花粉症の人がトマトを食べるとアレルギー症状が出る理由と対処法

花粉症の方がトマトを食べたときに、口やのどにかゆみやイガイガ感を感じることがあります。
これは「花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)」と呼ばれる症状で、花粉とトマトに共通する構造を持つタンパク質が含まれているために起こる反応です。
特にスギ花粉症の方はトマトで症状が出やすいことが報告されています。

症状のほとんどは口やのどの軽い違和感だけで自然におさまり、加熱調理したトマト(ケチャップやトマトソースなど)では症状が出にくい傾向があります。

この記事では、花粉症の人がトマトでアレルギー症状が出る理由と、症状が出たときの対処法について詳しく解説します。

 

 

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)とは|花粉と食べ物の交差反応で起こる

花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)とは、花粉症の方が特定の果物や野菜を食べたときにアレルギー症状が出る疾患です[1]

口腔アレルギー症候群(OAS)とも呼ばれ、主に口やのどに症状が出ることが特徴です。

この症状が起こる原因は「交差反応」と呼ばれる現象にあります。花粉と一部の食べ物には構造が類似したタンパク質が含まれており、花粉にアレルギーがある方の体は、似た構造を持つ食べ物のタンパク質にも反応してしまうのです。

原因となるアレルゲンは熱に弱く、加工の過程で構造が壊れやすい性質を持っています[1]

そのため、生の果物や野菜では症状が出ても、加熱調理したものでは症状が出にくくなることが多いです。

花粉症の期間が長い方や、花粉に対する抗体の値が高い方ほど、この症状を合併しやすいことがわかっています。

スギ花粉症の人がトマトでアレルギー症状が出る理由

スギ花粉症の方は、生のトマトを食べたときに口やのどにアレルギー症状が出ることがあります[2]

日本の全人口の約4割以上がスギ花粉症と推計されており、トマトによる症状を経験する方も少なくありません[3]

スギ花粉とトマトには構造が類似したタンパク質が含まれていると考えられており、体がトマトを花粉と誤認してアレルギー反応を起こしてしまいます。

ただし、すべてのスギ花粉症の方にトマトアレルギーが起こるわけではありません。症状が出るかどうかには個人差があるため、過度に心配する必要はありません。

トマトのアレルゲンは加熱処理によって構造が変化するため、生のトマトでは症状が出ても、ケチャップやトマトソース、煮込み料理などの加工品では症状が出ないことが多いとされています[2]

トマトを使った料理が好きな方は、加熱調理を意識することで症状を避けられる場合があります。

花粉-食物アレルギー症候群の主な症状

花粉-食物アレルギー症候群の症状は、原因となる食べ物を口にした直後から15分以内に現れることがほとんどです[1]

症状の程度には個人差がありますが、多くの場合は軽症で自然におさまります。

多くの場合は口やのどの軽い症状だけでおさまる

花粉-食物アレルギー症候群の代表的な症状は、唇や舌、のどのかゆみやイガイガ感です[2]

原因となるアレルゲンは消化酵素に弱く、胃や腸で速やかに分解されやすいため、消化器より先に症状が広がりにくいのが特徴です。

口腔粘膜に食品が触れることで症状が始まりますが、飲み込んで消化されるとアレルゲンの構造が壊れるため、口やのど以外に症状が広がることは少ないです[1]

多くの場合、これらの症状は数分から数十分で自然におさまります。

まれに全身症状に進行することがある

頻度は高くありませんが、口やのど以外にも症状が広がることがあります。

まぶたの腫れや鼻水、腹痛・下痢などの消化器症状、じんましんなどの皮膚症状が出ることがあります。

さらにまれなケースとして、呼吸困難や血圧低下、意識障害などのアナフィラキシーを引き起こすこともあります[2]

症状が口やのど以外に広がった場合は、すぐに医療機関を受診してください。

 

 

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

他の花粉症でも注意が必要な食べ物一覧

花粉-食物アレルギー症候群は、スギ花粉症とトマトの組み合わせ以外にも起こります。

原因となる花粉の種類によって、症状が出やすい食べ物が異なります。自分がどの花粉にアレルギーがあるかを把握しておくと、注意すべき食べ物を予測しやすくなります[1]

花粉の種類症状が出やすい食べ物
スギ
・ヒノキ
トマト
ハンノキ
・シラカンバ(カバノキ科)
りんご、桃、サクランボ、梨、アンズ、アーモンド、豆乳、ピーナッツ、キウイフルーツ、ヘーゼルナッツ
カモガヤ
・オオアワガエリ(イネ科)
メロン、スイカ、キュウリ、トマト、キウイフルーツ、オレンジ、ピーナッツ
ブタクサ(キク科)メロン、スイカ、ズッキーニ、キュウリ、バナナ
ヨモギ(キク科)セロリ、ニンジン、マンゴー、クミン、コリアンダーなどのスパイス類

※参考:[2]

