花粉症の症状って? 風邪との違いや対策をご紹介<チェックリスト付き>

初春(2〜3月頃)や秋口など特定の時期になると、くしゃみが出る、目がかゆい、肌荒れがひどい…それ、もしかしたら花粉症かもしれません。

日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会が2019年に行った調査※によると、全国の花粉症の有病率は42.5%(約2人に1人)にまでのぼり、もはや花粉症は日本の国民病といっても過言ではありません。

花粉症はある日突然、誰にでも発症する可能性があります。本記事では花粉症が疑われるポイント、花粉症のメカニズム、対策方法について紹介します!
※環境省環境保健部環境安全課「花粉症環境保健マニュアル2022」

こんな症状があったら花粉症かも? セルフチェック

 

花粉症の症状は、水のような鼻水と繰り返すくしゃみ、鼻づまりが大きな特徴です。そのほかにも目のかゆみや異物感、肌荒れなど、人によって症状に違いがあります。

≪セルフチェック≫

こんな症状はありませんか?

  • 連続したくしゃみが出る
  • 水っぽい鼻水が出る
  • 鼻づまり
  • 咳が出る
  • のどのかゆみ、いがらっぽさ
  • 目のかゆみ
  • 肌荒れ
  • 頭痛

数日間だけでなく、2週間以上連続的にこのような症状が出る場合は、花粉症が疑われます。

比べて風邪の場合は、粘り気のある鼻水が出る、冷たい空気を吸い込んだときだけくしゃみが出る、熱やせき、悪寒を伴うなど、全身に症状が出ることが多いのが特徴です。

2024年春の花粉飛散はいつがピーク? 

花粉は秋から冬にかけて気温が下がりきらないと冬でも微量ながらに飛散することもあります。その影響で、今年もすでに花粉症で通院している人が多くなってきています。ここでは各地の飛散予測をまとめました。

2月上旬から要注意!各地の飛散予測

今年は暖冬の影響で、花粉の飛散開始が例年よりも全国的に一週間から10日ほど早まる見込みです。

日本気象協会によると、2024年春のスギ花粉シーズンは東京・福岡を皮切りに、ほぼ例年並みの2月上旬にスタートすると予測されています。近畿は2月中旬、北陸・東北南部は2月中旬から下旬、東北北部は3月上旬から中旬に飛散開始とみられています。

スギ花粉のピークは東京・福岡は2月下旬から、東北南部・北陸・東海・関西は3月上旬からとみられています。ピークの期間は10日から1か月ほど続く見込みです。

参考:日本気象協会「2024年 春の花粉飛散予測(第3報)」https://www.jwa.or.jp/news/2024/01/22206/
  

今年の花粉量は全国的にやや多め

花粉の飛散量は、前年夏の気象条件と前年春の飛散量が大きく影響します。多く飛散した翌年は減少する傾向があるといわれており、2024年春の花粉の飛散量は「過去10年で最多」とされた2023年に比べると少ない見込みです。

それでも昨夏の猛暑の影響で、多くの地域で例年並みか例年よりやや多いと予想されています。

関東甲信・四国地方は例年並み、東北・北陸・東海・近畿・中国・九州地方はやや多めの見込みです。北海道は前年比600%と非常に多いと予測されています。

国民病「花粉症」とは?

 

花粉症とは、スギなどの花粉が原因となって起きるアレルギー性疾患の一つで、医学的には「アレルギー性鼻炎」「アレルギー性結膜炎」と診断される症状です。

体の中では一体どのようなことが起こっているのでしょうか。

花粉症のメカニズム

人体には有害なものや異物を排除し、体を守ろうとする免疫機能が備わっています。この免疫反応が過剰になり、体に異常を起こすのがいわゆる「アレルギー」です。

花粉症の場合、花粉が目や鼻から入り、体内の免疫システムによって異物=敵とみなされると、「IgE(アイジーイー)抗体」(免疫グロブリンE)が作られます。

IgE抗体は花粉に接触するたびに作られ、体内に蓄積されます。その量が一定レベルに達すると、次に花粉が入ってきたときにアレルギー反応を起こすヒスタミンなどの化学物質が分泌され、花粉をできるだけ体外に放出しようとします。

