効性は手洗いほど確立していません。
厚生労働省は、インフルエンザの予防策として、うがいよりも手洗いやワクチン接種、適度な湿度の保持などを推奨しています[1]。
うがいをする場合は、まず口の中をブクブクとすすいでから吐き出し、次にのどの奥でガラガラとうがいをしてください。
日常的な予防目的であれば、水やぬるま湯でのうがいで十分でしょう。
生活習慣(睡眠・栄養・湿度管理)の見直し
体の抵抗力を高めるためには、日常的な生活習慣の改善も重要です。
睡眠不足や栄養の偏りは免疫機能の低下につながり、インフルエンザに感染しやすくなったり、重症化しやすくなったりする可能性があります。
十分な睡眠をとり、バランスの取れた食事を心がけることで、免疫機能を正常に保つことができます[1]。
空気が乾燥すると、のどや鼻の粘膜の防御機能が低下するため、加湿器などを使って室内の湿度を50〜60%に保つことが効果的です[1][4]。
定期的な換気を行い、室内の空気を入れ替えることも感染予防に役立ちます。
マスクや手洗いに加えて生活習慣を整えることで、インフルエンザに負けない体づくりを目指しましょう。
インフルエンザワクチンとマスクの併用効果
インフルエンザワクチンとマスクを併用することで、より効果的な感染予防が期待できます。
ワクチンには発症を抑える効果と重症化を防ぐ効果があり、とくに高齢者や基礎疾患のある方には重要な予防手段です[1][7]。
ただし、ワクチンを接種していてもインフルエンザにかかる場合はあるため、マスクや手洗いとの併用が大切になります。
ワクチンの効果が現れるまでには接種後1〜2週間かかるため、流行シーズン前の早めの接種がおすすめです[7]。
ワクチン接種を検討される方は、お近くの医療機関に相談するようにしましょう。

インフルエンザにはマスクだけではなく予防内服薬もおすすめ
インフルエンザは予防接種以外にも、状況により抗インフルエンザ薬の予防投与を検討することがあります。
予防内服(予防投与)とは、抗インフルエンザ薬を医師の判断で処方をうけて一定期間服用し、発症を抑えることを目的とする方法です。
以下のような場面で、医師が必要性を判断した場合に検討されることがあります。
- 家族や職場でインフルエンザ感染者が出た場合
- 受験など、どうしても体調を崩せない予定がある場合
- 高齢者や基礎疾患のある方など、重症化リスクの高い方が感染者と接触した場合、そういった方々と同居している場合
ただし、予防内服は保険適用外のため、自由診療での処方となります。
また、予防投与を行っても発症を完全に防げるわけではなく、副作用や耐性化リスクなども踏まえて慎重に判断します。
予防内服薬として処方できるお薬は以下のとおりです。
- オセルタミビル(タミフル後発品)1日1回 10日分:8,250円
- イナビル(先発品)2容器で1回分:10,450円
- ゾフルーザ(先発品)2錠で1回分 ※80kg未満の方向け:11,550円
- ゾフルーザ(先発品)4錠で1回分 ※80kg以上の方向け:19,250円
予防内服を希望される場合は、医師に相談のうえ、ご自身の状況に合ったお薬を選びましょう。

※医師の判断によりお薬を処方できない場合もございます。
※検査等が必要な場合は、対面診療をご案内させていただく場合があります。
インフルエンザのマスク予防に関するよくある質問
インフルエンザのマスクや予防方法について、多くの方が抱く疑問にお答えします。
Q1. マスク着用時に眼鏡が曇るのを防ぐには?
ノーズワイヤーを鼻の形にしっかりフィットさせることで、曇りを軽減できる可能性があります。
マスクを着用すると眼鏡が曇りやすくなるのは、鼻周りの隙間から呼気が漏れているためです。
それでも曇る場合は、マスクの上部を内側に折り込んだり、曇り止めスプレーを眼鏡に塗布したりする方法も試してみてください。
鼻周りの隙間をなくすことは、感染予防の観点からも重要なポイントです。
Q2. マスクをしていれば手洗いは不要ですか?
マスクを着用していても、手洗いは忘れずに行いましょう。
インフルエンザは飛沫感染だけでなく、接触感染でも広がるため、マスクだけでは感染を完全に防ぐことはできません[2]。
ドアノブやスイッチなどに触れた手で鼻や口を触ると、マスクをしていても感染するリスクがあります。
マスクの着用と手洗いを組み合わせることで、より効果的な感染予防が可能になります。
Q3. 症状がなくてもマスクを着用すべきですか?
医療機関を受診するとき、高齢者施設を訪問するとき、インフルエンザの流行期に混雑した場所に行くときなどは、マスクの着用が効果的です[1][2]。
また、高齢者や基礎疾患のある方と接する機会がある場合も、マスクの着用を検討してください。
マスクの着用は基本的に個人の判断に委ねられているため、状況に応じて適切に判断しましょう[2]。
まとめ:正しいマスク選びと使い方で効果的な感染予防を
インフルエンザは主に、飛沫感染と接触感染で広がるため、マスクの着用は感染対策として一定の効果が期待できます。
マスクには自分を守る効果と周囲への感染拡大を防ぐ効果があり、人混みや医療機関を訪れる際や、せきやくしゃみの症状がある場合には着用が推奨されています[1][2]。
マスクを効果的に使用するためのポイントは以下のとおりです。
- インフルエンザ予防には不織布マスクを選ぶ
- 鼻・頬・顎に隙間ができないようにフィットさせる
- 使用後はマスクの表面に触れずに耳かけ部分を持って外す
- 汚れたり湿ったりしたら早めに取り替える(目安として1日1枚程度)
ただし、マスクだけで感染を完全に防ぐことはできないため、手洗い・手指消毒、換気、生活習慣の改善など、複数の対策を組み合わせることが大切です[2]。
室内の湿度を50〜60%に保ち、十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけることで、体の抵抗力を高めることができます[1][4]。
インフルエンザワクチンの接種も、発症や重症化を防ぐ効果が期待できるため、流行シーズン前の接種を検討してみてください[7]。
これらの基本的な対策を日常生活に取り入れて、インフルエンザの流行シーズンを乗り越えましょう。
また、気になる症状がある場合は、早めに医療機関へ相談することをおすすめします。