北海道や本州の山間部ではシラカンバが多く生育しているため、これらの地域ではりんごや桃などのバラ科果物で症状を訴える方が多い傾向にあります。

上記以外の組み合わせでも症状が出ることがあるため、気になる症状がある場合は医療機関に相談することをおすすめします。

豆乳とスパイスは重症化しやすいため注意が必要

花粉-食物アレルギー症候群は口やのどの症状だけで済むことがほとんどですが、一部の食品では全身症状を引き起こすリスクがあります。

特に豆乳とスパイス類は重症化しやすいことが報告されているため、該当する花粉症の方は注意が必要です[2]

豆乳は液体であるため一度に大量のアレルゲンを摂取しやすく、口やのどの症状だけでなく、じんましんや呼吸困難などの症状が出ることがあります。また、豆乳に含まれるアレルゲン(Gly m 4)は熱処理をしても完全には失活しないとされており、加熱した豆乳製品でも症状が出ることがあります[1]

カバノキ科花粉症の方で、過去に豆乳や大豆製品で口やのどに違和感を感じたことがある方は、摂取を控え、医師に相談することをおすすめします。

ヨモギ花粉症の方が注意すべきスパイス類(クミン、コリアンダーなど)では、重篤なアレルギー反応が起こることがあるため、該当する方は摂取を控えるなどの注意が必要です[2]

トマトでアレルギー症状が出たときの対処法

花粉-食物アレルギー症候群の症状が出たときは、まず落ち着いて対処することが大切です。

多くの場合は軽症で自然におさまりますが、症状が進行する可能性もあるため注意深く観察しましょう。

口の中に残っている食べ物を出して様子を見る

原因となる食べ物を食べて口やのどに症状が出たら、まず口の中に残っている食べ物を出しましょう。

口をすすいで残った食品を洗い流すことで、アレルゲンとの接触を減らすことができます。

多くの場合、症状は数分から数十分で自然におさまります。症状がおさまるまでは安静にして、呼吸や全身の状態を観察してください。

症状が出る食べ物は生での摂取を避ける

花粉-食物アレルギー症候群の基本的な対処法は、症状が出る食品の生での摂取を避けることです[1]

すべての果物や野菜を避ける必要はなく、実際に症状が出た食品のみを控えれば問題ありません。

原因食品がわからない場合は、アレルギー検査を受けて特定することをおすすめします。

加熱調理すれば食べられることが多い

花粉-食物アレルギー症候群の原因アレルゲンは熱に弱いとされているため、加熱調理することで食べられるようになることが多いです[1]

生のトマトで症状が出る方でも、トマトソースや煮込み料理、ケチャップなら問題なく食べられる場合があります[2]

ただし、加熱しても症状が出る方もいるため、初めて試すときは少量から始め、症状が出た場合は無理をせず医師に相談してください。

花粉症の治療で症状が軽減することも

花粉の飛散シーズンに抗アレルギー薬を服用していると、食物アレルギーの症状も軽くなることがあります。

花粉症の治療をしっかり行うことで、交差反応による食物アレルギーの症状も和らぐ場合があります。

花粉シーズンは症状が出やすくなる時期でもあるため、原因食品の摂取をより慎重にすることをおすすめします。

医療機関を受診すべき症状の目安

花粉-食物アレルギー症候群は多くの場合軽症ですが、以下のような症状がある場合は速やかに医療機関を受診してください。

すぐに受診すべき症状

  • 口やのど以外に症状が広がった(じんましん、顔やまぶたの腫れなど)
  • 腹痛や嘔吐が続く
  • 症状がなかなかおさまらない

救急対応が必要な症状

  • 呼吸困難、ゼーゼー・ヒューヒューという呼吸音
  • 意識がもうろうとする
  • 立っていられない、血圧が下がっている感覚がある

このような症状はアナフィラキシーショックの可能性があります。ためらわずに救急車を呼んでください[2]

過去にアナフィラキシーを起こしたことがある方は、携帯用アドレナリン自己注射薬(エピペン)の処方について医師と相談しておきましょう[2]

緊急時に備えて、近くの救急対応可能な医療機関を事前に確認しておくことをおすすめします。

 

 

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

花粉-食物アレルギー症候群の診断方法

花粉-食物アレルギー症候群が疑われる場合は、アレルギー専門医のいる医療機関を受診することをおすすめします。

診断には問診、血液検査、皮膚テストなどを組み合わせて行います[2]

正確な診断を受けることで、避けるべき食品と食べても問題ない食品を明確にすることができます。

問診

診断の第一歩は、詳しい問診です。どの食べ物を食べたときに、どのような症状が、どのくらいの時間で出たかを医師に伝えます。

花粉症の有無や種類、症状の出る季節なども重要な情報となります。受診前に、症状が出たときの状況をメモしておくとスムーズに診察を受けられます。

血液検査(特異的IgE抗体検査)

血液検査では、特定のアレルゲンに対するIgE抗体の量を調べます[2]

花粉と食物の両方に対する抗体を測定することで、交差反応の可能性を評価できます。

ただし、検査で陽性であっても実際に症状が出ない場合もあるため、検査結果だけで診断が確定するわけではありません。

皮膚プリックテスト

皮膚プリックテストは、アレルゲンを皮膚に少量つけて反応を見る検査です[1]