そのため、くしゃみで吹き飛ばす、鼻水や涙で洗い流す、体内に取り込まないよう鼻を詰まらせるなどの症状が出てきます。

「去年までは全然大丈夫だったのに急に花粉症になってしまった」などという声もよく聞かれますが、それは、これまで蓄積されていたIgE抗体が一定量に達してしまったからなのです。

症状が出てからでは遅い! 花粉症対策はシーズン前から始めよう

「なんだか急に鼻がムズムズする」「目がかゆくて真っ赤」。こうした症状が出てから慌ててドラッグストアに駆け込む、という方も多いのではないでしょうか。

花粉症治療に用いる抗アレルギー剤は、服用してすぐには十分な効果が出ません。個人差がありますが、お薬の効果が安定するには、服用開始から1~2週間くらいかかるとされています。そのため、花粉が飛散し始めて症状が出てからの対策では遅いのです。

花粉症は、一度症状が出てしまうと粘膜がどんどん敏感になり、症状が強く出やすいとされています。発症を遅らせたり、症状を軽く抑えたりするためにも、症状が出る前からお薬を飲むなど早めの対策を始めることが大切です。

<症状別>花粉症に効くお薬の成分 

 

花粉症の主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、かゆみなどですが、どの症状がひどいかには個人差があります。

ここではそれぞれの症状に効きやすいお薬の成分について説明します。

目の症状

花粉症の人が使う目薬には、大きく分けて抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬、免疫抑制点眼薬の3種類あります。このうち、ステロイド点眼薬と免疫抑制点眼薬は症状が重い人が使うことがほとんどで、医師による診察が必要となります。

抗アレルギー点眼薬には、主な薬効成分の分類として抗ヒスタミン薬とケミカルメディエーター遊離抑制薬があります。

目のかゆみ

抗ヒスタミン薬

目のかゆみを早く抑えたい場合に有効です。ヒスタミンの働きを抑えることで早めに症状を抑える事が出来ます。

代表的な成分:クロルフェニラミンマレイン酸塩、ケトチフェンフマル酸塩 など

ケミカルメディエーター遊離抑制薬

症状が始まる前でも使える目薬です。炎症細胞のひとつ、肥満細胞に働き、ヒスタミンなどの炎症を起こす物質を出しにくくするお薬です。

代表的な成分:トラニラスト、クロモグリク酸ナトリウム、アシタザノラスト水和物など

目の充血

目の充血がある場合は、抗炎症成分が入った目薬を選ぶと良いでしょう。抗炎症成分によって、目の充血の原因のひとつとなる目の炎症をおさえることができます。

代表的な成分:プラノプロフェン、グリチルリチン酸二カリウム など

鼻の症状

鼻の症状のうち、くしゃみと鼻づまりはヒスタミンというアレルギー物質が原因で起こるので、ヒスタミンの働きを抑制する抗ヒスタミン薬が効果的です。

抗ヒスタミン薬には第一世代・第二世代があります。

くしゃみ・鼻づまり

第一世代抗ヒスタミン薬

即効性があり、事前の花粉症対策ができなかった場合には便利ですが、その一方で眠気をはじめ、めまいや口の渇き、頭痛などの副作用も強く表れやすいとされています。

代表的な成分:クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クレマスチンフマル酸塩など

第二世代抗ヒスタミン薬

第一世代と同様に即効性がありますが、最大の特徴は眠くなりにくく持続性が高いという事です。そのほかの副作用も第一世代に比べ大幅に軽減されています。

代表的な成分:ロラタジン、フェキソフェナジン塩酸塩、エピナスチン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩など

点鼻薬

点鼻薬には、先に書いた抗アレルギー薬のほかに、鼻の粘膜で起こるアレルギー症状に対して高い抗炎症効果が期待できるステロイド薬が含まれたものや、鼻の血管を収縮させる血管収縮薬が含まれたものもあります。

また、鼻症状がひどいときに点鼻薬を何度も使用してしまうという方も多く見受けられますが、一日あたりの使用回数や回数の限度があります。長期で使用を続けたり、繰り返し使用を続けたり、使いすぎるとかえって症状を悪化させることがあるお薬もあるため注意が必要です。

回数を多く使用したからといって効果は高まるわけではなく、副作用のリスクが高まる可能性があります。

ステロイド点鼻薬

ステロイド点鼻薬は、近年では軽症、初期の段階から用いられるお薬として位置づけられています。初期の症状が軽いときから使用することで、ピーク時に症状が悪化するのを抑えることができるとされています。

代表的な成分:フルチカゾン フランカルボン酸エステル、デキサメタゾン シペシル酸エステルなど

血管収縮薬

血管収縮薬は鼻づまりに対して即効性が期待できますが、長期で使用を続けたり、繰り返し使用を続けたりすると症状を悪化させることがあるため、注意が必要です。必ず医師の指示を守って使用するようにしましょう。

代表的な成分:ナファゾリン硝酸塩、トラマゾリン塩酸塩、オキシメタゾリン塩酸塩など

肌荒れ

花粉症による肌荒れ(花粉皮膚炎)の治療は、炎症を抑える塗り薬による治療と、アレルギー症状を抑える飲み薬による治療が一般的です。

炎症が強いときーステロイド薬が配合された薬

湿疹や皮膚炎の治療に使われるステロイド薬は、アレルギー反応が原因となる体の炎症を抑える効果が期待できます。

ステロイド薬は五段階に強さが分かれており、使う部位や症状によって適切な強さの薬剤を選ぶ必要があります。

顔の場合は1~3段階目の強さまでのもの使います。

代表的な成分:プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ヒドロコルチゾン酪酸エステルなど

かゆみが強いときー第二世代の抗ヒスタミン薬

代表的な成分:エピナスチン塩酸塩、フェキソフェナジン塩酸塩など

乾燥が強いとき—保湿を徹底

保湿剤による乾燥対策も大切です。

皮膚が乾燥すると肌のバリア機能が低下するため、小さな刺激でも炎症を起こしやすくなります。肌の吸水性や保湿性に優れているヘパリン類似物質が配合されている塗り薬がおすすめです。ヘパリン類似物質が配合されている市販薬には、さらっとした化粧水タイプや乳液タイプ、保湿力の高い軟膏タイプがあります。白色ワセリンも、皮膚の水分の蒸発を防ぎ、肌をバリアする働きがあります。

代表的な成分:ヘパリン類似物質、白色ワセリン など

上記の症状であっても、花粉ではなく別の原因がある可能性や、市販薬では対応しきれないこともあります。

  • 症状がひどい
  • お薬を使っても症状が改善されない
  • 息苦しいなど別の症状がある

効果・効能・副作用の現れ方は個人差があります。このような場合は医師の診察をうけ、診断された適切な治療方法をお守りください。 

花粉症ならクリニックフォアのオンライン保険診療が便利!

 

「もしかして花粉症かも?」と思っても、実際に医療機関に行くとなるとなかなか腰が重いということもありますよね。また花粉症の季節は医療機関が混み合うため、受診すること自体を諦めてしまう方もいるかもしれません。そのような場合におすすめなのがオンライン診療です。

クリニックフォアでは、保険診療を初診から手間なくオンラインで受けることができます。

スマートフォンかパソコンがあれば予約から診察までスムーズに行えます。また、お薬は最短で翌日に自宅に届くため、薬局に足を運ぶ必要もなく、支払い方法もクレジットや代引きなどに対応しています。

≪クリニックフォアのオンライン花粉症診療(保険診療)のメリット≫

  • 自分の都合のいい時間に診療が受けられる
  • 家や職場など、どこでも受診可能
  • 感染リスクが少ない
  • 移動時間・コストの節約
  • お薬は最短即日発送可能
  • 保険診療なので対面の医療機関と診察・処方料金は同程度※

 ※別途システム利用料がかかります。

「花粉症かも」と思ったら早めの受診を

花粉症対策は、花粉が飛び始める前から開始することがもっとも重要です。症状が出る前からお薬を飲み始めると、症状の発症を遅らせ飛散シーズン中の症状をやわらげることができます。

その結果、処方されるお薬の量が少なくなる場合もあります。

花粉症の症状がつらくても、「通院の頻度や診察の手間などが煩わしい」などの理由で医療機関に行かずに我慢するという方も多いのではないでしょうか。

クリニックフォアのオンライン診療なら、いつでもどこでも簡単に受診でき、すぐに治療を始めることができます。ぜひ気軽にオンライン診療を試してみてはいかがでしょうか。