花粉-食物アレルギー症候群の診断には、新鮮な果物や野菜を使った「prick-to-prick test」が有用とされています[1]

この検査は専門的な技術が必要なため、アレルギー専門医のいる医療機関で受けることをおすすめします。

花粉症の治療ならクリニックフォアのオンライン診療が便利

花粉-食物アレルギー症候群の症状を軽減するには、まず花粉症そのものをしっかり治療することが大切です。

花粉症の治療は、オンライン診療を利用すると通院の手間なく始めることができます。クリニックフォアでは花粉症のオンライン診療に対応しており、自宅にいながら診察・処方を受けることが可能です。

スマートフォンやパソコンから24時間予約ができ、予約した時間にビデオ通話で医師の診察を受けてその場でお薬を処方してもらえます。待ち時間が少なく、仕事や家事の合間に受診できるため、忙しい方にもおすすめです。

処方されたお薬は最短翌日に自宅へ届くため、薬局に行く手間も省けます。花粉の飛散が多い日でも外出を最小限に抑えられるのは大きなメリットです。抗ヒスタミン薬や点鼻薬など、症状に合わせた処方を受けることができ、花粉シーズン前から早めに治療を始める「初期療法」にも対応しています。

花粉症を根本から改善したい方には、舌下免疫療法という治療法もあります[3][4]。舌下免疫療法は、アレルゲンを少量ずつ体に取り入れることで、アレルギー反応を起こしにくい体質に変えていく治療です。3〜5年の継続が必要ですが、長期的な症状改善が期待できます[3]。クリニックフォアでは舌下免疫療法にも対応しており、初回の対面診療後はオンライン診療で継続することが可能です。

 

 

※効果・効能・副作用のあらわれ方は個人差がございます。
※医師の判断によりお薬を処方できない場合があります。

花粉症とトマトアレルギーに関するよくある質問

花粉-食物アレルギー症候群は治りますか?

花粉-食物アレルギー症候群は、花粉症が根本にある疾患です。花粉症の症状が改善すると、食物アレルギーの症状も軽減することがあります。舌下免疫療法で花粉症を治療することで、関連する食物アレルギーが改善したという報告もあります。完治を目指す場合は、アレルギー専門医に相談して治療方針を立てることをおすすめします。

トマトジュースやケチャップは食べても大丈夫ですか?

トマトジュースやケチャップは製造工程で加熱濃縮されているため、アレルゲン活性が著しく低下し、症状が出にくい[2]。ただし、加工品でも症状が出る方もいるため、個人差があります。初めて試すときは少量から始めて、症状が出ないか確認してから量を増やすようにしましょう。症状が出た場合は無理をせず、医師に相談することをおすすめします。

子どもでも花粉-食物アレルギー症候群になりますか?

花粉-食物アレルギー症候群は、学童期以降に発症することが多い疾患です[2]。花粉症を発症してから数年後に食物アレルギーが現れるパターンが一般的です。近年は花粉症を発症する年齢が低年齢化しているため、小学生でも症状が出ることがあります。お子さんが果物を食べて口をかゆがる場合は、小児アレルギー専門医に相談することをおすすめします。

アレルギーが出る食べ物をすべて避ける必要がありますか?

実際に症状が出た食品のみを避ければよく、すべての関連食品を避ける必要はありません。血液検査で陽性が出ても、実際に食べて症状が出なければ除去する必要はありません。過度な食事制限は栄養バランスを崩す原因になるため、医師と相談しながら判断することが大切です。また、加熱すれば食べられる食品も多いため、調理方法を工夫することで食事の幅を広げることができます。

まとめ

花粉症の方がトマトを食べてアレルギー症状が出るのは、花粉-食物アレルギー症候群(PFAS)と呼ばれる疾患です。

花粉とトマトに含まれるタンパク質の構造が類似しているため、体がトマトを花粉と誤認してアレルギー反応を起こしてしまいます。特にスギ花粉症の方はトマトで症状が出やすいことが報告されています。

症状のほとんどは口やのどの軽いかゆみやイガイガ感で、数分から数十分で自然におさまります。生のトマトで症状が出る方でも、ケチャップやトマトソースなど加熱調理したものなら問題なく食べられることが多いです。

ただし、豆乳やスパイス類では重症化のリスクがあるため、該当する花粉症の方は注意が必要です。口やのど以外に症状が広がった場合や、呼吸困難などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください。

花粉症の治療をしっかり行うことで食物アレルギーの症状も軽減することがあるため、オンライン診療なども活用しながら適切な治療を続けていきましょう。

参考文献

  1. 日本小児アレルギー学会「食物アレルギー診療ガイドライン2021 第14章 食物以外の抗原感作による食物アレルギー」
  2. 日本アレルギー学会「特殊な食物アレルギー/Q&A」
  3. 環境省「花粉症環境保健マニュアル2022」
  4. 日本アレルギー学会「アレルゲン免疫療法の手引き2025」
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